◆【映画】『モンタナの目撃者』(2021年)の作品情報
| 原題 | Those Who Wish Me Dead |
|---|---|
| 監督 | テイラー・シェリダン |
| 脚本 | マイケル・コリータ、チャールズ・リーヴィット、 テイラー・シェリダン |
| 原作 | マイケル・コリータ『Those Who Wish Me Dead』 |
| 出演 | アンジェリーナ・ジョリー、フィン・リトルほか |
| 配給 | ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ |
| 公開 | 2021年 |
| 上映時間 | 100分 |
| 製作国 | アメリカ |
| ジャンル | アクション、スリラー、サバイバル・サスペンス |
| 視聴環境 | U-NEXT、吹替、自室モニター、nwmヘッドフォン |
◆主な登場人物・キャスト
ハンナ・フェイバー:アンジェリーナ・ジョリー
代表作『マレフィセント』(2014年)
コナー・キャサリー:フィン・リトル
代表作『ペンギンが教えてくれたこと』(2020年)
パトリック・ブラックウェル:ニコラス・ホルト
代表作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)
ジャック・ブラックウェル:エイダン・ギレン
代表作『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)
イーサン・ソーヤー:ジョン・バーンサル
代表作『フューリー』(2014年)
◆あらすじ
モンタナ州で森林消防隊員として働くハンナ・フェイバーは、過去に山火事の現場で仲間や子どもたちを救えなかった経験から、深い心の傷を抱えていました。自分の判断ミスが犠牲者を出したと責め続ける彼女は、仲間の前では明るく振る舞いながらも、危険な行動を繰り返しています。そんなハンナは、森林を見渡す監視塔で一人勤務することになります。

一方、法廷会計士のオーウェンは、ある組織に関わる重大な不正を知ったことで命を狙われていました。彼は息子のコナーを連れ、モンタナで保安官を務める義弟イーサンのもとへ逃げようとします。しかし、その後を冷酷な殺し屋のブラックウェル兄弟が追跡していました。山道を逃げる途中、コナーは父親から一通の手紙を託されます。そこには、組織を追い詰める重要な秘密が記されていました。
やがて一人で森をさまようことになったコナーは、偶然ハンナと出会います。事情を聞いたハンナは少年を保護し、安全な場所へ連れていこうとしますが、殺し屋たちの追跡に加え、森では巨大な山火事が発生していました。逃げ場を失っていく二人は、人間の悪意と自然の脅威が同時に迫る過酷な状況に立ち向かうことになります。

ここからネタバレありです
オーウェンの車はブラックウェル兄弟に銃撃され、崖下へ転落します。重傷を負ったオーウェンは、コナーに証拠となる手紙を託し、川に沿って町を目指すよう伝えます。しかし、追いついた殺し屋によってオーウェンは射殺され、コナーは父親の死を目の前で見ることになります。
コナーを保護したハンナは、監視塔から救助を求めようとしますが、通信設備は雷によって壊れていました。さらに、証拠を消す目的でブラックウェル兄弟が放った火が大規模な山火事となり、二人の行く手を遮ります。殺し屋たちはイーサンを脅して監視塔まで案内させますが、イーサンはハンナとコナーを逃がそうとして撃たれ、重傷を負います。
一方、妊娠中の妻アリソンは殺し屋の襲撃から逃げ出し、夫を救うために森へ向かいます。彼女は銃でパトリックを倒し、監視塔で負傷したイーサンを発見します。炎が迫る中、二人は酸素マスクを装着して救助を待ちます。
ハンナはコナーを川へ逃がし、残ったジャックに一人で立ち向かいます。追い詰められたハンナでしたが、戻ってきたコナーが相手の注意をそらし、その隙にハンナがジャックを倒します。二人は川の中に身を沈め、燃え広がる炎をやり過ごしました。
翌朝、救助隊が到着し、ハンナとコナー、アリソン、イーサンは無事に救助されます。コナーが守り抜いた手紙は、事件の真相を明らかにするため、報道機関へ渡されることになります。
◆考察と感想
『モンタナの目撃者』を観て最初に感じたのは、派手なアクション映画というよりも、傷を抱えた人間たちが極限状態の中でどう動くのかを描いた作品だということだった。アンジェリーナ・ジョリーが演じるハンナは、最初から強くて完璧なヒロインではない。過去の山火事で仲間や子どもたちを救えなかった記憶に縛られ、自分を責め続けている。仲間の前では明るく振る舞っているが、内側ではずっと壊れかけている。その不安定さがあるからこそ、コナーを守ると決めたあとの行動に重みが出ていた。
俺は、ハンナがコナーを助ける物語であると同時に、コナーによってハンナ自身が救われていく物語でもあると感じた。ハンナは過去に救えなかった命をずっと引きずっている。そんな彼女の前に、父親を殺され、命を狙われている少年が現れる。普通なら、少年を守ることは単なる任務や正義感として描かれそうだが、この作品では少し違う。ハンナにとってコナーを救うことは、過去の自分と向き合い、自分をもう一度信じ直すための行動になっている。過去を消すことはできないが、今目の前にいる一人を救うことはできる。その選択が、彼女にとって再生のきっかけになっていた。

momoko
「ずいぶん、弱めのアンジーだわ。驚いた。」

yoribou
「色んな役ができるって、役者さんにとっては、お得だね。一つしか出来なかったら、そう言う人もいるけど、演技に広がりがないね。」
コナーも、ただ守られるだけの子どもではなかった。父親を目の前で殺され、恐怖の中を一人で逃げながらも、託された手紙を手放さない。大人でも耐えられない状況なのに、泣きながら前へ進む姿には胸を打たれた。彼は勇敢というより、怖くても動くしかなかったのだと思う。本当の強さは、恐怖を感じないことではなく、怖さを抱えたまま前へ進むことなのだと、この作品はコナーを通して見せていた。
殺し屋のブラックウェル兄弟も印象に残った。彼らは感情をほとんど見せず、仕事として淡々と人を殺していく。必要以上に怒鳴ったり、狂った笑いを浮かべたりしないからこそ怖い。特にニコラス・ホルト演じるパトリックは、一見すると普通の青年のように見える。その普通さと冷酷さの落差が不気味だった。悪役が大げさではない分、この事件がどこか現実にありそうに感じられた。
一方で、俺が一番かっこいいと思ったのは、妊娠中のアリソンだった。彼女は守られるだけの妻ではなく、自分の判断で逃げ、武器を取り、夫を助けるために森へ向かう。追い詰められても冷静さを失わず、殺し屋に反撃する姿は、ハンナ以上に強烈だった。妊娠しているから弱いという描き方ではなく、守るものがあるからこそ強くなれる人物として描かれていたのがよかった。
この作品では、人間の悪意と自然の脅威が同時に迫ってくる。殺し屋だけでも十分に恐ろしいのに、そこへ山火事が加わることで、登場人物たちは逃げる方向すら奪われていく。火は誰が善人か悪人かを区別しない。証拠を消すために人間が放った火が、やがて誰にも制御できない怪物になっていく。この展開には、人間が自分の都合で自然を利用しようとしても、最後にはその力に飲み込まれるという皮肉も感じた。
ただし、物語としてはかなりシンプルだった。企業の秘密が具体的に何なのかは深く描かれず、黒幕の存在も少し曖昧なまま終わる。そのため、陰謀サスペンスとして期待すると物足りなさを感じるかもしれない。俺も、手紙に書かれていた内容や、殺し屋を雇った人物の背景をもう少し知りたかった。そこが描かれていれば、事件そのものにさらに厚みが出たと思う。
それでも100分という上映時間の中で、無駄を減らし、逃走劇と人間ドラマに集中した判断は悪くない。複雑な説明を増やすよりも、コナーを守れるのか、火から逃げ切れるのかという一点に絞ったことで、最後まで緊張感が途切れなかった。特に、ハンナとコナーが川に身を沈め、頭上を炎が通り過ぎる場面は強く印象に残った。火を避けるために水の中で息を潜める姿からは、生き残ることの苦しさが伝わってきた。
アンジェリーナ・ジョリーについては、圧倒的な強さを見せるというよりも、傷つきながら必死に踏ん張る演技がよかった。『ソルト』や『Mr.&Mrs.スミス』のような無敵のアクションヒロインではなく、恐怖も迷いも抱えた一人の人間として映っていた。だからこそ、斧を手に殺し屋へ立ち向かう場面にも説得力があった。
俺がこの映画から受け取ったのは、過去の失敗は消せなくても、その後の選択まで決めつける必要はないということだ。ハンナは過去に命を救えなかった。しかし、その経験があったからこそ、今度はコナーを見捨てなかった。人は一度の失敗で終わるのではなく、その後に何を選ぶかで変わっていける。『モンタナの目撃者』は、山火事と殺し屋から逃げるサバイバル映画でありながら、最後には自分を許すための物語になっていた。派手さだけを求めると少し地味に感じるかもしれないが、傷を抱えた者同士が支え合い、生き残ろうとする姿には、しっかりと心を動かされた。
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◆モテ男目線での考察
モテる男性は、自分の強さを大声で主張するのではなく、誰かが困っているときに自然に動ける人です。ハンナやイーサンは、危険を理解したうえでコナーを守ろうとしました。特に印象的なのは、恐怖や迷いを抱えながらも、責任から逃げなかったことです。
女性から信頼される男性にも、完璧さより、いざというときに落ち着いて行動できる安心感が求められます。口先だけで守ると言うのではなく、相手の不安を察し、自分にできることを黙って行う。そのような行動力と誠実さが、本当の魅力につながります。
◆教訓・学び
過去の失敗は消せなくても、目の前の命を守る選択によって、人はもう一度自分を信じ直すことができます。
◆評価
| 項目 | 点数 | コメント |
|---|---|---|
| ストーリー | 17 / 20 | 少年を守る逃走劇が分かりやすく描かれています。 殺し屋と山火事が同時に迫る展開にも緊張感があります。 陰謀の詳細が薄い点は少し物足りません。 |
| 演技 | 18 / 20 | アンジェリーナ・ジョリーが傷を抱えた消防隊員を好演しています。 フィン・リトルの恐怖と必死さも伝わります。 殺し屋兄弟の冷酷な演技も印象的です。 |
| 映像・演出 | 18 / 20 | 広大な森林と山火事の映像に迫力があります。 森の中での追跡や銃撃戦にも緊張感があります。 炎が迫る終盤の演出は見応えがあります。 |
| 感情の揺さぶり | 17 / 20 | 父親を失ったコナーの悲しみが伝わります。 ハンナが少年を守ることで再生していく姿も胸を打ちます。 アリソンとイーサンの場面にも心を動かされます。 |
| テーマ性 | 17 / 20 | 過去の失敗と向き合う人間の再生を描いています。 恐怖の中でも誰かを守る強さが伝わります。 自然の脅威と人間の悪意も対比されています。 |
| 合計 | 87 / 100 | 『モンタナの目撃者』は、殺し屋と山火事から少年を守るサバイバル・スリラーです。 物語はシンプルですが、追跡劇と自然災害の迫力で最後まで引き込まれます。 傷を抱えた主人公の再生も描かれた、見応えのある一作です。 |
◆『モンタナの目撃者』の総括
『モンタナの目撃者』は、父親を殺された少年コナーと、過去の山火事で心に傷を負った森林消防隊員ハンナが、殺し屋の追跡と巨大な山火事から逃れるサバイバル・スリラーです。人間の悪意と自然の脅威が同時に迫ることで、最後まで緊張感のある展開が続きます。
本作の中心にあるのは、ハンナの再生です。過去に救えなかった命への罪悪感を抱えていた彼女が、コナーを守ることで、もう一度自分の役割と向き合っていきます。コナーを救う行動は、ハンナ自身が過去を乗り越え、再び前を向くための一歩にもなっていました。
また、妊娠中のアリソンが殺し屋に立ち向かう姿も印象的です。守られるだけの人物ではなく、自ら状況を判断し、夫を救うために武器を取る強さが描かれています。ハンナだけでなく、アリソンやコナーも恐怖を抱えながら行動しており、本作では無敵の英雄ではない人々の勇気が描かれています。
企業の秘密や黒幕の背景が詳しく描かれないため、陰謀サスペンスとしては少し物足りなさがあります。しかし、物語を複雑にしすぎず、少年を守れるのか、迫る炎から逃げ切れるのかという部分に集中したことで、最後までテンポよく観ることができます。
アンジェリーナ・ジョリーの存在感、殺し屋兄弟の冷酷さ、迫力のある山火事が組み合わさった見応えのある作品です。過去の失敗は消せなくても、目の前の命を守る選択によって、人はもう一度自分を信じ、前へ進めることを描いた一作でした。
人生を変える決断は、一本のペンから始まることもある。
『モンタナの目撃者』で印象的だったのは、過去の失敗に苦しむハンナが、目の前にいるコナーを守るために、もう一度自分の判断を信じたことです。
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