今週の俳優ピックアップ

今週の俳優 PICK UP

黒川想矢(くろかわ・そうや)|『怪物』『国宝』で飛躍する16歳の実力派俳優

『怪物』で鮮烈な印象を残し、『国宝』でさらに存在感を高めた黒川想矢。
静かな表情の奥に複雑な感情を宿す、これからの日本映画を担う注目俳優だ。

黒川想矢(くろかわ・そうや)

黒川想矢とは何者か?

黒川想矢は、若さを感じさせないほどの静かな表現力を持つ俳優だ。

感情を大げさに表へ出すのではなく、
視線、呼吸、表情のわずかな変化によって、
人物の心の奥にある不安や孤独を伝えてくる。

その才能を広く知らしめたのが、
是枝裕和監督の映画『怪物』(2023年)である。

黒川は麦野湊を演じ、
周囲の大人たちには簡単には理解できない少年の複雑な感情を表現した。
物語の見え方が変化していく本作において、
彼の表情そのものが映画を成立させる重要な要素になっていた。

さらに『国宝』(2025年)では、
吉沢亮が演じる主人公・立花喜久雄の少年時代を担当。
短い出演時間の中でも、
芸の世界へ足を踏み入れていく少年の鋭さと危うさを強烈に残した。

まだ16歳。
それでもすでに、
「若手だから注目される」のではなく、
一人の俳優として作品を支えられる存在
になり始めている。

基本情報

  • 名前黒川想矢(くろかわ・そうや)
  • 生年月日2009年12月5日
  • 年齢16歳(2026年9月現在)
  • 出身埼玉県
  • 身長164cm
  • 所属舘プロ
  • 活動開始5歳より芸能活動を開始
  • 趣味写真撮影、裁縫、科学研究
  • 特技水泳、キックボクシング、餃子作り

俳優としての特徴

黒川想矢の最大の特徴は、
セリフのない時間でも役の感情を感じさせられることだ。

  • 言葉に頼らず感情を伝える視線の演技
  • 少年の不安や孤独を自然に見せる繊細な表現力
  • 作り込んでいるように見えない自然な存在感
  • 静けさの中に感情を蓄積させる内面的な演技
  • 作品によって印象を変えられる役への順応力

『怪物』の麦野湊は、
自分の気持ちをうまく説明できない少年だった。

だからこそ黒川の演技では、
言葉以上に目線や沈黙が重要になる。

観客は最初から湊の本心を知ることはできない。
しかし物語が進み、視点が変化することで、
それまで何気なく見ていた黒川の表情がまったく違って見えてくる。

一方、『国宝』では主人公・喜久雄の少年時代を演じた。

後に吉沢亮が演じる人物へつながる役であり、
喜久雄が持つ芸への執念、負けん気、危うさを、
少年期から感じさせる必要があった。

結論:
黒川想矢は、“何もしていないように見えて、感情を伝えられる俳優”だ。

代表作・おすすめ作品

  • 『怪物』(2023年)
    → 麦野湊役。黒川想矢の名前を一気に知らしめた代表作。
    是枝裕和監督のもと、少年の繊細で複雑な感情を見事に表現した。
  • 『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』(2024年)
    → 大村満役で出演。
    『怪物』とは異なる作品世界の中で、若手俳優として経験を積んだ一本。
  • 『国宝』(2025年)
    → 吉沢亮が演じる主人公・立花喜久雄の少年時代を担当。
    短い出演ながら、喜久雄という人物の原点を強く印象付けた。
  • 『この夏の星を見る』(2025年)
    → 安藤真宙役。
    等身大の学生を演じ、『国宝』とは違った自然体の演技を見せている。
  • 『GEMNIBUS vol.2「青い鳥」』(2026年)
    → 新たな映像表現に挑戦する企画作品へ出演。
    若手俳優として出演ジャンルを着実に広げている。
  • 『ARCO/アルコ』(2026年)
    → 日本語吹替版で主人公アルコの声を担当。
    実写だけではなく声の演技にも挑戦した。
  • 『免許返納!?』(2026年)
    → 来宮亮役。
    舘ひろしをはじめとするベテラン俳優陣と共演し、
    コメディ作品でも存在感を見せている。
  • 『3ミリの恋』(2026年11月6日公開)
    → キム・ジアンとW主演。
    『怪物』『国宝』を経た黒川想矢が、
    若手主演俳優として次の段階へ進む注目作だ。

受賞歴

黒川想矢が俳優として高く評価される大きなきっかけとなったのが、
『怪物』である。

  • 第47回 日本アカデミー賞 新人俳優賞 — 『怪物』
  • 第66回 ブルーリボン賞 新人賞 — 『怪物』
  • おおさかシネマフェスティバル2024 新人男優賞 — 『怪物』
  • 第38回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 新人賞 — 『国宝』『この夏の星を見る』

特に第38回日刊スポーツ映画大賞では、
16歳で石原裕次郎新人賞を受賞。
史上最年少、さらに満票での選出という結果になった。

『怪物』だけで終わらず、
『国宝』『この夏の星を見る』でも評価されたことが大きい。

一作品で注目された子役から、
継続して作品を任される俳優へ。

黒川想矢はいま、まさにその段階へ入っている。

人を惹きつける魅力という視点

黒川想矢を見ていると、
人の魅力は必ずしも「目立つこと」から生まれるわけではないと感じる。

大きな声で自分を主張したり、
無理に存在感を出そうとしたりしなくても、
真剣に何かへ向き合っている人は自然と目を引く。

黒川の演技もそうだ。

「自分を見てほしい」という演技ではない。
むしろ役の中へ静かに入っていく。

それでも画面に映ると、
なぜか目で追ってしまう。

これは日常でも同じなのだと思う。

本当に印象に残る人は、
自分を大きく見せようとする人ではなく、
自分の好きなことや、やるべきことへ真剣に向き合っている人なのだ。

黒川想矢には、
16歳という年齢以上に落ち着いて見える瞬間がある。

その静かな佇まいこそが、
この俳優の大きな魅力なのだと思う。

今後の注目ポイント

黒川想矢は現在、
「子役」から「若手俳優」へ変わっていく非常に重要な時期にいる。

『怪物』では少年の繊細さ、
『国宝』では若き日の喜久雄が持つ鋭さ、
『この夏の星を見る』では等身大の学生を演じた。

すでに作品ごとに異なる顔を見せ始めている。

そして次に注目したいのが、
2026年11月6日公開予定の『3ミリの恋』だ。

韓国の俳優キム・ジアンとのW主演で、
国や文化の違いを越えた若者たちの物語を演じる。

『怪物』で注目された少年が、
今度は一本の映画を主演として背負う。

黒川想矢にとって、
俳優として次のステージへ進む作品になる可能性は高い。

今後さらに見てみたいのは、
サスペンスや犯罪映画だ。

黒川には、
「この人物は何を考えているのだろう」と思わせる目がある。

善人なのか悪人なのか分からない人物、
秘密を抱えた青年、
静かな狂気を持つ役などを演じれば、
さらに面白い俳優になるのではないかと思う。

まだ16歳。

だからこそ完成されていない。
そのこれからどう変化するのか分からない余白も、
黒川想矢という俳優を追いかけたくなる理由の一つだ。

シネマログ一言まとめ

「静かな眼差しだけで、人物の心の奥まで見せられる俳優。」

黒川想矢を知るなら、まず『怪物』を観てほしい

黒川想矢という俳優を知るなら、
まず観てほしいのが是枝裕和監督の
『怪物』だ。

この映画では、
大人たちから見えている世界と、
子どもたちが実際に見ている世界がまったく違う。

その物語の中心にいるのが、
黒川想矢演じる麦野湊だ。


セリフよりも表情を見る。
そう意識して観ると、黒川想矢の演技の凄さがさらに分かる。

一度目は物語を追い、
二度目は湊の視線や表情を追ってみる。

すると同じ場面でも、
まったく違った意味に見えてくる。

これが『怪物』という映画の面白さであり、
黒川想矢の演技力を最も分かりやすく味わえる作品でもある。


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『国宝』でも黒川想矢の存在感を確認したい

『怪物』の次に観てほしいのが、
『国宝』だ。

黒川想矢が演じるのは、
吉沢亮演じる主人公・立花喜久雄の少年時代。

出演時間だけを見れば長い役ではない。

しかし、
後に芸へ人生を捧げる喜久雄の原点として、
少年時代の印象は非常に重要だ。


『怪物』の繊細な少年と、
『国宝』の野心を秘めた少年。
二作品を続けて観ると、黒川想矢の演技の幅がよく分かる。

映画を観たあとに吉田修一の原作を読むと、
喜久雄という人物の人生をさらに深く理解できる。


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更新日:2026年9月7日