撃っても死なない。切っても終わらない。
人間が欲望を捨てない限り、アナコンダも死なない。
◆作品情報
| 原題 | Anacondas: Trail of Blood |
|---|---|
| 監督 | ドン・E・ファンルロイ |
| 脚本 | デヴィッド・C・オルソン |
| 出演 | クリスタル・アレン、リンデン・アシュビー、 ジョン・リス=デイヴィス、アナ・ウラルほか |
| 公開 | 2009年 |
| 上映時間 | 91分 |
| 製作国 | アメリカ |
| ジャンル | ホラー/モンスターパニック/アクション |
| 日本公開 | 劇場未公開 |
| 前作 | 『アナコンダ3』(2008年) |
『アナコンダ4』は、巨大蛇と人間との死闘を描いてきた「アナコンダ」シリーズ第4作です。
前作『アナコンダ3』の物語を直接引き継いでおり、
不老不死につながる「不死の蘭」をめぐる研究と、
さらに進化したアナコンダとの戦いが描かれます。
第1作のようなジャングル・パニック映画とはかなり趣が異なり、
本作ではアナコンダが巨大蛇というよりも、
驚異的な再生能力を持つモンスターへと変貌しています。
◆キャスト
アマンダ/クリスタル・アレン
前作から引き続き登場する女性研究者です。
過去の惨劇を知る数少ない人物であり、
アナコンダと「不死の蘭」をこの世から消し去ろうとしています。
シリーズ後半の主人公と呼べる存在です。
ジャクソン/リンデン・アシュビー
マードック側の人間として物語に関わる男です。
巨大アナコンダだけではなく、
研究成果をめぐる人間同士の争いにも巻き込まれていきます。
マードック/ジョン・リス=デイヴィス
ウェクセル・ホール社会長です。
自身の病を治すため、不死の蘭から作られる薬に執着する人物です。
これまで散々な犠牲者を出しながら研究を諦めない、
本シリーズにおける「人間の欲望」を象徴する存在でもあります。
アレックス
古生物学の病理を研究する人物です。
森でアマンダと出会い、
巨大化したアナコンダとの戦いに巻き込まれていきます。
◆あらすじ
前作で研究施設から逃げ出した巨大アナコンダは倒されました。
しかし、その体内には新たな命が宿っていました。
そして研究者たちは、その子供を密かに回収していました。
目的は、「不死の蘭」から抽出した成分を利用した新薬の研究です。
ところが実験によってアナコンダは異常な速度で成長します。
巨大化しただけではなく、
重傷を負っても身体を再生するほどの驚異的な能力まで身につけてしまいます。

巨大化だけではない。傷を負っても再生する、“死なない”アナコンダへと変貌していた
やがてアナコンダは研究施設から脱走し、
森の中で人間や動物を次々と襲い始めます。
一方、前作の惨劇を生き延びたアマンダは、
すべての元凶となった不死の蘭とアナコンダを消し去るため、
ひとり山中で活動を続けていました。

前作の惨劇を知るアマンダ。すべてを終わらせるため、再び“あの怪物”と向き合う
そこでアレックスと出会ったアマンダは、
再び巨大アナコンダとの戦いへ向かうことになります。
◆ネタバレあらすじ
ここから先はネタバレを含みます
今回のアナコンダが厄介なのは、
単に巨大で凶暴なだけではありません。
不死の蘭を使った研究によって驚異的な再生能力を獲得しており、
銃で撃たれ、致命傷と思えるダメージを受けても簡単には死にません。
頭部を破壊するだけで倒せるような相手ではなくなっています。
アマンダは森の中でアレックスと行動を共にしながら、
アナコンダを追跡していきます。
しかし、敵はアナコンダだけではありません。
ウェクセル・ホール社会長マードックは、
自身の病を治すため研究成果を手に入れようとしており、
そのためなら犠牲者が出ることもいといません。
アマンダを追う武装した人間たちも現れ、
森の中ではアナコンダ、人間、研究成果をめぐる三つ巴の争いが展開していきます。
アマンダは途中で負傷し、
アレックスが彼女を残して助けを求めに向かいます。
その間にも巨大アナコンダは次々と人間を襲っていきます。
銃撃を受けても再生する怪物に対し、
登場人物たちは何度も銃で立ち向かいますが、
当然ながら決定打にはなりません。
最終的にはシリーズ恒例とも言える、
火力を使った力技の戦いへと発展します。
どれだけ再生能力があろうと、
最後に頼れるのはやはり爆発です。
こうしてアマンダたちは、
アナコンダとの戦いに決着をつけようとします。
◆考察と感想
もう「巨大な蛇」という説明では足りない
シリーズ1作目の『アナコンダ』を思い返すと、
怖さの中心にあったのは「巨大な蛇に襲われる」という生物としての恐怖だった。
ところが4作目ともなると事情が違う。
巨大化しているだけではなく、
不死の蘭によって再生能力まで手に入れている。
頭を撃っても死なないのである。
ここまで来ると、俺の中ではもう蛇ではない。
アナコンダの姿をしたモンスターである。
もちろん生物としてのリアリティを考えれば無茶苦茶なのだが、
シリーズ4作目にリアリティを求めても仕方がない。
むしろ「今回はどこまでやるのか」という方向に気持ちを切り替えた方が、
この映画は圧倒的に楽しい。
『アナコンダ3』より映画として見やすくなった
前作『アナコンダ3』は巨大蛇が出てきては人間を襲う展開がかなり多く、
物語よりも襲撃シーンを優先した印象が強かった。
それに対して本作は、
アマンダ、マードック、アレックスといった人物の目的が比較的分かりやすい。
アマンダはアナコンダと不死の蘭を消したい。
マードックは自分の命を救う薬が欲しい。
その両者の思惑の中心に、巨大アナコンダがいる。
非常に単純ではあるが、
この構図が最後までほぼ崩れないため、
前作よりストーリーを追いやすかった。
低予算テレビ映画らしい部分は隠しようがないものの、
少なくとも90分ほどのモンスターパニック映画としてはテンポ良く見ることができる。
CGの安っぽさすらシリーズの味になっている
アナコンダのCGについては、
さすがに褒めるのが難しい。
今見るとかなり人工的であり、
巨大蛇が画面に大きく映るほどCGらしさが目立ってしまう。
だが4作続けて見ていると、
不思議なことにこれすら味に感じてくる。
「はいはい、このアナコンダね」
という妙な安心感すらある。
1作目のような本格的な恐怖は薄れているが、
代わりにB級モンスター映画を見る楽しさが前面に出ている作品だと思う。
最大の怪物は、やっぱり人間の欲望
シリーズを通して俺が一番面白いと思うのは、
アナコンダ以上に人間が学習しないことである。
これまで何人犠牲になったのか分からない。
研究施設は破壊され、人間は食われ、
巨大な蛇が何度も逃げ出している。
普通なら研究を中止する。
ところが人間はまた研究する。
理由は今回も同じだ。
「死にたくない」からである。
マードックが求めているのは、
人類を救う崇高な薬というより、
自分自身を救うための薬だ。
その欲望の結果として、
本来存在するはずのない怪物が生まれていく。
そう考えると、このシリーズで本当に恐ろしいのはアナコンダではない。
「危険だと分かっていても、利益や命のためなら研究を止められない」
という人間の方なのである。
なぜ再生する相手にずっと銃で戦うのか
ただしツッコミどころも多い。
その代表が武器である。
今回のアナコンダは、
銃で撃っても再生することが分かっている。
それなのに登場人物たちは、
かなりの頻度で銃を持って立ち向かう。
俺なら一発撃って再生した時点で、
「これは銃でどうにかする相手ではない」と判断する。
だが彼らは撃つ。
そしてまた撃つ。
この辺りは真面目に考えるとかなり無理があるのだが、
最終的に「だったら爆破するしかない」というところへ行き着くのも、
実にアナコンダシリーズらしい。
アマンダを一人置いていく場面はさすがに気になる
もうひとつ強烈なのが、
負傷したアマンダを残してアレックスが助けを求めに向かう場面だ。
ここは見ていて、
「いや、今ひとりにするのか?」
と思わず画面に突っ込みたくなる。
そこら中に人食いアナコンダがいる森である。
しかもアマンダは正常な状態ではない。
助けを呼ぶにしても、
もう少し安全を確保してからにしてほしい。
もっとも、
こういう「なぜそうする」という行動が次の危機を生むのも、
B級パニック映画の大切な燃料なのだろう。
結局、嫌いになれないシリーズである
『アナコンダ4』を単体のホラー映画として評価すれば、
粗い部分はかなり多い。
CGは安っぽく、
人物の行動には疑問があり、
アナコンダの設定も完全にモンスター映画へ振り切れている。
それでも俺は、
最後までそれなりに楽しんでしまった。
理由は単純で、
ここまでシリーズを見てくるとアナコンダに愛着が湧いてしまうからだ。
「また人間が余計なことをしたのか」
「また逃げたのか」
「また銃で戦うのか」
そして最後には、
「やっぱり爆破か」
となる。
この予定調和を含めて楽しむ映画なのである。

momoko
「この作品は、この作品のままで良いと思うわ。映画って娯楽だから。」

yoribou
「そうだね。お金を掛けたからと言って、全部が全部面白いとは限らないよね。」
◆似ている作品・おすすめ映画2作品

【映画】パラサイト・バイティング 食人草(2008年)
逃げ場のない場所で、常識の通じない異常生物に命を狙われるサバイバルホラー。
ジャングルを舞台に、人間を容赦なく襲う存在と戦うB級モンスターパニック感が『アナコンダ4』とよく似ています。

【映画】ロスト・バケーション(2016年)
巨大な捕食生物から逃げながら、生き残る方法を必死に探す極限サバイバル。
敵が巨大蛇か巨大サメかという違いはありますが、「人間VS圧倒的な生物」というシンプルな恐怖と緊張感は共通しています。
◆もて男目線で考察
本作を人間関係の視点で見ると、
最も大きな教訓は「自分の欲望のために周囲を巻き込む人間には近づかないこと」です。
マードックはその典型です。
自分が生きたいという気持ち自体は、誰にでもあります。
しかし、そのために他人の命を危険にさらし、
制御できない研究を続ければ、
それは単なる自己中心性になってしまいます。
男女関係でも似たことはあります。
相手を思いやっているように見えて、
実際には「自分が寂しいから」「自分が嫌われたくないから」という理由だけで
相手を縛ってしまう人もいます。
余裕のある男は、
自分の欲望と相手への配慮を区別できます。
欲しいものを手に入れるためなら何をしてもいいという男より、
引くべきところで引ける男の方が格好いいものです。
不死の薬に執着した結果、
巨大アナコンダを生み出してしまうマードックは、
その真逆にいる人物と言えるでしょう。
◆本作から得られる教訓
- 危険だと分かった研究は、一度止める勇気を持つことが大切だ。
- 欲望が強くなりすぎると、周囲の犠牲が見えなくなる。
- 同じ失敗を繰り返さないことも立派な能力だ。
- 再生する巨大蛇に普通の銃だけで挑むのは危険。
- 危険な森で負傷者を一人にしてはいけない。
最後の二つはかなり特殊な教訓ですが、
アナコンダの世界では重要です。
◆評価
| 評価項目 | 点数 | ひとこと |
|---|---|---|
| ストーリー | 17 / 20 | 単純ではありますが、『アナコンダ3』より 人物の目的が整理されていて追いやすい です。 |
| 演技 | 16 / 20 | クリスタル・アレンを中心に、B級モン スター映画として必要十分な安定感が あります。 |
| 映像・演出 | 17 / 20 | CGの粗さは目立ちますが、アナコンダを 必要以上に見せないことで前作より見や すくなっています。 |
| 感情の揺さぶり | 17 / 20 | 再生能力という設定は面白いです。ただ し、怖さよりモンスターアクションとし ての楽しさが勝ります。 |
| テーマ性 | 17 / 20 | 不老不死を求める人間の欲望が惨劇を繰 り返すというシリーズの構図は分かりや すいです。 |
| 総合評価 | 84 / 100 | もはや巨大蛇映画というより再生モンス ター映画です。それでも前作より見やす く、B級映画として割り切れば意外と楽 しめます。 |
◆総括
『アナコンダ4』は、
シリーズが完全にB級モンスター映画へ振り切った一本です。
巨大化しただけでも十分なのに、
今回は再生能力まで手に入れています。
ここまで来ると、
「アナコンダとは何なのか」という疑問すらどうでもよくなってきます。
一方で『アナコンダ3』と比較すると、
人物の目的や物語の流れは整理されており、
一本の映画としてはこちらの方が見やすくなっています。
CGの安っぽさや登場人物の不可解な行動など、
B級映画らしい弱点は相変わらず存在します。
しかし、それを承知で見るのであれば、
巨大蛇、銃撃、追跡、そして爆発と、
シリーズに期待するものは一通り揃っています。
そして結局のところ、
今回も惨劇を作り出した最大の原因はアナコンダではありません。
「まだ研究を続けよう」と考えた人間です。
4作目まで来てもまったく学ばない人間たちと、
どんどん強くなっていくアナコンダ。
シリーズを追ってきた人なら、
その予定調和も含めて楽しめる作品でしょう。
巨大蛇としての怖さより、突き抜けたB級モンスター映画を楽しみたい人におすすめの一本です。
◆映画を観ながら、手元に置いておきたいもの
『アナコンダ4』のようなパニック映画は、
次々と危機が起こるので、気づけば最後まで一気に観てしまいます。
そんな映画鑑賞中、俺が意外と欠かさないのが水です。
コーヒーや炭酸もいいのですが、長時間の映画では結局、
クセがなくて飲みやすいものに戻ってきます。
そこで普段の水分補給用として使いやすいのが、
サントリー天然水です。
映画を観ている途中でも気軽に飲めますし、
自宅にケースで置いておけば、その都度買いに行く必要もありません。
映画をよく観る人なら、
飲み物をまとめてストックしておくと意外と便利です。
映画鑑賞のお供や、普段の水分補給用にどうぞ。


コメント