「アクセルを踏め。音楽が止まる前に。」
『ベイビー・ドライバー』は、天才的な運転技術を持つ青年が犯罪組織の「逃がし屋」として働きながら、
愛する女性との出会いをきっかけに裏社会から抜け出そうとするクライム・カーアクションです。
本作の最大の特徴は、カーアクションと音楽を単に組み合わせるのではなく、
音楽そのものを映画のリズムとして機能させていることです。
車の加速、ブレーキ、銃声、足音、カット割りまでが楽曲と呼吸を合わせています。
派手なカーチェイスだけを期待して観ても十分に楽しめます。
しかし、その奥には「過去から逃げ続けてきた青年が、自分の人生のハンドルを握り直す」という
シンプルながら熱い物語があります。
◆作品情報
| 作品名 | ベイビー・ドライバー |
|---|---|
| 原題 | Baby Driver |
| 監督 | エドガー・ライト |
| 脚本 | エドガー・ライト |
| 出演 | アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、リリー・ジェームズ、 ジョン・ハム、エイザ・ゴンザレス、ジェイミー・フォックスほか |
| 日本公開 | 2017年8月19日 |
| 上映時間 | 113分 |
| 製作国 | イギリス/アメリカ |
| ジャンル | クライム/アクション/カーアクション/ラブストーリー |
◆キャスト
ベイビー/アンセル・エルゴート
代表作:『きっと、星のせいじゃない。』(2014年)、『ダイバージェント』(2014年)、『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年)
本作の主人公。本名はマイルズです。
幼少期の交通事故による後遺症で耳鳴りを抱えており、それをかき消すため常にイヤホンで音楽を聴いています。
天才的なドライビングテクニックを持ち、犯罪組織の強盗を逃がす「逃走ドライバー」として働いていますが、
本人は暴力や殺人を嫌う心優しい青年です。
デボラ/リリー・ジェームズ
代表作:『シンデレラ』(2015年)、『イエスタデイ』(2019年)、『パム&トミー』(2022年)
ダイナーで働くウェイトレスです。
ベイビーと同じく音楽が好きで、二人は出会って間もなく惹かれ合っていきます。
犯罪とは無縁の世界に生きる彼女は、ベイビーにとって「普通の人生」と「新しい未来」を象徴する存在となります。
ドク/ケヴィン・スペイシー
代表作:『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)、『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)、『アメリカン・ビューティー』(1999年)
銀行強盗などを計画する犯罪組織の元締めです。
かつて自分の車を盗んだベイビーに損害分の借金を背負わせ、
返済代わりとして強盗チームの逃走ドライバーをさせています。
冷徹で計算高い男ですが、ベイビーの才能を高く評価しており、
物語終盤では意外な人間味も見せます。
バディ/ジョン・ハム
代表作:『MAD MEN マッドメン』(2007~2015年)、『ザ・タウン』(2010年)、『トップガン マーヴェリック』(2022年)
本名はジェイソン・ヴァン・ホーン。
ドクが集めた強盗チームの一員で、当初は落ち着いた雰囲気を持つ知的な男として登場します。
恋人ダーリンを深く愛していますが、彼女を失ったことをきっかけに激しい復讐心を爆発させ、
ベイビーを執拗に追い詰めていきます。
ダーリン/エイザ・ゴンザレス
代表作:『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019年)、『ゴジラvsコング』(2021年)、『アンビュランス』(2022年)
本名はモニカ・カステロ。
ドクの強盗チームに参加する犯罪者で、バディの恋人です。
大胆で危険を恐れない性格で、銃撃戦でも冷静さを失いません。
バディとは犯罪者同士でありながら強い愛情で結ばれており、
彼女の死が後半の展開を大きく動かします。
バッツ/ジェイミー・フォックス
代表作:『Ray/レイ』(2004年)、『コラテラル』(2004年)、『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年)
本名はレオン・ジェファーソン。
強盗チームの中でも特に凶暴で、気に入らない相手なら躊躇なく銃を向ける危険人物です。
他人をまったく信用せず、イヤホンを装着して無口なベイビーにも強い疑いを向けます。
人命を軽視するバッツと、人を傷つけることを嫌うベイビーの価値観は完全に対照的です。
グリフ/ジョン・バーンサル
代表作:『ウォーキング・デッド』(2010~2012年)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)、『フォードvsフェラーリ』(2019年)
物語冒頭の銀行強盗チームに参加する粗暴な犯罪者です。
ベイビーの無口な態度や常にイヤホンをしている姿を不審に思い、
強い警戒心を向けます。
登場時間は長くありませんが、序盤から犯罪者たちの危険な空気を印象づける人物です。
ジョセフ/CJ・ジョーンズ
代表作:『ベイビー・ドライバー』(2017年)、『Door in the Woods』(2019年)など
ベイビーの育ての父です。
聴覚に障害があり、車椅子で生活しているため、ベイビーとは主に手話で会話します。
犯罪に関わり続けるベイビーを心配しながらも深い愛情を注いでおり、
ベイビーにとって数少ない「家族」と呼べる存在です。
◆あらすじ
青年ベイビーは、驚異的なドライビングテクニックを持つ「逃がし屋」です。
銀行強盗を終えた犯罪者たちを車に乗せると、
警察車両を翻弄しながら狭い道路を縫うように走り、
巧みな運転で追跡を振り切ってしまいます。
そんなベイビーには一つ大きな特徴があります。
彼は仕事中も常にイヤホンを装着し、音楽を聴いています。
幼少期の交通事故によって母親を失ったベイビーは、
その事故の後遺症として激しい耳鳴りを抱えていました。
音楽は耳鳴りをかき消すための手段であると同時に、
彼が自分自身を保つために欠かせない存在となっています。

耳鳴りをかき消すため、ベイビーはいつも音楽とともにハンドルを握る。その運転技術は、まさに天才的だ
ベイビーが犯罪に関わっている理由は、
犯罪組織の元締めドクに借金をしているためです。
かつてドクの車を盗んで損害を与え、
その返済代わりとして強盗チームの逃走ドライバーをさせられていました。
もう少し働けば借金は完済する。
そう信じていたベイビーは、ある日ダイナーで働くデボラと出会います。
音楽好きという共通点を持つ二人はすぐに惹かれ合い、
ベイビーは彼女と一緒に車で遠くへ行く未来を夢見るようになります。

ベイビーが一目で惹かれたのは、ダイナーで働くデボラ。彼女との出会いが、犯罪とは無縁の人生を望むきっかけになった
やがて借金を返し終え、犯罪から足を洗ったベイビー。
ようやく普通の生活が始まるかに思えました。
しかし、ドクは彼を簡単には手放しません。
デボラや育ての父ジョセフの身に危険が及ぶことをほのめかされ、
ベイビーは再び犯罪の世界へ戻ることを余儀なくされます。
そして参加した新たな強盗計画には、
凶暴なバッツ、バディ、ダーリンという危険なメンバーが集められていました。
ベイビーは、愛する人を守りながら
この世界から抜け出すことができるのでしょうか。
◆ネタバレあらすじ
ここから先は結末までのネタバレを含みます
ドクに脅され、再び犯罪に加わることになったベイビー。
今回の標的は郵便局です。
メンバーには凶暴なバッツ、バディ、そしてバディの恋人ダーリンが集められます。
犯行に使う武器を手に入れるため取引場所へ向かいますが、
バッツは相手の中に警察官がいると判断し、突然発砲。
激しい銃撃戦へと発展します。
ベイビーは、自分が再び制御不能な犯罪の世界へ
引き戻されてしまったことを痛感します。
さらにバッツたちが食事のために立ち寄ったのは、
よりによってデボラが働くダイナーでした。
二人の関係を知られれば、デボラまで危険にさらされます。
ベイビーとデボラは知らない者同士のように振る舞いますが、
店を出る直前、ベイビーは彼女へ密かにメモを渡します。
そこには「午前2時に街を逃げ出そう」という内容が書かれていました。
その夜、ベイビーはデボラを迎えに行こうとしますが、
車の前にはバッツとバディが待ち構えていました。
彼らは、ベイビーがいつも持ち歩いているレコーダーを発見していました。
ベイビーは日常の会話を録音し、その声をサンプリングして音楽を作っています。
しかしバッツたちは、
警察へ渡す証拠を録音しているのではないかと疑います。
ドクの前で問い詰められますが、
実際にベイビーが作った音楽を確認したことで疑いは晴れます。
それでも、翌日の強盗から逃げることはできませんでした。
そして郵便局襲撃の日を迎えます。
ベイビーは逃走用の車で待機し、
バッツ、バディ、ダーリンが戻ってくるのを待ちます。
しかし、近くにいた一般人に対してバッツがためらうことなく銃を向けます。
これまで犯罪者たちの暴力に耐えてきたベイビーでしたが、
ついに我慢の限界を迎えます。
バッツたちが車に乗り込むと、
ベイビーはアクセルを踏み込みます。
しかし、それは逃げるためではありません。
前方に停まっていた車両へ猛スピードで突っ込み、
バッツを死亡させます。
ベイビーは初めて、
犯罪者たちの言いなりになることを拒んだのです。
ここから計画は完全に崩壊します。
警察との激しい追跡と銃撃戦が始まり、
ダーリンは警察に撃たれて命を落とします。
最愛の恋人を失ったバディは、
その原因を作ったベイビーに激しい復讐心を抱きます。
ベイビーは一人で逃走し、
デボラの働くダイナーへ向かいます。
しかし、そこにはすでにバディが待ち構えていました。
ベイビーはバディの足を撃ち、
デボラを連れて店から逃げ出します。
二人だけでは逃げ切れないと考えたベイビーは、
最後の望みをかけてドクのもとへ戻ります。
ドクは当初、自分の計画を壊したベイビーを助けようとはしません。
しかし、デボラを守ろうと必死になるベイビーを見て、
次第に態度を変えていきます。
ドクは二人に逃走資金を渡し、
街から逃がそうとします。
ところがその直後、
武器取引をめぐるトラブルから敵が襲撃してきます。
ドクはベイビーたちを守るために戦いますが、
その場で命を落とします。
さらに、バディが再び現れます。
ダーリンを失った怒りに支配されたバディは、
執拗にベイビーを追い詰めていきます。
駐車場での激しい戦いの中、
バディはベイビーの耳の近くで銃を撃ち、
彼の聴覚に大きなダメージを与えます。
それまでベイビーを守ってきた音の世界が崩れ、
激しい耳鳴りが彼を襲います。
それでもベイビーはデボラを守るために立ち向かい、
ついにバディを倒します。
ベイビーとデボラは車を走らせ、
二人で街から逃げようとします。
しかし道路の先には、
警察による検問が待ち構えていました。
デボラはそのまま突破しようとします。
逃走ドライバーであるベイビーなら、
ここから逃げ切ることもできたかもしれません。
しかし、ベイビーはもう逃げることを選びませんでした。
自分が犯罪に加担してきた事実と向き合い、
デボラをこれ以上巻き込まないため、
自ら車を降りて警察へ投降します。
裁判では、
過去にベイビーと関わった人々が証言します。
彼が犯罪者たちと同じように人を傷つけることを望んでいなかったこと、
危険な状況でも人を助けようとしていたことが語られます。
ベイビーは服役することになりますが、
デボラとの関係は途切れません。
そして数年後。
刑期を終えて外へ出たベイビーの前には、
一台の車が停まっていました。
その傍らで待っていたのはデボラです。
二人は再会し、抱き合います。
これまでベイビーは、
犯罪者を逃がすために車を走らせ、
自分自身も過去や犯罪の世界から逃げ続けてきました。
しかし最後には逃げることをやめ、
自分が犯した罪と向き合います。
そしてようやく、
誰かから逃げるためではなく、
自分が選んだ人生を走り始めることになるのです。
◆考察と感想
音楽を「BGM」にしなかった映画
『ベイビー・ドライバー』を観て最初に感じるのは、
とにかく映画そのものが音楽に合わせて走っているということだ。
普通の映画では音楽は映像を盛り上げるために使われる。
しかし、本作では順序が逆になっている。
音楽が先に存在し、そのリズムの中へ映像が飛び込んでいくのだ。
車のドリフト、ワイパー、ドアを閉める音、銃声、足音。
あらゆるものが楽曲のビートと噛み合っている。
冒頭のカーチェイスだけでも、この映画が普通のカーアクションではないことが分かる。
俺はカーアクション映画というと、
どうしても「どれだけ派手に車を壊すか」という方向へ行きがちだと思っている。
ところが本作は違う。
車が壊れることよりも、
車がどう動き、音楽とどう呼吸しているかを見せる映画なのだ。
イヤホンは、ベイビーが現実から身を守るための壁
ベイビーがいつも音楽を聴いている理由は、耳鳴りを消すためだ。
しかし物語を追っていくと、
イヤホンは単なる耳鳴り対策以上の意味を持っているように見えてくる。
幼少期の事故。
母親の死。
犯罪者たちの暴力。
ベイビーは、ずっと自分の力ではどうにもならない現実の中で生きてきた。
だからこそ音楽を聴く。
イヤホンを耳に入れれば、
少なくとも自分の世界だけは自分でコントロールできる。
俺には、音楽がベイビーにとって外の世界から自分を守るための「壁」に見えた。
だからこそ終盤で、
その安全な世界が壊される展開には大きな意味がある。
これまで音楽の世界へ逃げ込んできたベイビーが、
最後には現実そのものと向き合わなければならなくなるのだ。
「逃がし屋」が最後に逃げることをやめる
本作で特に印象的なのは、
ラストでベイビーが警察から逃げることをやめる場面だ。
これは物語全体を考えると非常にきれいな構成である。
ベイビーの仕事は「逃がし屋」だ。
銀行強盗を警察から逃がし、自分もドクから逃げようとし、
過去の事故や犯罪の世界からも逃れようとしてきた。
映画の大部分で、彼は何かから逃げ続けている。
しかし最後の最後で、逃げることをやめる。
俺がこの映画で一番好きなのは、ここだ。
デボラとそのまま走り去ることもできた。
それでもベイビーは車を降りる。
自分が犯罪に加担してきた事実を受け入れ、その責任を引き受ける。
「ベイビー」と呼ばれていた青年が、
この瞬間に初めて精神的な意味で大人になるのだと思う。
ドクという男が最後に見せた人間味
ドクは間違いなく犯罪者だ。
ベイビーを脅し、
本人が嫌がっているにもかかわらず何度も犯罪に参加させている。
決して善人ではない。
それでも最後には、
ベイビーとデボラを逃がそうとする。
少し急な変化にも見えるが、
俺はこの展開が嫌いではない。
ドクはベイビーの運転技術だけでなく、
どこかで彼自身を気に入っていたのだと思う。
そしてデボラを守ろうとするベイビーを見て、
自分にはない純粋さを感じたのではないか。
本作に登場する犯罪者たちは、
単純な「悪役」だけでは終わらない。
ドクには情があり、
バディにはダーリンへの強烈な愛がある。
その一方で、愛する人を失ったことでバディは狂気へと変わっていく。
こうした善悪だけでは整理できない人間臭さも、本作の面白さだ。
デボラは「普通の人生」の象徴
デボラというキャラクターは、
それほど複雑に描かれているわけではない。
しかし、この映画ではそれがむしろ重要だ。
彼女はベイビーにとって
「犯罪のない世界」を象徴する人物だからだ。
ダイナーで働く。
音楽について話す。
車でどこか遠くへ行きたいと夢を見る。
どれも普通のことだ。
しかし、犯罪者に囲まれて生きてきたベイビーにとって、
その普通こそが何よりも手に入れたいものなのだ。
だからこれは単なる恋愛映画ではない。
ベイビーがデボラを求めることは、
普通の人生を選びたいという意思そのものなのだ。
ストーリーそのものは意外と王道
演出は極めて個性的だが、
物語だけを抜き出せばかなり王道だ。
犯罪から足を洗いたい青年。
愛する女性。
抜けさせてくれない犯罪組織。
そして最後の仕事。
クライム映画では何度も描かれてきた構図である。
それでも退屈しないのは、
エドガー・ライト監督がその王道ストーリーを
音楽と映像によって完全に自分の映画へ変えているからだ。
俺は、新しい物語を作ることだけがオリジナリティではないと思う。
見慣れた物語を、誰も見たことのないリズムで見せる。
『ベイビー・ドライバー』は、その成功例だ。
◆もて男目線で考察
ベイビーは、いわゆる「口が達者なモテ男」ではない。
むしろ無口で、人付き合いも得意ではない。
いつもサングラスをかけ、イヤホンをして、自分の世界に閉じこもっている。
それでもデボラはベイビーに惹かれる。
なぜなのか。
俺は、ベイビーには自分だけの世界があるからだと思う。
音楽が好き。
車の運転が圧倒的にうまい。
録音した音を使って自分で曲を作る。
女性に気に入られるために作った趣味ではない。
誰に褒められなくても続けてきたものだ。
こういう「自分の軸」を持っている男は強い。
さらにベイビーは、
デボラの前で自分を必要以上に大きく見せない。
自分が凄腕のドライバーだということも、
危険な世界にいるということも、自慢の材料にはしない。
むしろ彼女の前では、
普通の青年として生きようとする。
そして最終的には、
デボラを巻き込んだまま逃げ続けるのではなく、
自分の罪を引き受ける道を選ぶ。
俺は、ここに男としての格好よさを感じる。
モテるというのは、
格好いい車に乗ることでも、
派手なことをすることでもない。
「この人なら自分を守ってくれる」と思わせる行動を取れること。
そこが、ベイビーの一番格好いいところだと思う。
◆本作から得られる教訓
① 得意なことだけでは人生から逃げ切れない
ベイビーには圧倒的な運転技術があります。
しかし、どれだけ車の運転がうまくても、
過去や自分の責任から永遠に逃げ続けることはできません。
最後に必要になるのは技術ではなく、向き合う覚悟です。
② 悪い環境から離れるには決断が必要
犯罪の世界に関わり続ければ、
いつか自分自身だけではなく大切な人まで巻き込んでしまいます。
人間関係でも仕事でも、
明らかに自分を悪い方向へ引っ張る環境からは離れる勇気が必要です。
③ 本当に大切なものができると人は変われる
ベイビーにとってデボラとの出会いは、
単なる恋愛ではありません。
彼女と未来を生きたいと思ったことで、
それまで流されていた人生を変えようと決意します。
守りたいものができた時、人は初めて本気で人生を変えられることがあります。
④ 自分の罪を認めることも強さ
逃走能力ならベイビーは誰にも負けません。
だからこそ最後に逃げず、自首を選んだ行動には意味があります。
本当の強さとは、失敗をなかったことにする能力ではなく、
自分のしたことに責任を取る覚悟なのだと感じます。
◆似ている作品・おすすめ映画

【映画】ドライヴ(2011年)
寡黙な凄腕ドライバーが裏社会に関わり、愛する女性を守るため危険な世界へ踏み込む。逃がし屋、卓越した運転技術、恋愛と犯罪という構図が『ベイビー・ドライバー』と非常に近い。

【映画】トランスポーター2(2005年)
凄腕ドライバーがハンドルさばきと身体能力を武器に危機を突破していく。スタイリッシュなカーアクションと、テンポよく突き進む爽快感が『ベイビー・ドライバー』とよく似ている。
◆評価
| 評価項目 | 点数 | ひとこと |
|---|---|---|
| ストーリー | 17 / 20 | 犯罪から抜けたい青年という王道構成ですが、無駄が少なく最後までテンポよく進みます。 |
| 演技 | 17 / 20 | アンセル・エルゴートの静かな存在感に加え、ジョン・ハムとジェイミー・フォックスの狂気が強烈です。 |
| 映像・演出 | 20 / 20 | 音楽、編集、カーチェイスを完全にシンクロさせた演出は唯一無二。冒頭だけでも観る価値があります。 |
| 感情の揺さぶり | 19 / 20 | 楽曲とアクションが一体化しており、テンポが非常に良く、113分をほとんど長く感じさせません。 |
| テーマ性 | 18 / 20 | 「逃げ続けてきた青年が最後に逃げることをやめる」という成長物語がきれいに描かれています。 |
| 総合評価 | 91 / 100 | 音楽、車、恋愛、犯罪を抜群のセンスで融合したスタイリッシュなクライム・アクションです。 |
◆総括
『ベイビー・ドライバー』は、
カーアクション映画として観ても十分に面白い作品です。
しかし、本作を特別な一本にしているのは、
やはり音楽です。
音楽を流しながらカーアクションを見せる映画ではありません。
音楽そのものが車を走らせ、登場人物を動かし、映画を前へ進めていきます。
冒頭の逃走劇から、
この映画には独特の気持ちよさがあります。
そして中盤以降は、
犯罪から抜けたいベイビーと、
彼を逃がしてくれない裏社会との衝突が一気に加速していきます。
俺は、単純なカーチェイス映画だと思って観るとかなり印象が変わる作品だと感じた。
特に好きなのは、
あれほど車で逃げることがうまかった男が、
最後には自分から車を降りるところだ。
人生で本当に難しいのは、
速く走ることではない。
どこへ向かうのかを自分で決めることだと思う。
そして時には、
逃げずに立ち止まることも必要なのだ。
音楽とカーアクションのセンスだけでも十分楽しめますが、
その奥にあるベイビーの成長まで見ると、
本作のラストはさらに気持ちよく感じられます。
車好きにも、音楽好きにも、テンポのいいクライム映画が好きな人にもおすすめできる一作です。
映画の「音」をもっと楽しみたいなら
『ベイビー・ドライバー』は、音楽をただのBGMとして使うのではなく、
車の動きや銃声、足音まで楽曲のリズムと一体化させた作品だ。
こういう映画を観ると、改めて「映画は映像だけではなく、音で楽しむものでもある」と感じる。
俺自身、映画を観るときに使っているのがnwmヘッドホンだ。
セリフや音楽をしっかり聴きながら作品に入り込みたいとき、
ヘッドホンが一つあるだけでも映画の印象はかなり変わる。
特に『ベイビー・ドライバー』のような音楽とアクションが一体になった作品とは相性がいい。
映画の音までじっくり楽しみたい人は、nwmヘッドホンもチェックしてみてほしい。

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