【映画】『コンティニュー』ネタバレ感想|死んでも終わらないタイムループ地獄を攻略する男

SF
SF動画配信洋画

◆【映画】『コンティニュー』(2020年)の作品情報

【原題】Boss Level

【監督・脚本・製作】ジョー・カーナハン

【脚本・原案】クリス・ボーレイ、エディ・ボーレイ

【製作・出演】フランク・グリロ

【出演】メル・ギブソン、ナオミ・ワッツ、ミシェル・ヨー、アナベル・ウォーリスほか

【配給】Hulu、クロックワークス

【公開】2020年

【上映時間】100分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】SFアクション、タイムループ、死にゲー系アクション

【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター、nwmヘッドフォン

◆キャスト

  • ロイ・パルヴァー:フランク・グリロ 代表作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)
  • クライヴ・ヴェンター大佐:メル・ギブソン 代表作『マッドマックス』(1979年)
  • ジェマ・ウェルズ博士:ナオミ・ワッツ 代表作『キング・コング』(2005年)
  • ダイ・フェン:ミシェル・ヨー 代表作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年)
  • アリス:アナベル・ウォーリス 代表作『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017年)

◆あらすじ

元デルタフォース隊員のロイ・パルヴァーは、ある朝、見知らぬ男に襲われながら目を覚まします。
何とかその場を切り抜けても、今度はヘリコプター、車、銃、刀、爆弾など、次々と現れる殺し屋たちに命を狙われます。
しかもロイは、その日を何度も繰り返していました。
どれだけ逃げても、どれだけ戦っても、必ずどこかで殺され、また同じ朝に戻されてしまうのです。

最初はただ生き延びることだけで精一杯だったロイですが、ループを重ねるうちに、敵の動きや襲撃の順番を覚え、少しずつ攻略法を身につけていきます。
やがて彼は、自分がこの異常な一日に閉じ込められた理由が、元妻ジェマの研究と関係していることに気づき始めます。
さらに、疎遠になっていた息子ジョーの存在も、ロイにとって大きな意味を持つようになります。

『コンティニュー』は、死んではリセットされる“死にゲー”のような構成を、痛快なアクション映画として描いた作品です。
派手な戦闘やブラックユーモアを楽しみながらも、物語の奥には、父親としてやり直したい男の後悔と再生が込められています。

ここからネタバレありです。

『コンティニュー』のネタバレあらすじを読む

ロイはループを繰り返す中で、元妻ジェマが勤めるダイナウ社と、上司であるヴェンター大佐が事件の鍵を握っていることを突き止めます。
ジェマは、歴史を書き換えることができる量子装置「オシリス・スピンドル」の研究に関わっていました。
しかしヴェンターは、その装置を利用して世界を支配しようとしており、ジェマもまた命を狙われていたのです。

ヴェンター大佐
ヴェンター大佐は、欲望も悪意も隠さない分かりやすい悪役です。
その明快さが、ロイとの対立をはっきりさせ、作品全体のテンポと爽快感を支えている

ロイは何度も殺されながら、敵の配置、侵入経路、戦い方を覚えていきます。
剣術の達人ダイ・フェンから剣を学び、暗殺者たちを攻略し、ついにダイナウ社へたどり着きます。
しかし、装置を止めることは簡単ではありません。
さらに、ロイが会社へ向かっている間に、息子ジョーも殺し屋たちの標的になっていたことを知り、ロイは深い絶望を味わいます。

それでもロイは諦めません。
ループの中でジョーと過ごす時間を重ね、父親として息子と向き合うようになります。
そして、毎朝自分が目覚めた時点では、まだジェマが生きていることに気づきます。
ロイは最短ルートでダイナウ社へ向かい、暗殺者たちを倒し、ヴェンターを撃破してジェマを救います。

ロイ・パルヴァー
何度死んでも学び続けたロイは、まるでゲームの主人公のように一日を攻略していく。
そして最後には、うまくいかなかった元妻ジェマの信頼に応え、世界を救う最後のピースとなっていった

しかし、オシリス・スピンドルの暴走を止めるには、ロイ自身が装置の中に入るしかありません。
それは、次に失敗すれば本当に死ぬかもしれない最後の挑戦でした。
ロイはジェマとジョーを救うため、再び一日をリセットします。
彼はすべての記憶と経験を武器に、最後の一日へと踏み出していくのでした。

◆映画『コンティニュー』の考察と感想

『コンティニュー』は、ひと言で言えば「死にゲー映画」である。主人公ロイ・パルヴァーは、朝起きた瞬間から殺し屋に襲われ、逃げても戦っても、必ずどこかで死ぬ。そしてまた同じ朝に戻される。普通なら絶望しかない状況だが、この映画はそこを重く描きすぎない。むしろ、死を攻略要素として扱い、何度も失敗しながら少しずつ先へ進んでいくゲーム感覚で見せてくる。

俺が面白いと思ったのは、ロイが最初から完璧な男ではないところである。元デルタフォースという設定なので戦闘能力は高い。しかし、人生そのものはかなり不器用だ。元妻ジェマとの関係は壊れているし、息子ジョーともきちんと向き合えていない。肉体的には強いが、父親としては逃げてきた部分がある男だ。だからこそ、このタイムループは単なるアクションの仕掛けではなく、ロイに人生をやり直させるための装置にも見える。

何度も死ぬという設定は、普通なら悲惨である。しかし本作では、ロイが殺され方を覚え、敵の動きを読み、攻略ルートを組み立てていくことで、観客側にも妙な爽快感が生まれる。最初は一方的に追い詰められていた男が、次第に敵の先回りをし、反撃の精度を上げていく。この積み重ねが気持ちいい。まさにゲームで何度も同じステージを失敗しながら、最後にはノーミスで突破する感覚に近い。

momokoアイコン

momoko
「観始めてすぐ設定が分かるのは良いよね。難しい映画だったら、状況を理解するのにどれくらい掛かるかが大事だったりするもん。」

yoribouアイコン

yoribou
「まっさらな先入観がない状態で映画は観たほうが良いよ。す~っと内容が無いって気やすいから。」

ただ、この映画が単なるバカアクションで終わらないのは、ロイと息子ジョーの関係があるからだ。ロイはループの中で、ジョーと過ごす時間を手に入れる。最初は父親として距離がある。息子もロイのことを父親だと知らない。しかし、同じ一日を繰り返す中で、ロイはジョーを守るだけでなく、ジョーを知ろうとする。ここが良かった。

強い男が敵を倒すだけなら、よくあるアクション映画である。しかし、本作のロイは、戦うことで父になるのではない。息子と一緒に過ごし、会話し、笑い、少しずつ相手を理解することで父親になっていく。ここに、この映画の芯がある。タイムループは世界を救うためだけではなく、父親になり損ねた男に、父親としての時間を与える仕組みでもあったのだ。

メル・ギブソン演じるヴェンター大佐は、かなり分かりやすい悪役である。世界を支配しようとする野心家であり、装置を自分のために利用しようとする。深い内面描写があるタイプではないが、この映画にはこれくらい分かりやすい悪役でちょうどいい。ロイが倒すべき相手がはっきりしていることで、アクションの勢いが止まらないからだ。

一方で、ナオミ・ワッツ演じるジェマは、物語の重要な鍵を握っている。彼女はロイをループに閉じ込めた張本人とも言えるが、それはロイを苦しめるためではない。世界を救う可能性をロイに託したのである。ここには、ロイへの信頼がある。かつて夫婦としてうまくいかなかったとしても、彼が最後には正しい選択をする男だと信じていたのだろう。

そして、ロイもその信頼に応える。何度も死に、何度も失敗し、何度も絶望する。それでも最後には、ジェマとジョーを救うために自分の命を賭ける。ここで大事なのは、ロイが「俺が世界を救う」と格好つけるわけではないことだ。彼の動機はもっと個人的で、もっと切実である。元妻を救いたい。息子を守りたい。父親としてやり直したい。その個人的な思いが、結果的に世界を救う行動につながっていく。

俺は、こういうアクション映画が好きである。大きな世界設定やSF理論よりも、最後に何を守るのかがはっきりしている映画は強い。『コンティニュー』の場合、それは家族である。ただし、ベタベタした家族愛ではない。失敗した男が、何度も死にながら、ようやく大事なものに気づいていく。そこに軽さと熱さの両方がある。

フランク・グリロの魅力も大きい。彼は派手なスターというより、傷だらけでしぶとく立ち上がる男がよく似合う。ロイという役も、スマートなヒーローではない。何度もやられ、文句を言い、疲れ果てながらも、それでもまた立ち上がる。そこがいい。完璧ではないからこそ、何度も挑む姿に説得力がある。

本作は、細かく考えればツッコミどころもある。タイムループや量子装置の設定は、かなり勢いで押し切っている部分がある。しかし、この映画において重要なのは、理屈の正確さではない。死んでも終わらない一日を、どう攻略し、どう生き直すかである。その意味では、最後までテンポよく、気持ちよく見せ切っている。

ラストも印象的だ。ロイは最後のリセットに向かう。そこで完全な結末を見せ切らず、彼がもう一度挑む姿で終わる。この終わり方は、少し余韻が残る。成功したのかどうかをはっきり見せるよりも、ロイならきっとやり遂げると思わせる終わり方である。何百回も死んできた男が、最後に本当に守るべきものを知った。その時点で、彼はもう最初のロイではない。

『コンティニュー』は、軽快なタイムループアクションでありながら、実は「やり直し」の映画でもある。人生で失ったもの、向き合わなかったもの、逃げてきたもの。それらを取り戻すために、ロイは何度も死ぬ。派手な銃撃戦や剣戟の奥に、父親としての再生がある。そこが、この映画をただのノリだけの作品にしていない。

俺にとって本作は、深刻に考え込む映画ではないが、見終わった後に妙に前向きな気分が残る一本だった。失敗しても、死ぬほど痛い目にあっても、次は少しだけうまくやれる。人生も同じかもしれない。もちろん現実にリセットはない。それでも、昨日より少しマシな自分になることはできる。『コンティニュー』は、そんな単純で力強いメッセージを、銃と刀と爆発で包んだ痛快なアクション映画である。

死んでも終わらない一日は、人生をやり直す最後のチャンスだった。

『コンティニュー』で印象的だったのは、ロイが何度殺されても、ただ生き残るためだけに戦っていたわけではないことです。

最初のロイは、目の前に現れる殺し屋たちから逃げ、戦い、少しでも長く生き延びることで精一杯でした。
朝起きた瞬間から命を狙われ、どこへ逃げても必ず死が待っている。
その繰り返しは、まるでクリアできないゲームを何度もやり直しているようでした。

しかし、ループを重ねるうちに、ロイの目的は少しずつ変わっていきます。
敵を倒すことだけが目的ではなく、元妻ジェマがなぜ自分をこの一日に閉じ込めたのか、そして息子ジョーとどう向き合うべきなのかを知っていくのです。

面白いのは、本作が派手なアクション映画でありながら、最後には「父親としてのやり直し」にたどり着くところです。
ロイは強い男ですが、最初から完璧な父親ではありません。
むしろ、家族との関係では不器用で、向き合うべきことから逃げていた男です。

それでも、何度も死に、何度も失敗しながら、ロイは少しずつ前へ進みます。
殺し屋の動きを覚え、攻略法を見つけ、最後には自分のためではなく、大切な人を守るために命を賭ける。
そこに、この映画の本当の熱さがあります。

私自身、この作品を観ながら「人生にリセットはなくても、次の一手を変えることはできる」のだと感じました。
もし本作のように、タイムループ、死にゲー的な攻略感、そして強い男が大切な人を守るアクション映画が好きなら、次の作品もおすすめです。

映画の余韻を楽しみながら、こちらもどうぞ

◆似ている作品・おすすめ映画

亜人

【映画】亜人(2017年)

死んでも終わらない身体性、何度も倒されながら戦い続ける感覚が『コンティニュー』と近いです。アクションの勢いも強く、ゲーム的な攻略感があります。

本文を読む

ザ・ファブル

【映画】ザ・ファブル(2019年)

軽さのある殺し屋アクションとして相性がいいです。シリアスすぎず、強い男が状況を突破していく痛快さが『コンティニュー』と似ています。

本文を読む

◆モテ男目線で考察

モテ男目線で見ると、ロイの魅力は強さそのものではなく、最後に責任から逃げなかったことにあります。
最初のロイは、戦闘能力は高いものの、家族との向き合い方は不器用でした。
しかし、ループを重ねる中で、息子ジョーを知り、元妻ジェマを救おうとし、自分の命を賭けてでも大切な人を守る男へ変わっていきます。
口先ではなく行動で示すところがいいです。
どれだけ強くても、自分の都合だけで動く男は魅力的ではありません。
ロイは最後に、父として、男として、守るべきものを選びました。
そこに本当の格好良さがあります。

◆教訓

失敗を何度繰り返しても、大切な人を守るために立ち上がり続ける男だけが、本当に人生をやり直せます。

◆評価

項目 点数 コメント
ストーリー 18 / 20 タイムループを“死にゲー”のように見せる構成が楽しいです。
何度も死にながら攻略していく展開にテンポの良さがあります。
終盤で父としての再生につながる流れも意外に熱いです。
演技 18 / 20 フランク・グリロのしぶとく泥臭い主人公像が作品に合っています。
メル・ギブソンの分かりやすい悪役ぶりも存在感があります。
ナオミ・ワッツやミシェル・ヨーも短い出番ながら印象を残します。
映像・演出 18 / 20 冒頭から全力で走り出すスピード感が気持ちいいです。
銃撃、格闘、刀、爆発をテンポよく配置して飽きさせません。
ゲーム的なリトライ感を映像で分かりやすく見せています。
感情の揺さぶり 18 / 20 基本は軽快なアクションですが、息子ジョーとの関係に温かさがあります。
何度も死ぬ男が、最後に父親として目覚めていく流れが良いです。
深く泣かせるより、前向きな余韻を残すタイプの作品です。
テーマ性 18 / 20 失敗を重ねても、学び続ければ人生は変えられるというテーマがあります。
タイムループを、父親としてのやり直しに結びつけている点が面白いです。
派手なアクションの奥に、責任と再生の物語があります。
合計 90 / 100 18+18+18+18+18=90点。
死んでも終わらない一日を攻略していく、痛快なタイムループアクションです。
軽さと勢いの中に、父として大切なものを取り戻す熱さがある一本です。

◆総括

『コンティニュー』は、死んでは同じ一日を繰り返すタイムループ設定を、ゲーム感覚のアクションとして楽しませてくれる作品です。
銃撃、格闘、刀、爆発といった派手な見せ場が続き、テンポよく進むため、難しい理屈を考えすぎずに最後まで一気に見ることができます。

ただし、本作の魅力は勢いだけではありません。
何度も死を経験するロイが、少しずつ敵を攻略していく一方で、息子ジョーとの関係を見つめ直していく流れに、思った以上の温かさがあります。
強い男が敵を倒すだけでなく、父親として何を守るべきかに気づいていくところが、本作の核になっています。

SF設定はかなり勢いで押し切る部分もありますが、それを補って余りあるスピード感と痛快さがあります。
失敗しても、倒されても、次は少しだけ前へ進む。
その繰り返しの先に、大切な人を守る覚悟が生まれます。
『コンティニュー』は、軽快なアクションの中に、やり直しと再生の熱さを込めた一本です。

コメント