【映画】『ブレイン・ゲーム』(2015年)ネタバレあらすじ・結末と感想|予知能力者VS未来を読む殺人犯

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◆作品情報

「殺人か、救済か。未来を知る者たちが仕掛ける、予測不能の頭脳戦。」

監督 アフォンソ・ボヤルト
脚本 テッド・グリフィン、ショーン・ベイリー
製作総指揮・出演 アンソニー・ホプキンス
出演 ジェフリー・ディーン・モーガン、
アビー・コーニッシュほか
配給 ライオンズゲート・プレミア、ポニーキャニオン
公開 2015年
上映時間 101分
製作国 アメリカ
ジャンル サスペンス/スリラー/ミステリー
視聴環境 U-NEXT、吹替、自室モニター、nwmヘッドホン

◆キャスト

  • ジョン・クランシー:アンソニー・ホプキンス 代表作『羊たちの沈黙』(1991年)
  • チャールズ・アンブローズ:コリン・ファレル 代表作『ヒットマンズ・レクイエム』(2008年)
  • ジョー・メリウェザー:ジェフリー・ディーン・モーガン 代表作『ウォッチメン』(2009年)
  • キャサリン・コウルズ:アビー・コーニッシュ 代表作『スリー・ビルボード』(2017年)
  • エリザベス・クランシー:ジャニン・ターナー 代表作『クリフハンガー』(1993年)

◆あらすじ

前半:ネタバレなし

FBI捜査官のジョー・メリウェザーとキャサリン・コウルズは、不可解な連続殺人事件を追っていました。被害者たちはまったく異なる場所で暮らし、互いに接点もないにもかかわらず、全員がほぼ同じ方法で殺されています。さらに現場には犯人につながる指紋やDNAなどの証拠が残されておらず、捜査は完全に行き詰まっていました。

そこでジョーが頼ったのが、かつて捜査に協力していた医師ジョン・クランシーでした。ジョンには、人や物に触れることで過去や未来の断片を見ることができる特殊な能力があります。しかし、娘を亡くしたことをきっかけに妻とも離れ、現在は人里離れた場所でひっそりと暮らしていました。当初は協力を拒むジョンでしたが、事件資料に触れたことで不吉な光景を目にし、捜査に加わることを決意します。

ジョンは能力を使い、被害者たちにある共通点が存在することを突き止めていきます。しかし捜査が進むにつれ、犯人が自分たちの行動を先回りしているかのような不可解な出来事が続きます。

そしてジョンは気づきます。今回の相手は単なる連続殺人犯ではなく、自分と同じように未来を見ることのできる人物なのではないかと。

ここからネタバレありです。

▼ ネタバレありのあらすじを読む

ジョンは、被害者全員が本人も知らない重病や末期疾患を抱えていたことを突き止めます。やがて犯人チャールズ・アンブローズが姿を現し、自分も未来を見る能力を持っていることを明かします。しかもその力はジョン以上でした。

アンブローズは、これから耐え難い苦痛に襲われる人々をあらかじめ殺すことで、「苦しみから救っている」と信じていました。彼にとって殺人は快楽ではなく、未来に待つ苦痛から人々を解放するための行為だったのです。

正義と慈悲についてジョンに語るチャールズ・アンブローズ

アンブローズはジョンに、「命を奪うことは悪なのか、それとも苦痛から救う慈悲なのか」という本作の核心を突きつけた

さらに、ジョンの親友ジョーもステージ4の癌を患っていました。アンブローズはその未来まで知っており、別の事件を利用してジョーが銃撃される状況を作り出します。ジョーは病院でジョンに、「まだ生きてやりたいことがあった」と胸の内を明かし、そのまま亡くなります。

その後、アンブローズはジョンの前に姿を現します。自分の死期も近いことを知っているアンブローズは、同じ能力を持つジョンに自分の役割を引き継がせようとしていました。

最後の対決の舞台は駅です。アンブローズはキャサリンが撃たれる未来をジョンに見せ、彼女を救うためには自分を殺すしかない状況へと追い込みます。ジョンは未来を変えるためアンブローズを撃ち、キャサリンを救います。

事件は終わりますが、アンブローズの思想はジョンの中に重く残ります。なぜなら今回の事件で語られてきた「苦しみから人を救うために命を終わらせる」という考え方が、ジョン自身の過去とも深く結びついていたからです。

事件と自身の過去を重ね合わせ思い詰めるジョン・クランシー

アンブローズを追うほどに、ジョンは事件と自分自身の過去が重なっていることに気づき、苦悩を深めていった

事件後、ジョンは疎遠になっていた妻と再会します。そして最後に明かされるのが、ジョン自身の過去です。難病で苦しんでいた娘に薬を投与し、その命を終わらせたのはジョン自身でした。

つまりジョンもまた、アンブローズと同じように「苦しむ人間を死によって救う」という選択をした経験があったのです。アンブローズを否定しながらも、自分の過去と完全に切り離すことはできません。善と悪、正義と慈悲の境界を簡単には決められない余韻を残しながら、物語は幕を閉じます。

◆考察と感想

『ブレイン・ゲーム』を観る前は、アンソニー・ホプキンス演じる予知能力者と、さらに強い予知能力を持つ連続殺人犯が頭脳戦を繰り広げる、少し変わったサスペンス映画くらいに思っていた。実際、序盤から中盤にかけてはその期待どおりで、ジョンが人や物に触れるたびに断片的な映像が見え、それを手掛かりに犯人へ近づいていく展開はかなり面白かった。

ただ、この映画の本当の面白さは、犯人チャールズ・アンブローズの目的が明らかになってからだと思う。アンブローズは快楽のために人を殺しているわけではない。彼が狙うのは、癌や難病などによって、この先大きな苦痛を味わうことになる人たちだ。未来が見える彼は、その苦痛が始まる前に命を終わらせることで、その人を救っていると本気で考えている。

もちろん、だからといって殺人が正当化されるわけではない。本人の意思を無視して命を奪っている以上、やっていることは明確に殺人だ。ただ、俺がこの作品を面白いと思ったのは、アンブローズの主張を単純な狂人の理屈として片付けられないところだった。

特にジョーの存在が効いている。ジョーはステージ4の癌を患っていた。それでも彼は「まだ生きてやりたいことがあった」と言う。この言葉が、アンブローズの考え方に対する一つの答えになっているように感じた。

未来に苦痛が待っていたとしても、その人が今すぐ死にたいとは限らない。残された時間で家族と過ごしたいかもしれないし、やり残したことがあるかもしれない。未来が見えることと、その人の人生を決める権利を持つことは、まったく別の話なんだと思う。

アンブローズの最大の怖さは、未来が見える能力そのものではなく、「自分には他人の人生を判断する資格がある」と思ってしまったことだ。

そして、この映画がさらに厄介なのは、主人公のジョン自身もアンブローズを完全には否定できない立場にいることだ。

ラストで明かされるように、ジョンは難病で苦しんでいた娘に薬を投与し、自らその命を終わらせている。つまりジョンも、「苦しませ続けるより、死によって楽にしてあげたい」という選択を過去にしていたわけだ。

ここが『ブレイン・ゲーム』で一番好きなところだった。

善人のジョンと悪人のアンブローズが戦っているように見えて、実は二人はかなり似ている。違うのは、その選択をどこまで広げるかだ。ジョンは愛する娘という極めて個人的な状況の中で選択した。一方のアンブローズは、自分の能力を根拠に見知らぬ人間まで選別し始めてしまう。

その境界線がかなり怖い。

自分が未来を100%見ることができたとして、「この人は半年後に激しい苦痛の中で死ぬ」と分かっていたらどうするのか。俺なら何も知らない場合より間違いなく迷うと思う。それでも、本人の未来を本人より先に決めることはできない。未来が見えるからこそ、人間にはどうにもできないことがあると受け入れなければならないのだろう。

また、アンソニー・ホプキンスの存在感はやっぱり凄い。設定だけ見ればかなり漫画的で、「物に触ったら未来が見えるFBI捜査協力者」という話だ。それをホプキンスが演じるだけで妙な説得力が出てくる。能力を使うときの表情や、何かを知っていても口にしない間の取り方だけで、ジョンがこれまで何度も見たくない未来を見てきた人間なのだと感じさせる。

一方で、コリン・ファレル演じるアンブローズも良かった。登場時間はそれほど長くないのに、出てきた瞬間から映画の空気が変わる。自分が正しいと完全に信じているからこそ、声を荒らげたり狂ったように暴れたりする必要がない。静かに話しているだけなのに不気味だ。

個人的には、もっと早い段階からアンブローズとの駆け引きを見たかった気持ちもある。タイトルが『ブレイン・ゲーム』なので、二人の予知能力を利用した読み合いがもう少し長ければ、さらに面白くなったと思う。

未来を読んだ相手が、その未来を読まれることまで予測して行動する。この設定はかなり魅力的なので、そこは少しもったいなく感じた。

それでも終盤の駅での対決は印象に残った。アンブローズは自分がジョンに殺される未来まで分かっていながら、その未来へ向かって進んでいく。ある意味では、最後に殺される人物として選んだのは自分自身だったのかもしれない。

原題の『Solace』には「慰め」「苦痛を和らげる」という意味がある。そう考えると、この映画が描いていたのは殺人犯を捕まえる物語というより、人を苦しみから救うとはどういうことなのかという話だったように思う。

死なせることが救いなのか。それとも苦しくても生きる時間を残すことが救いなのか。その答えを映画ははっきりとは出さない。

俺は、そこがこの作品の良さだと思った。超能力サスペンスとして観始めたのに、最後には「人の人生を決める権利は誰にあるのか」という結構重い問いが残る。評価が分かれる作品なのは分かるが、アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルという二人の存在感も含めて、俺はかなり好きなタイプのサスペンスだった。

◆考察と感想

『ブレイン・ゲーム』を観る前は、アンソニー・ホプキンス演じる予知能力者と、さらに強い予知能力を持つ連続殺人犯が頭脳戦を繰り広げる、少し変わったサスペンス映画くらいに思っていた。実際、序盤から中盤にかけてはその期待どおりで、ジョンが人や物に触れるたびに断片的な映像が見え、それを手掛かりに犯人へ近づいていく展開はかなり面白かった。

ただ、この映画の本当の面白さは、犯人チャールズ・アンブローズの目的が明らかになってからだと思う。アンブローズは快楽のために人を殺しているわけではない。彼が狙うのは、癌や難病などによって、この先大きな苦痛を味わうことになる人たちだ。未来が見える彼は、その苦痛が始まる前に命を終わらせることで、その人を救っていると本気で考えている。

もちろん、だからといって殺人が正当化されるわけではない。本人の意思を無視して命を奪っている以上、やっていることは明確に殺人だ。ただ、俺がこの作品を面白いと思ったのは、アンブローズの主張を単純な狂人の理屈として片付けられないところだった。

特にジョーの存在が効いている。ジョーはステージ4の癌を患っていた。それでも彼は「まだ生きてやりたいことがあった」と言う。この言葉が、アンブローズの考え方に対する一つの答えになっているように感じた。

未来に苦痛が待っていたとしても、その人が今すぐ死にたいとは限らない。残された時間で家族と過ごしたいかもしれないし、やり残したことがあるかもしれない。未来が見えることと、その人の人生を決める権利を持つことは、まったく別の話なんだと思う。

アンブローズの最大の怖さは、未来が見える能力そのものではなく、「自分には他人の人生を判断する資格がある」と思ってしまったことだ。

そして、この映画がさらに厄介なのは、主人公のジョン自身もアンブローズを完全には否定できない立場にいることだ。

ラストで明かされるように、ジョンは難病で苦しんでいた娘に薬を投与し、自らその命を終わらせている。つまりジョンも、「苦しませ続けるより、死によって楽にしてあげたい」という選択を過去にしていたわけだ。

ここが『ブレイン・ゲーム』で一番好きなところだった。

善人のジョンと悪人のアンブローズが戦っているように見えて、実は二人はかなり似ている。違うのは、その選択をどこまで広げるかだ。ジョンは愛する娘という極めて個人的な状況の中で選択した。一方のアンブローズは、自分の能力を根拠に見知らぬ人間まで選別し始めてしまう。

その境界線がかなり怖い。

自分が未来を100%見ることができたとして、「この人は半年後に激しい苦痛の中で死ぬ」と分かっていたらどうするのか。俺なら何も知らない場合より間違いなく迷うと思う。それでも、本人の未来を本人より先に決めることはできない。未来が見えるからこそ、人間にはどうにもできないことがあると受け入れなければならないのだろう。

また、アンソニー・ホプキンスの存在感はやっぱり凄い。設定だけ見ればかなり漫画的で、「物に触ったら未来が見えるFBI捜査協力者」という話だ。それをホプキンスが演じるだけで妙な説得力が出てくる。能力を使うときの表情や、何かを知っていても口にしない間の取り方だけで、ジョンがこれまで何度も見たくない未来を見てきた人間なのだと感じさせる。

一方で、コリン・ファレル演じるアンブローズも良かった。登場時間はそれほど長くないのに、出てきた瞬間から映画の空気が変わる。自分が正しいと完全に信じているからこそ、声を荒らげたり狂ったように暴れたりする必要がない。静かに話しているだけなのに不気味だ。

個人的には、もっと早い段階からアンブローズとの駆け引きを見たかった気持ちもある。タイトルが『ブレイン・ゲーム』なので、二人の予知能力を利用した読み合いがもう少し長ければ、さらに面白くなったと思う。

未来を読んだ相手が、その未来を読まれることまで予測して行動する。この設定はかなり魅力的なので、そこは少しもったいなく感じた。

それでも終盤の駅での対決は印象に残った。アンブローズは自分がジョンに殺される未来まで分かっていながら、その未来へ向かって進んでいく。ある意味では、最後に殺される人物として選んだのは自分自身だったのかもしれない。

原題の『Solace』には「慰め」「苦痛を和らげる」という意味がある。そう考えると、この映画が描いていたのは殺人犯を捕まえる物語というより、人を苦しみから救うとはどういうことなのかという話だったように思う。

死なせることが救いなのか。それとも苦しくても生きる時間を残すことが救いなのか。その答えを映画ははっきりとは出さない。

俺は、そこがこの作品の良さだと思った。超能力サスペンスとして観始めたのに、最後には「人の人生を決める権利は誰にあるのか」という結構重い問いが残る。評価が分かれる作品なのは分かるが、アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルという二人の存在感も含めて、俺はかなり好きなタイプのサスペンスだった。

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momoko
「最初抵抗があったけど、アンソニー・ホプキンスの出演作も結構面白いわ。」

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yoribou
「未来が観れるって能力に抵抗が最初はあるだろうからね。しかも、この手の超能力者って、先の先を読んだりして奇人めいているからね。」

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モテ男目線で考察

モテ男目線で見ると、ジョンの魅力は「何でも分かっているのに、必要以上に語らない」ところです。相手の過去や弱さまで見えてしまう能力があっても、それを支配するためには使いません。キャサリンに対しても、守ろうとはしますが、自分を大きく見せようとはしません。本当に余裕のある男とは、相手を見抜くことより、見抜いていても黙っていられることなのかもしれません。逆にアンブローズは、他人の未来まで自分が決めようとしました。その差は、能力ではなく人間としての余裕だったように思います。

◆教訓・学び

未来が見えたとしても、他人の人生を決める権利までは持てません。

◆評価

項目 点数 コメント
ストーリー 19 / 20 予知能力者同士の駆け引きと、連続殺人の真相が
絡む展開が面白いです。
演技 19 / 20 アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルの静
かな対決に存在感があります。
映像・演出 19 / 20 予知した未来を断片的な映像で見せる演出が、
緊張感を高めています。
感情の揺さぶり 20 / 20 ジョーとの別れや、ジョンと娘の過去が明か
される終盤は強く心に残ります。
テーマ性 19 / 20 苦しみから救うためなら命を奪ってよいのか
という重い問いを投げかけます。
合計 96 / 100 超能力サスペンスの面白さに、生と死をめぐる
倫理観を絡めた見応えのある作品です。

◆総括

『ブレイン・ゲーム』は、予知能力を持つ者同士の対決を描いたサスペンスでありながら、その本質は「人を苦しみから救うとはどういうことなのか」を問いかける作品です。

アンソニー・ホプキンス演じるジョンと、コリン・ファレル演じるアンブローズは、立場こそ敵同士ですが、どちらも苦しむ人間の死に関わったという共通点を持っています。だからこそ単純な善と悪の戦いにはならず、最後まで割り切れない重さが残ります。

特に印象的なのは、未来が見えるからといって、その人の人生まで決めてよいわけではないということです。苦しい未来が待っていたとしても、その時間をどう生きるかを決めるのは本人であるべきなのでしょう。

予知能力を使った捜査や犯人との駆け引きにはエンターテインメント性があり、そこに安楽死や生きる権利という重いテーマを組み込んでいるのが本作の魅力です。アンソニー・ホプキンスの重厚な演技も作品をしっかりと支えています。

超能力サスペンスとして楽しめるだけでなく、観終わったあとに「生きること」と「救うこと」の意味を考えさせられる一作です。

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