【映画】『カーター』(2022年)ネタバレあらすじ・結末と感想|ワンカット風アクションが凄すぎるNetflixの怪作

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記憶はない。敵は無限。カメラは止まらない。――そして、カーターはどうやっても死なない。

Netflix映画『カーター』は、記憶を失った男が謎の声に導かれながら、世界を救う鍵となる少女を守って戦い続ける韓国発のアクション映画です。

この映画、普通のアクション映画だと思って観始めると、開始早々から面食らいます。

カメラは止まらない。主人公も止まらない。敵も次から次へと湧いてくる。
銃撃戦、バイク、車、飛行機、パラシュート、ヘリコプター、列車、そして感染者まで登場し、
「これ以上何をやるんだ?」と思っていると、本当にさらに何かをやってきます。

映像技術だけを見れば間違いなく凄い。
ただし、映画として面白いかというと、私は少し違う感想を持ちました。

◆映画『カーター』の作品情報

作品名 カーター
原題 카터(Carter)
公開 2022年
製作国 韓国
上映時間 132分
監督 チョン・ビョンギル
ジャンル アクション/スリラー
配信 Netflix
視聴環境 Netflix、吹替、IRIS OHYAMAモニター、nwmヘッドホン

◆キャスト・登場人物

  • カーター/チュウォン
    記憶を失った状態で目を覚ました男。自分が何者なのかも分からないまま、耳に埋め込まれた通信装置から聞こえる声に従って行動する。
  • キム・ジョンヒョク/イ・ソンジェ
    北朝鮮軍の中将。カーターの過去や任務にも深く関係している。
  • ハン・ジョンヒ/チョン・ソリ
    カーターを遠隔で誘導する女性。カーターの失われた記憶に関わる重要人物。
  • ハナ/キム・ボミン
    ウイルス治療の鍵を握る少女。カーターは彼女を守りながら北朝鮮を目指す。

◆『カーター』ネタバレなしのあらすじ

北朝鮮を発端として、人間の凶暴性を増大させる「DMZウイルス」が広がっていました。

そんな中、一人の男がモーテルの一室で目を覚まします。

しかし、自分の名前も、ここへ来た理由も、過去の記憶もありません。

部屋にはCIAのエージェントたちが現れ、男を追及。
すると突然、男の耳に埋め込まれた通信装置から女性の声が聞こえてきます。


記憶を失い、自分が何者かも分からないカーター


自分が何者なのかさえ分からないカーター。唯一の頼りは、耳元から聞こえてくる謎の女の声だった。

女性は男を「カーター」と呼び、逃げるためのルートを指示します。

なぜかカーターの身体には、驚異的な戦闘能力が染みついていました。

裸同然の状態から次々と敵を倒し、窓を突き破り、建物から飛び降り、逃走。
自分自身が何者なのか理解する暇さえ与えられません。


銭湯での乱闘から列車での戦闘まで戦い続けるカーター


序盤の銭湯での大乱闘から、バイク、飛行機、ヘリ、そして列車まで。カーターは最後の最後まで戦い続ける。

そしてカーターは、ある重大な任務を知らされます。

DMZウイルスへの抗体を持つ少女ハナを救出し、彼女を北朝鮮にいる父親のもとへ連れて行くこと。

ハナの血液から治療薬が完成すれば、大勢の感染者を救える可能性があります。

さらにカーター自身にも、任務を絶対に成功させなければならない個人的な理由がありました。

自分は誰なのか。

耳元から指示する女は信用できるのか。

CIA、韓国、北朝鮮――誰が味方で、誰が敵なのか。

何も分からないまま、カーターはハナを守るため、ほとんど休むことなく戦い続けることになります。

◆ネタバレあらすじ・結末

【ネタバレ注意】結末まで読む

カーターはハナを救出しますが、CIAからも国家情報機関からも追われることになります。

さらに「カーター」という名前すら本物なのか分からなくなっていきます。

カーターの正体について別の人物から異なる情報を与えられ、耳元から指示するハンの説明とも食い違い始めるのです。

しかし、立ち止まって真実を確かめる時間はありません。

カーターはハナを連れて飛行機へ乗り込みますが、今度は機内で裏切りが発生。
感染者まで現れて機内は大混乱となります。

飛行機から飛び降りた敵を追って、カーターまで空中へ。

ここからはもう「地上だから戦う」という常識すらありません。
落下しながら敵と戦い、パラシュートを奪い、ハナとともに地上へ戻ります。

その後も感染者の大群に襲われ、北朝鮮軍にも拘束されます。

そしてカーターは、ハンが単なる通信相手ではなく、自分の妻だったことを知ります。

さらに感染していた少女ユニは、カーターとハンの娘でした。

カーターがこの危険な任務に身を投じた最大の理由は、娘を救うことだったのです。

失われていた記憶も次第に戻り始めます。

カーターは家族を人質に取られ、ハナを連れてくる任務を強制されていました。
記憶喪失すら、この巨大な陰謀の一部だったのです。

チョン博士はハナの血液から作った血清をユニに投与。
症状を抑えることに成功します。

カーターはハン、ユニ、ハナ、博士を守りながら脱出。
大量の兵士を倒し、ヘリコプターから追撃してくる敵とも戦い、最後には走行する列車へ乗り込みます。

これでようやく終わった――。

と思わせた直後。

カーターたちを乗せた列車の進行方向にある線路が爆破されます。

列車はそのまま爆破地点へと向かい――映画はそこで終了。

つまり最後まで、カーターには一瞬たりとも平穏が訪れませんでした。

◆考察と感想|これは「映画」というより132分間のアクション実験だ

『カーター』を観終わって最初に思ったのは、
「凄いものを見た。でも面白かったかと聞かれると少し困る」ということだった。

この映画最大の特徴は、全編をほぼ一本の映像で撮影したかのように見せる「ワンカット風」の映像である。

普通の映画ならカットを切り替えるところでも、カメラはカーターから離れない。

人物の周囲を回り込み、上空へ飛び、地面すれすれまで落ち、車を追い越し、バイクを追い、再び人物の顔へ戻ってくる。

特に序盤の銭湯での乱闘を見た時点で、
「この映画、普通じゃないな」と分かる。

多数の男たちを相手に裸に近い状態で戦うカーターの周囲を、カメラが猛烈な勢いで動き続ける。

撮影、CG、スタント、編集をどう組み合わせればこんな映像になるのか。
技術的な興味だけでも最後まで見られるほどだ。

ところが、その「凄い映像を見せる」という目的が強くなりすぎた結果、次第に物語が映像の後ろへ追いやられてしまう。

カーターには記憶がない。

CIAに追われる。

少女を救う。

バイクで逃げる。

飛行機に乗る。

飛行機から落ちる。

空中で戦う。

感染者に襲われる。

軍隊と戦う。

ヘリコプターとも戦う。

最後は列車である。

いくら何でも全部乗せすぎだ。

普通なら映画一本のクライマックスとして成立するような場面が、10分、20分おきに出てくる。

最初は「凄い!」と思っていた私も、中盤を過ぎると感覚が麻痺してきた。

これはアクション映画では意外と大きな問題である。

人間は刺激に慣れる。

100のアクションの次に120を見せ、さらに150、200と上げ続けていけば、最後には200を見ても驚かなくなってしまう。

『カーター』はまさにそれだ。

しかも主人公カーターが尋常ではなく頑丈である。

銃撃されても、殴られても、爆発に巻き込まれても、高所から落ちても、また立ち上がる。

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momoko
「カーター凄すぎ。操り人形のように、カクカク飛んだり跳ねたり(笑)」

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yoribou
「本人は真剣なんだろうと思うけど、まるっきりゲームの世界の中にいるみたい。面白いけど。」

途中から、

「いや、この人はもう死なないんだな」

と思ってしまった。

そうなると、本来なら緊張するはずの危険な場面でも、こちらが心配しなくなってしまう。

「どうやって助かるんだ?」ではなく、
「今度はどんな無茶な方法で助かるんだ?」
という見方に変わっていくのである。

ただ、私はそれを完全な欠点とも思わない。

この映画は最初からリアリティを目指していないのだろう。

監督のチョン・ビョンギルは、物語を丁寧に語ることより、
「カメラをここまで動かしたら映画はどう見えるのか」
という実験を優先したのだと思う。

その意味では、『カーター』はかなり成功している。

少なくとも似たようなアクション映画を何十本も観てきた俺でも、
「これはどうやって撮ったんだ?」と思う瞬間が何度もある。

一方で、ワンカット風という演出そのものが、必ずしも映画を観やすくするわけではない。

カメラが常に高速で動くため、何が起きているのか分かりにくい場面もある。

本来なら役者の肉体や殺陣をじっくり見たいところでも、カメラ自身までアクションに参加してしまう。

カーターだけでなく、カメラまで暴れている。

これは本作の長所であり、同時に最大の短所でもある。

さらに興味深いのは、物語の根底に「記憶」があることだ。

カーターは自分が誰なのか分からない。
耳元から聞こえる声を信じるしかなく、出会う人物ごとに違う過去を聞かされる。

つまりカーターにとって世界とは、自分で判断するものではなく、
他人から説明された情報によって作られていくものなのである。

「お前はカーターだ」と言われればカーターになる。

「お前には娘がいる」と言われれば、その娘を救うために戦う。

それが本当なのか確かめる余裕もない。

実はここは結構面白い設定である。

もう少し静かな時間を作り、カーター自身が「自分とは何者なのか」を考える場面を増やしていれば、かなり面白いサスペンスになった可能性がある。

ただ本作は、そんなことを考えている暇をカーターにも観客にも与えない。

謎について考えようとすると、また誰かが襲ってくる。

そしてラスト。

家族を救い、ようやく列車へ乗り込み、
「今度こそ終わった」と思ったところで線路が爆破される。

ここまで来ると私は笑ってしまった。

カーターには休ませる気がない。

この映画自体が、
「止まったら負け」
というルールで作られているように感じる。

ストーリーの完成度を求める人には、かなり厳しい映画だろう。

しかし、

「こんなアクション映画は観たことがない」

という一点については間違いない。

良くも悪くも、普通ではない。

そして私は、完成度の高い無難な映画より、
こういう「やり過ぎて少し失敗している映画」の方が記憶には残る。

『カーター』は傑作だとは思わない。

だが数年後、

「あの、ずっとカメラが暴れながら主人公が永遠に戦っていた韓国映画」

と言われれば、私は間違いなく思い出すだろう。

それだけでも、この実験は無駄ではなかったと思う。

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◆もて男目線で考察

カーターの行動で印象的なのは、何も覚えていない状態でも「守るべき相手」が分かった瞬間から迷いがなくなることです。

自分の過去も、立場も、誰が味方なのかさえ分からない。
それでもハナや家族を守ると決めれば、あとは身体を張って行動する。

現実でこんな無茶をする必要はありませんが、女性から信頼される男にも少し似たところがあります。
口で「大切にする」と言うより、必要な時に実際に動く。

カーターほど命を張る必要はありません。
約束を守る、困った時に逃げない、相手が不安な時にそばにいる。
結局、男の信用は言葉より行動に出ます。

◆『カーター』から学ぶ教訓

「何者だったか」よりも、「今、誰のために何をするか」が、その人間を決める。

◆映画『カーター』の評価

項目 点数 コメント
ストーリー 19 / 20 記憶喪失と国家陰謀が絡み、「カーターは何者か」
という謎が最後まで物語を引っ張る。
アクション 20 / 20 銭湯、バイク、飛行機、空中戦、ヘリ、列車まで
何でもあり。圧倒的なアクション量だ。
映像・演出 18 / 20 ワンカット風映像は圧巻。ただしカメラが動き
すぎて、見づらさを感じる場面もある。
キャラクター 18 / 20 謎だらけのカーターは魅力的だが、アクション優先
で人物描写はやや薄い。
緊張感 20 / 20 目覚めた瞬間から最後まで、ほぼ休みなく続く展開
で緊張感が途切れない。
総合評価 95 / 100
やりすぎ感も含めて強烈。映像とアクションで押し
切る、一度は観てほしい怪作だ。

◆総括|凄すぎる。でも、やりすぎると凄さにも慣れてしまう

『カーター』は、ストーリーだけを取り出せば記憶喪失の工作員を主人公にした比較的オーソドックスなスパイアクションです。

しかし、それを「ほぼ全編ワンカット風」という異常な方法で撮ったことで、まったく別物の映画になりました。

銭湯で戦い、街を逃げ、バイクに乗り、飛行機から落ち、感染者と戦い、ヘリと戦い、最後には列車へ飛び乗る。

132分間、ほとんど休憩がありません。

その勢いは圧倒的です。

ただ、何事にも限度があります。

凄いアクションの次にもっと凄いアクションを入れ、それを延々と繰り返した結果、
終盤にはこちらまで「はいはい、今度はヘリね」くらいの感覚になってしまう。

そこが本作の惜しいところです。

それでも、この映画を「普通のアクション映画」と同じ物差しだけで評価するのも違う気がします。

『カーター』は映画であると同時に、
「現在の映像技術で、アクション映画はどこまで無茶ができるのか」
を試した実験作品なのでしょう。

好き嫌いはかなり分かれると思います。

私はストーリーよりも「やりすぎ」に目が行ってしまいましたが、
これほど堂々とやりすぎた映画なら、それはそれで嫌いではありません。


頭を使わず、とにかく凄い映像を浴びたい夜にはおすすめ。
ただし、カーターの体力だけでなく、観ているこちらの体力も必要な一本です。

◆映画を観ながら、気になったところをサッと掃除

映画を観ていると、なぜか床に落ちている髪の毛や小さなゴミが目に入ることがある。

だからといって、大きな掃除機を出して本格的に掃除を始めるほどでもない。
そんな時に便利なのが、すぐ手に取れる軽量のコードレス掃除機だ。

映画を一時停止して、気になった場所だけササッと吸って、すぐ鑑賞に戻る。
自分の部屋で映画を観ることが多い私には、このくらい気軽に使える掃除機の方が使いやすい。

「あとで掃除しよう」と思ったゴミは、結局そのままになりがち。
気付いた瞬間に片付けられるものを近くに置いておくと、映画を観る部屋も意外ときれいな状態を保てる。

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