◆作品情報
【映画】『ナインイレヴン 運命を分けた日』(2017年)
- 監督・脚本:マルティン・ギギ
- 脚本:スティーヴン・ゴレビオウスキー
- 原作:パトリック・カーソン『Elevator』
- 出演:チャーリー・シーン、ジーナ・ガーション、ウーピー・ゴールドバーグほか
- 配給:アトラス・ディストリビューション・カンパニー、シンカ
- 公開:2017年
- 上映時間:90分
- 製作国:アメリカ
- ジャンル:ヒューマンドラマ、サバイバル、パニックスリラー
- 視聴ツール:U-NEXT、吹替、自室モニター、nwmヘッドフォン
◆キャスト
- ジェフリー・ケイジ:チャーリー・シーン 代表作『プラトーン』(1986年)
- メッツィー:ウーピー・ゴールドバーグ 代表作『天使にラブ・ソングを…』(1992年)
- イヴ:ジーナ・ガーション 代表作『フェイス/オフ』(1997年)
- エディ:ルイス・ガスマン 代表作『ブギーナイツ』(1997年)
- マイケル:ウッド・ハリス 代表作『リメンバー・ザ・タイタンズ』(2000年)
◆あらすじ
あらすじ(ネタバレなし)
2001年9月11日、アメリカ・ニューヨーク。世界経済の中心とも言えるワールドトレードセンターには、いつもと変わらない朝が訪れていました。実業家のジェフリーは離婚調停中の妻イヴと話し合いを続けながらビルへ向かい、保全技術者のエディ、バイクメッセンジャーのマイケル、ロシア人女性ティナらと同じエレベーターに乗り込みます。

しかしその瞬間、突如として激しい衝撃がビルを襲います。エレベーターは大きく揺れながら停止し、乗り合わせた5人は密閉された空間に閉じ込められてしまいました。何が起きたのか分からないまま不安と恐怖に包まれる彼ら。やがて外部との連絡手段を通じて、自分たちが未曾有の大惨事のただ中にいることを知ります。
限られた空間の中で、見知らぬ者同士だった5人は少しずつ互いの人生や悩みを打ち明けるようになります。家庭の問題、将来への不安、家族への思い。それぞれが抱えていた事情が明らかになる中、外では事態が刻一刻と悪化していきます。
本作は2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロを背景に、巨大な歴史的悲劇をエレベーターという小さな密室空間から描いたヒューマンドラマです。派手なパニック描写よりも、極限状況の中で人々がどのように支え合い、生きる希望を見出していくのかに焦点が当てられています。
ここからネタバレありです(クリックして開く)
ネタバレあらすじ
ワールドトレードセンターに航空機が衝突したことで、ジェフリーたち5人はエレベーターの中に閉じ込められてしまいます。外部と連絡を取るオペレーターのメッツィーから同時多発テロが発生したことを知らされ、彼らは自分たちが極めて危険な状況に置かれていることを理解します。
閉じ込められた5人は恐怖と不安に支配されながらも、それぞれの人生について語り始めます。ジェフリーは妻との関係を修復したいと願い、イヴは息子の元へ必ず帰ると誓います。マイケルは家族との約束を思い出し、エディやティナもまた自分の人生を見つめ直していきます。最初は他人同士だった彼らの間に、次第に連帯感が生まれていきました。
やがて彼らは救助を待つだけではなく、自力で脱出することを決意します。協力してエレベーターの扉をこじ開け、壁を破壊して避難経路を確保します。そして最初にイヴが脱出に成功しますが、その直後にワイヤーが切れ、残された4人を乗せたエレベーターは急落してしまいます。

幸いにも途中で停止したため全員生存していましたが、再び身動きが取れなくなります。その後、救助隊が到着し一人ずつ救出されていきます。しかし最後に残ったジェフリーを助け出そうとした瞬間、エレベーターは再び動き始めます。救助隊員は必死にジェフリーへ手を伸ばしますが、ワイヤーが再び切断。ジェフリーと救助隊員は覚悟を決めた表情で見つめ合い、物語は幕を閉じます。
◆考察と感想|久しぶりのチャーリー・シーンと、作品としての物足りなさ
『ナインイレヴン 運命を分けた日』を観て、まず最初に思ったのは、物語そのものよりも「チャーリー・シーン、久しぶりに観たな」という驚きだった。『プラトーン』や『ウォール街』などで強烈な存在感を放っていた俳優だけに、この作品で年齢を重ねた姿を見ると、映画の内容とは別のところで時間の流れを感じる。自分の中にあるチャーリー・シーンのイメージと、本作での姿にギャップがあり、そこが一番印象に残ってしまったのが正直なところだ。
本作は、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロを背景に、ワールドトレードセンターのエレベーターに閉じ込められた男女5人を描いた作品だ。題材だけを聞くと、かなり重厚なドラマを想像する。9.11という出来事は世界中の人々の記憶に残る大きな悲劇であり、映画として扱うなら相当な覚悟や深みが必要なテーマだと思う。
しかし、実際に観てみると、思ったほど心に深く刺さる作品ではなかった。もちろん、エレベーターという密室空間に閉じ込められる恐怖はある。外で何が起きているのか分からない不安もある。ビルが揺れ、通信が入り、登場人物たちが混乱していく流れも理解できる。ただ、観ている側としては、終始「騒いで、そのまま終わった」という印象も残った。
密室劇として考えれば、登場人物同士の会話や心理の変化が重要になる。ところが本作では、人物の背景が用意されているわりに、その掘り下げがやや浅い。離婚寸前の夫婦、家族のもとへ帰りたい男、借金を抱える保全技術者、不倫関係に悩む女性。それぞれに事情はあるのだが、どれも設定として提示されるだけで、こちらの感情を大きく揺さぶるところまでは届かなかった。
特にジェフリーとイヴの夫婦関係は、物語の中心になり得る要素だったと思う。仕事を優先して家庭を顧みなかった夫と、そんな夫に見切りをつけようとしている妻。極限状態の中で夫婦が本音をぶつけ合い、関係を見つめ直すという展開は悪くない。ただ、そのドラマが9.11という大きすぎる題材の中で描かれると、少し軽く見えてしまう部分もあった。
9.11を題材にした映画には、『ユナイテッド93』や『ワールド・トレード・センター』のように、事件そのものの緊張感や重みを真正面から描いた作品がある。それらと比べると、本作はスケールも演出もかなり小さい。歴史的事件の重さを描き切れているかというと疑問が残る。エレベーター内から9.11を見るというアイデア自体は面白い。しかし、そのアイデアを一本の映画として成立させるには、もう少し人物描写や緊張感の積み重ねが必要だったように感じた。
また、ウーピー・ゴールドバーグ演じるメッツィーも重要な役割を担っている。エレベーター内の人々と外の世界をつなぐ存在であり、彼女の声が閉じ込められた人々にとって唯一の希望になる。ただ、こちらも思ったほど強い存在感にはなりきれていない。ウーピー・ゴールドバーグという名優を起用しているわりには、彼女の演技力を最大限に活かした作りではなかったように思う。
ラストも評価が分かれるところだ。救助の希望が見えたかと思えば、再びエレベーターが危険な状態になり、ジェフリーの運命は曖昧なまま終わる。現実の悲劇を扱っている以上、安易なハッピーエンドにしない選択は理解できる。ただ、映画として観た時には、余韻というよりも「ここで終わるのか」という物足りなさの方が強く残った。
もちろん、本作が伝えようとしていることは分かる。人は死を前にした時、仕事やお金や見栄ではなく、家族や大切な人のことを思う。見知らぬ者同士でも、極限状態では助け合おうとする。明日が当たり前に来るとは限らない。そうしたメッセージは確かに存在する。
ただ、そのメッセージが映画全体から強く響いてきたかというと、俺としてはそこまでではなかった。題材の重さに対して、作品としての厚みが追いついていない。これが一番しっくりくる感想だ。

momoko
「最後の終わり方、いきなりなんで繰り返して見たわ。すごい急!」

yoribou
「会話が、『パロディーかな?』と思えるところがあって、9.11の悲劇っていうイメージが無かったのもあるのよね。」
俺の中では、「9.11の悲劇を描いた映画」というより、「久しぶりにチャーリー・シーンを観て、時代の流れを感じた映画」という印象の方が強く残った。題材は重い。設定も悪くない。でも、観終わった後に残るのは感動よりも、作品の存在意義に対する疑問だった。なぜこの題材を、この形で映画にしたのか。そこにもう少し明確な答えが欲しかった作品である。
◆似ている作品・おすすめ映画

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◆モテ男目線での考察
この映画を観て感じたのは、女性は肩書きやお金ではなく「向き合ってくれるか」を見ているということです。ジェフリーは成功者でしたが、家庭を後回しにした結果、妻の心は離れていました。どれだけ稼いでも、どれだけ仕事で成果を出しても、大切な人との時間を軽視すれば信頼は失われます。
モテる男性は女性を楽しませる人ではなく、安心させる人だと思います。仕事も趣味も大切ですが、相手の話を聞き、感謝を伝え、一緒に過ごす時間を大切にする。その積み重ねが信頼になります。人生はいつ終わるか分からないからこそ、好きな人には「また今度」ではなく、今できる優しさを届けることが大切です。
◆教訓
明日が来る保証はないからこそ、大切な人への想いは後回しにしてはいけません。
◆評価
| 項目 | 点数 | コメント |
|---|---|---|
| ストーリー | 16 / 20 | 9.11をエレベーター内から描く着眼点は面白いです。 ただし物語の厚みや人物描写はやや不足しています。 題材の重さに対して物足りなさが残りました。 |
| 演技 | 17 / 20 | チャーリー・シーンの久々の主演が印象的です。 ウーピー・ゴールドバーグも安定感があります。 限られた舞台の中では健闘しています。 |
| 映像・演出 | 16 / 20 | 密室の閉塞感はうまく表現されています。 一方で映像的な見どころは少なめです。 低予算感は否めませんでした。 |
| 感情の揺さぶり | 17 / 20 | 実際の事件を背景にしているため重みはあります。 しかし登場人物への感情移入は限定的です。 強い感動までは届きませんでした。 |
| テーマ性 | 17 / 20 | 命の尊さや家族の大切さを描いています。 伝えたいテーマは理解できます。 ただし掘り下げはもう一歩欲しかったです。 |
| 合計 | 83 / 100 | 9.11という題材に期待しすぎると肩透かしを受ける作品です。 密室ヒューマンドラマとしては一定の見どころがあります。 何より久しぶりにチャーリー・シーンを観られたことが印象に残りました。 |
◆総括
『ナインイレヴン 運命を分けた日』は、2001年9月11日に起きた同時多発テロをエレベーターという密室空間から描いた異色のヒューマンドラマです。
9.11を題材にした作品としてはスケール感や緊張感がやや物足りなく、人物描写の掘り下げも十分とは言えませんでした。そのため、観終わった後には「結局この作品は何を伝えたかったのだろう」と感じる部分もありました。
一方で、極限状態に置かれた人々が家族や人生を見つめ直す姿には一定の見どころがあります。また、久しぶりにチャーリー・シーンやウーピー・ゴールドバーグの姿を観られるのも、映画ファンとしては興味深いポイントでした。
『ワールド・トレード・センター』や『ユナイテッド93』のような重厚な9.11映画を期待すると、肩透かしを受けるかもしれません。しかし、「もし自分があの日あの場所に閉じ込められていたら」という視点で観ると、本作ならではの恐怖や人間ドラマを感じられる作品です。
個人的には傑作とまでは言えませんが、9.11という歴史的悲劇を別の角度から描こうとした意欲作として記憶に残りました。
日常を整えることが、自分を守る力になる。
『ナインイレヴン 運命を分けた日』は、突然訪れる非常事態の中で、人が何を思い、何を大切にするのかを描いた作品でした。
この映画を観ると、明日が当たり前に来るとは限らないからこそ、普段の生活を整えておくことの大切さを感じます。
大切な人との時間を後回しにしないこと。身だしなみを整えること。体調を管理すること。毎日使う道具を、自分に合ったものにすること。
派手なことではありませんが、そうした小さな積み重ねが、日々の安心感や自信につながっていきます。
僕自身も映画を楽しみながら、財布、タブレット、オーディオ、スキンケア用品など、本当に気に入ったものだけを使い続けています。
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