【映画】『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』(2021年)ネタバレあらすじ・結末|犯人は誰?ジェーンの正体とラストを考察

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窓の向こうで見た殺人。
疑われたのは、目撃者の“記憶”だった。

「自分が見たものを、自分自身が信じられなくなったとき、人は何を頼ればいいのか。」

映画『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』とは

2021年にNetflixで配信された心理サスペンス
『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』。

主演は『メッセージ』『アメリカン・ハッスル』などで知られる
エイミー・アダムス。
さらにゲイリー・オールドマン、ジュリアン・ムーア、
アンソニー・マッキーと、驚くほど豪華な俳優陣が顔を揃えています。

物語の中心にいるのは、広場恐怖症によって自宅から出られなくなった女性アナ・フォックス。
彼女は窓越しに向かいの家を眺めることを日課にしていました。

ところがある夜、アナは向かいの家で
「女性が刺される瞬間」を目撃してしまいます。

警察に通報したアナ。
しかし、そこから物語は奇妙な方向へ進んでいきます。

「殺されたはずの女性は生きている」。

しかも周囲の人間は、アナの証言ではなく、
大量の薬とアルコールに依存する彼女自身を疑い始めるのです。

作品情報

作品名 ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ
原題 The Woman in the Window
公開 2021年5月14日
製作国 アメリカ
上映時間 約100分
ジャンル サスペンス/ミステリー/心理スリラー
監督 ジョー・ライト
脚本 トレイシー・レッツ
原作 A・J・フィン
配信 Netflix

主要キャスト・登場人物

アナ・フォックス/エイミー・アダムス

児童心理を専門とするセラピスト。
過去の出来事をきっかけに広場恐怖症を患い、
マンハッタンの自宅からほとんど外へ出られなくなっています。
大量の薬を服用しながら酒も飲んでおり、
窓から近所の住民を観察することが日課になっています。

アリステア・ラッセル/ゲイリー・オールドマン

アナの向かいに引っ越してきたラッセル一家の父親。
威圧的で感情的なところがあり、
アナが息子イーサンと接触することを強く嫌います。

ケイティ・メリ/ジュリアン・ムーア

ハロウィーンの夜、アナの家を訪れる謎の女性。
アナは彼女をラッセル家の妻「ジェーン」だと認識し、
酒を飲みながら親しく会話を交わします。
この出会いが事件の最大の謎へとつながっていきます。

イーサン・ラッセル/フレッド・ヘッキンジャー

ラッセル家の15歳の息子。
引っ越しの挨拶でアナの家を訪れ、
父親アリステアを恐れているような態度を見せます。
どこか危うく、助けを求めているようにも見える少年です。

デヴィッド・ウィンター/ワイアット・ラッセル

アナの家の地下で暮らしている間借り人。
やや粗暴な雰囲気を漂わせており、
物語が進むにつれて彼にも疑いの目が向けられていきます。

ネタバレなし|あらすじ

広場恐怖症を患う児童心理セラピストの アナ・フォックスは、
マンハッタンの大きな家で一人暮らしをしています。

何か月もまともに外へ出られないアナにとって、
窓から近隣住民の生活を眺めることは、
外の世界とつながる数少ない手段でした。

そんなある日、向かいの家に ラッセル一家が引っ越してきます。

息子のイーサンが挨拶に訪れたことをきっかけに、
アナは彼らの家庭に興味を持つようになります。

アナの家を訪れたラッセル家の息子イーサン
向かいに越してきたラッセル家の息子イーサン。穏やかに話す一方で、どこか追い詰められたような不安定さを漂わせていた

ハロウィーンの夜。
パニック発作を起こして倒れたアナを、
ラッセル家の妻だと名乗る女性ジェーンが助けます。

二人は酒を飲みながら意気投合しますが、
その数日後、アナは窓越しに ジェーンが何者かに刺される瞬間を目撃します。

向かいの家でジェーンが刺される瞬間を目撃するアナ
窓越しに、ジェーンが何者かに刺される瞬間を目撃するアナ。ここから「自分が見たものは本当に真実なのか」という疑念が物語を覆っていく

アナは警察へ通報。

しかし駆けつけた警察とラッセル家の人々は、
信じられないことを口にします。

「ジェーン・ラッセルは死んでいない」

そしてアナの前に現れた「ジェーン」は、
彼女が数日前に酒を飲んだ女性とは、
まったく別の人物でした。

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momoko
「ここで、精神的な病気を抱えたアナが、観たことをどんどん証明するような矛盾を指し示すのかと思ったわ。」

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yoribou
「そうなると、病気でも、こんなにできるというメッセージもなったね。アナすごいってね。」

アナが見た殺人は本当に起きたのか。

それとも薬とアルコールによって生まれた幻覚だったのか。

やがてアナ自身の隠された過去までが明らかになり、
観客は彼女の記憶そのものを疑うことになります。

ここからネタバレ|事件の真相と結末

【ネタバレ注意】クリックして結末まで読む

アナの家族に隠されていた真実

アナは事件後も、
自分が見た「ジェーン殺害」を必死に訴え続けます。

しかし警察は、
アナが服用している薬に幻覚などの副作用があることや、
彼女が酒と薬を同時に摂取していることを知ります。

さらに決定的だったのが、
アナが電話で会話していたと思っていた
夫エドワードと娘オリヴィアの存在でした。

二人は別居しているのではありません。

すでに亡くなっていたのです。

アナは過去、雪道を車で走っている際に事故を起こし、
同乗していた夫と娘を失っていました。

その強烈な罪悪感と喪失によって心を壊し、
死んだ家族と今も会話しているかのように暮らしていたのです。

真実を突きつけられたアナ自身も、
とうとう「自分が見た殺人は幻覚だったのではないか」と
考えるようになります。

しかし、殺人は本当に起きていた

すべてを自分の妄想だと思い込み、
人生を終わらせようとまで考えたアナ。

ところが彼女はスマートフォンの写真を見返している途中、
ある決定的な証拠を発見します。

ハロウィーンの夜、
アナの家を訪れた女性が撮影した猫の写真。

その写真を拡大すると、
ワイングラスに 女性の顔が反射していたのです。

つまり、あの夜アナの家に女性がいたことは、
幻覚ではありませんでした。

デヴィッドは写真の女性を見て、
彼女がケイティだと説明します。

ケイティはイーサンの実母であり、
アリステアと過去に関係のあった女性でした。

アナが「ジェーン」だと思っていた人物は、
現在のジェーン・ラッセルではなく、
ケイティだったのです。

本当の殺人犯

そして物語は、
最後のどんでん返しへ入ります。

アナの家に突然現れたイーサン。

それまで彼は、
暴力的な父親に怯える被害者のように描かれていました。

ところがその印象は完全に覆されます。

本当の殺人者はイーサンだったのです。

ケイティを殺害したのも、
アリステアの勤務先で起きた女性の死に関わっていたのもイーサン。

さらにアナの家へ侵入し、
眠っている彼女の写真を撮影したのも彼でした。

イーサンは目の前でデヴィッドを刺殺。

アナにも襲いかかります。

屋上での死闘

アナは必死に逃げ、
家の屋上へと向かいます。

イーサンはアナを追い詰め、
彼女を殺そうとします。

しかし最後はアナが反撃。

イーサンは天窓を突き破って転落し、
死亡します。

ラスト|アナが再び外へ出るまで

アナが目を覚ますと病院でした。

警察はこれまでアナの証言を信じなかったことを謝罪します。

事件後、アナはそれまで暮らしていた大きな家を手放し、
新しい生活を始めることを決意します。

かつて玄関から一歩外へ出ることさえできなかった女性が、
最後には自分の意思で家の外へ向かう。

本作のラストは、
殺人事件の解決以上に、 アナが過去を受け入れて再び人生を歩き始めた瞬間
として描かれています。

考察|本当に怖いのは「誰にも信じてもらえないこと」

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』で一番面白かったのは、
「誰が殺したのか」という謎そのものより、
真実を話している人間が、誰からも信じてもらえない
という状況です。

アナは確かに信用しにくい人物です。

広場恐怖症を患い、
大量の薬を飲み、
さらにアルコールまで摂取している。
周囲の家をカメラで覗き、
他人の情報をネットで調べ、
精神的にもかなり不安定です。

しかも物語の途中で、
夫と娘がすでに死亡しているにもかかわらず、
アナが二人と会話を続けていたことまで判明します。

ここまで材料が揃ってしまえば、
警察がアナの証言を疑うのも無理はありません。

そして、それこそが本作の仕掛けになっています。

観客も警察と同じように、
途中からアナを疑い始めるからです。

最初は彼女と一緒になって
「向かいの家で殺人が起きた」と思っていたはずなのに、
別人のジェーンが現れ、
家族の死が判明し、
薬の副作用まで説明されると、
こちらまで
「もしかして全部アナの妄想なのでは?」
と考えてしまう。

つまり本作では、
アナだけが孤立しているのではありません。

観客まで彼女を見捨てるように作られている。

ここが非常に意地の悪いところです。

そして終盤、
ワイングラスに映ったケイティの顔によって、
アナの記憶の一部が間違いなく真実だったと証明されます。

この瞬間に怖くなるのは、
犯人の存在以上に、
「真実を言っていた人間を、自分も信用していなかった」
という事実です。

人間は発言の内容だけを見て判断しているようで、
実際には
「誰が言ったのか」
によって真実らしさを決めてしまいます。

精神的に安定している人。
社会的信用のある人。
落ち着いて説明できる人。

そうした人物の証言は信じる。

反対に、
薬に依存している人、
酒を飲んでいる人、
過去に精神的な問題を抱えた人が同じことを話しても、
「勘違いではないか」と切り捨ててしまう。

この作品は、
そうした人間の偏見を利用しています。

一方で、アナ自身も「見る側」の人間でした。

彼女は安全な家の中から、
窓越しに他人の生活を観察しています。

向かいの家族が何をしているか。
誰と誰が話しているか。
誰が怒っているか。

彼女は断片的な情報だけを見て、
そこに物語を作っていました。

ところが事件が起きた瞬間、
今度はアナ自身が
「断片的な情報だけで判断される側」
になります。

警察から見れば、
アナは「薬を飲み、酒に溺れ、幻覚を見る可能性のある女性」。

それだけで彼女の証言は処理されてしまう。

アナが窓越しにラッセル一家を見ていたのと同じように、
周囲もまたアナの一部分だけを見て、
彼女という人間を決めつけていたわけです。

そしてもう一つ重要なのが、
「窓」です。

窓はアナにとって外の世界を見るための場所ですが、
同時に自分を閉じ込めている境界でもあります。

彼女は窓から外を見ることはできても、
そこへ行くことはできません。

つまり彼女は、
世界を「見る」ことはできても、
世界に「参加」できない状態にいる。

その原因になっているのが、
夫と娘を失った過去への罪悪感です。

だから本作の本当のゴールは、
殺人事件を解決することではありません。

アナが自分自身の過去を認め、
再び外の世界へ戻ることです。

クライマックスで彼女が屋上へ向かうのも象徴的です。

ずっと閉ざされた部屋の中にいた人物が、
最後には家の最も外側にある場所で犯人と戦う。

そして事件後、
彼女は家そのものを手放します。

これまでアナを守っていたはずの家は、
実際には彼女を過去に閉じ込めていた巨大な箱でもありました。

だから最後に必要なのは、
犯人を倒すことではなく、
その家から出ていくことだったのでしょう。

サスペンスとして見ると、
犯人の正体や終盤の展開には好みが分かれると思います。

ただ、
「自分の記憶を信じられない恐怖」
「真実を話しても信じてもらえない恐怖」
「過去の罪悪感によって世界から切り離される恐怖」
という三つの恐怖を重ねた心理劇として見ると、
かなり面白い作品でした。

そして最後に残るのは、
「真実を見ること」と
「真実を信じること」は別物だということ。

アナは最初から真実を見ていました。

しかし、
その真実を信じることができなかったのは、
周囲の人間だけではありません。

最後まで自分自身を疑っていたアナ本人だったのです。

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もて男目線|人を「弱そう」に見せるものほど当てにならない

イーサンは最初、完全に「守ってあげなければならない少年」に見えます。
父親に怯え、どこか繊細で、アナも自然と彼を心配する。
でも実際には、その第一印象こそが最大の罠でした。
人は強そうな相手には警戒するのに、弱そうに見える相手には簡単に心を開いてしまいます。
男女関係でも同じで、「この人は自分を必要としている」と感じた瞬間ほど、一度冷静になった方がいい。
本作のイーサンは、その心理をかなり残酷な形で突いてきます。

この映画から感じた教訓


人の言葉を、その人の肩書きや過去だけで「真実ではない」と決めつけてはいけない。

個人的評価

項目 評価 ひとこと
ストーリー 19 / 20 「目撃したのか、幻覚なのか」という構成が面白い
演技 19 / 20 誰を信じればいいのか分からない中盤が良い
映像・演出 19 / 20 犯人の正体は意外だが、やや急展開
感情の揺さぶり 20 / 20 エイミー・アダムスの不安定さが圧倒的
テーマ性 18 / 20 家の閉塞感と窓を使った画作りが印象的
総合評価 95 / 100 心理サスペンスとして十分楽しめる一本

総括|「犯人探し」よりアナの再生を見る映画

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』は、
殺人事件の謎を解くミステリーとして始まります。

しかし最後まで観てみると、
中心にあるのは犯人探しよりも
一人の女性が過去から抜け出すまでの物語でした。

エイミー・アダムス演じるアナは、
最初から最後までほぼ精神的に追い詰められています。

しかも途中からは観客まで彼女の言葉を疑ってしまう。

だからこそ、
最後にアナが見たものが真実だったと分かった瞬間には、
単なる謎解き以上の解放感があります。

個人的には、
終盤のイーサンの正体から一気にアクションへ向かう部分は、
もう少し静かな心理戦でも良かったと思います。

一方で、
約100分という上映時間なのでテンポは悪くありません。

複雑そうに見えて、
最終的にはきちんと答えを出して終わるため、
「意味が分からないまま終わる映画」が苦手な人にも比較的観やすいと思います。

そして何より、
エイミー・アダムス、
ゲイリー・オールドマン、
ジュリアン・ムーアという豪華キャスト。

評価が大きく分かれた作品ではありますが、
閉鎖空間・覗き見・記憶の混乱・どんでん返し
といった要素が好きなら、
一度観てみる価値は十分あります。

窓の向こうに見えたものが怖いのではない。


自分が確かに見たものを、
誰にも――そして自分自身にさえ――信じてもらえなくなること。

そこに本作最大の恐怖があったように思います。

映画の余韻を楽しみながら、こちらもどうぞ

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』は、
派手な音で押してくる作品というより、
会話や物音、静かな間によって不安を積み重ねていく映画です。

こういう心理サスペンスを観ていると、
映像だけでなく「音をどう聴くか」も、
作品への入り込み方を大きく左右すると感じます。

僕が映画鑑賞で使っているのが、
nwmのヘッドフォン。

映画を一本じっくり観たいときはもちろん、
ブログを書きながら動画や音楽を楽しみたいときにも使いやすく、
普段の映画鑑賞環境の中でも出番の多いアイテムです。

自宅で映画を観る時間を、もう少し快適にしたい方は
チェックしてみてください。

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