🎬 映画『ザイアム:バトル・イン・ホスピタル』作品情報
【監督・脚本】 キム・テジュン
【出演】 カン・ハヌル、ヨム・ヘラン、ソ・ヒョヌ 他
【配給】 ミジフィルム
【公開】 2025年
【上映時間】 118分
【製作国】 韓国・タイ
【ジャンル】 ホラー、アクション、スリラー
【視聴ツール】 Netflix、吹替、自室モニター
👥 キャスト(役名/俳優名/代表作)
- シン(Singh): マーク・プリン・スパラット 代表作:『My Husband in Law』(2020年)
- リン(Rin): ニチャー・ナタニチャー 代表作:『The Revenge』(2021年)
- バディ(Buddy): ヴァンヴァイラ・ブーンニティパイシット 代表作:『The Up Rank』(2022年)
- チャイ将軍(General Chai): ジョニー・アンフォネ 代表作:『Love Destiny The Movie』(2022年)
- ニラン医師(Dr. Niran): ジェイソン・ヤング 代表作:『The Legend of King Naresuan』(2007年)
📖 あらすじ(ネタバレなし)
飢えと混乱が支配する近未来のタイ。食糧危機と社会崩壊が進む中、元ムエタイ選手のシンは、恋人のリンとともに静かに暮らしていました。そんな日常を突如襲ったのは、病院内で発生した謎の感染爆発。次々と変異する凶暴なゾンビが医療施設を埋め尽くし、そこは一瞬にして絶望の密室へと変貌します。
主人公シンは、武器も銃も持たず、かつて培ったムエタイの技術だけを頼りに、リンや他の生存者を守りながら生き延びようとします。病院という逃げ場のない閉鎖空間、無数のゾンビ、限られた医療器具やスペースの中で、命がけのサバイバルが始まります。
物語は、ただのゾンビパニックにとどまらず、人が極限状態で「何のために戦うのか」「何を守ろうとするのか」という、普遍的なテーマへと踏み込みます。ムエタイアクションと心理ドラマが絶妙に融合した、新感覚ゾンビ映画です。
⚠️ ここからネタバレありです
物語の後半、シンたちの逃走劇はついに病院屋上へと追い詰められます。そこで彼らを待っていたのは、感染拡大を阻止するための軍による爆破作戦でした。恋人リンと少年バディをヘリで脱出させるため、シンは自ら囮となってゾンビの群れに一人立ち向かいます。
病院は大爆発し、誰もがシンの死を確信しますが、物語はここで終わりません。実はシンは、屋上にあった貯水タンクに身を隠し、生還していたのです。この展開には、伏線としてタンクの描写が前半にさりげなく登場しており、巧妙な構成となっています。
エピローグでは、リンとバディがヘリで安全地帯へ向かう一方、荒廃した都市にひとり残されたシンが、再びゾンビと対峙する姿が描かれます。このラストは、物語の完結ではなく続編への布石とも受け取れるエンディングであり、「閉鎖空間のパニック映画」から「終末世界サバイバル」への進化を予感させる印象的な締めくくりとなっています。
🧠 考察と感想
この映画、最初から最後まで、いろんな意味で“ヤバい”作品だった。ムエタイ×ゾンビ×病院という、完全にB級の匂いしかしない組み合わせなんだけど、その開き直りっぷりがむしろ潔くて良かった。正直なところ、冷静に考えれば荒唐無稽な設定の連続で、細かい整合性を探すようなタイプの映画ではない。しかし観ているうちに、そんな揚げ足取りをする気持ちは自然と消えていき、「この世界ではこれが真実なんだ」と思わされるような熱量と勢いに押し切られてしまったのだ。
まず印象的だったのは、病院という舞台設定だ。病院は通常、人々を守る場所、命を救う場である。しかしここでは逆に「閉ざされた檻」として機能する。外界から隔絶され、出口は少なく、狭い廊下や手術室が逃げ場のない戦場に変わっていく。観客はキャラクターと同じように閉じ込められた感覚を味わい、常に追い詰められる緊張感の中に置かれる。ゾンビが現れるだけでも十分恐ろしいのに、回復中の患者や身動きの取れない高齢者までもが犠牲者予備軍として描かれることで、「守るべき命」と「倒さなければならない敵」との線引きがあいまいになり、ドラマに複雑さが加わっていた。
そして、この作品の最大の売りはやはり「ムエタイ」だろう。銃や爆薬ではなく、鍛え抜かれた肉体と技でゾンビに立ち向かう姿は圧倒的にユニークだ。ゾンビ映画は数多くあれど、ここまで徒手空拳での肉弾戦にこだわった作品は珍しい。肘打ちや膝蹴りがゾンビの骨を砕くたび、観客席からは思わず声が漏れる。CGやVFXに頼らず、生身のアクションで勝負するからこそ、スクリーンの熱量が直に伝わってくる。痛みや重量感が画面越しに突き刺さり、観ている側も思わず体をのけぞらせるほどの迫力だった。
また、ゾンビそのものの造形も工夫されていた。単なる歩く死体ではなく、医療事故や薬物実験の副作用を思わせる特殊メイクが施され、腐敗の表現だけでなく「科学的に歪められた肉体」としての恐怖が強調されていた。特に、点滴や包帯を巻いたままのゾンビが襲いかかってくるシーンは、医療施設という舞台と相まって、強烈なイメージを残す。観客は「治療されるはずの場所が、逆に破壊と死を生み出す場所になる」という皮肉を突き付けられるのだ。
キャラクター面では、主人公の格闘家が単なるヒーローにとどまらず、病院にいる人々を守ろうとする姿勢が際立っていた。時には自らの命を顧みず、負傷者を庇って戦う姿は、ゾンビ映画特有の絶望感の中に小さな希望を灯していた。また、医師や看護師たちも単なるモブではなく、それぞれの立場から生き延びるための選択を迫られる。誰かを救うために危険を冒す者もいれば、自分だけが助かろうと卑劣な行動を取る者もいる。そのコントラストが物語に人間的な厚みを与えていた。
演出面でも「開き直りのB級感」が逆に効果を発揮していた。血しぶきや肉体破壊の描写は容赦なく、観客に「ここまでやるか」と思わせる過剰さがある。それでいて、ムエタイアクションのキレは一切損なわれず、むしろグロテスクさと爽快感が奇妙に同居していた。シリアス一辺倒ではなく、時折挟まれるユーモラスなやりとりや意図的に誇張された演出が、観客に息抜きを与えるのも巧妙だった。
さらに踏み込んで考えると、この映画は単なるゾンビアクション以上のテーマを内包しているとも言える。医療現場の崩壊、倫理を無視した実験、暴力に頼らざるを得ない状況…。現代社会が抱える問題をエンタメの形で誇張して見せているのだ。ゾンビは未知のウイルスや管理不能なシステムの象徴とも解釈できるし、それに肉体一つで挑む主人公は、文明に頼らず「人間の根源的な力」で生き抜こうとする存在の比喩なのかもしれない。
総じて、『ザイアム:バトル・イン・ホスピタル』は、王道のゾンビ映画ファンにとっても、格闘技映画を愛する観客にとっても異色の体験を提供してくれる作品だ。ストーリーの緻密さや心理劇の深さを求める人には向かないかもしれないが、とにかく画面の勢いに身を委ね、非日常的な興奮を味わいたい人には強くおすすめできる。B級映画的な匂いを徹底的に突き詰め、逆にそこから独自の魅力を生み出した点で、本作は2025年のゾンビ映画シーンの中でも記憶に残る一本になるだろう。
💘 モテ男目線の考察
この映画を観て感じたのは、“守る力”がどれだけ人を惹きつけるかってこと。…俺も、そういう男を目指したいと思った。
🎓 教訓
守るべき人のために命を懸けられる覚悟こそが、真にモテる男の条件だ。
📊 映画評価
項目 | 点数 | コメント |
---|---|---|
ストーリー | 15 / 20 | 新作で上がっていたので観たら、ゾンビ映画だった。 |
演技 | 17 / 20 | 恋愛っぽいところはわずかばかり有った。あとはほぼアクション。 |
映像・演出 | 16 / 20 | お金は掛かっていると感じた。 |
感情の揺さぶり | 15 / 20 | そんなところ有ったか?? |
オリジナリティ・テーマ性 | 16 / 20 | ムエタイ使って、ゾンビ倒しまくって、そして…そんな内容。 |
合計 | 79 / 100 | こういう作品が実は多くの注目を集めて…って有りそうだから否定的ではない。 |
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