【映画】『エクソシスト 信じる者』(2023年) 新たな恐怖が幕を開ける | ネタバレあらすじと感想

ホラー

◆映画『エクソシスト 信じる者』の作品情報
【原題】The Exorcist: Believer
【監督・脚本・原案】デヴィッド・ゴードン・グリーン
【脚本】ピーター・サットラー
【原案】スコット・ティームズ、ダニー・マクブライド
【原作】キャラクター創造:ウィリアム・ピーター・ブラッティ
【出演】レスリー・オドム・Jr、リディア・ジュエット、オリヴィア・オニール 他
【配給】ユニバーサル・ピクチャーズ、東宝東和
【公開】2023年
【上映時間】111分
【製作国】アメリカ
【ジャンル】超自然的ホラー、ホラー/ミステリー・スリラー
【視聴ツール】Netflix(吹替)、自室モニター

◆キャスト
・ヴィクター・フィールディング:レスリー・オドム・Jr
代表作『シカゴ』(2002年/ミュージカル映画)
・アンジェラ・フィールディング:リディア・ジュエット
代表作『Bird Box Barcelona』(2023年)
・キャサリン:オリヴィア・オニール
代表作『The Exorcist: Believer』(同作が劇場デビュー作)
・ミランダ:ジェニファー・ネトルズ
代表作『ポカホンタス』(1995年/アニメ映画・声優)
・クリス・マクニール:エレン・バースティン
代表作『フレンチ・コネクション』(1971年/ドラマ映画)

📖 あらすじ(ネタバレなし・約500字)

シングルファーザーのヴィクターは、妻を亡くした悲しみを抱えながら、娘アンジェラと静かな日々を送っていました。そんなある日、アンジェラとその親友キャサリンの2人が学校帰りに姿を消し、数日後に森の中で発見されます。2人は無傷で見つかりましたが、様子がどこかおかしく、精神的にも異常な言動が目立ち始めます。

やがて、アンジェラとキャサリンの行動は次第にエスカレートし、周囲の人々に恐怖を与えるようになっていきます。医者や精神科では説明がつかないその異常に、ヴィクターは戸惑い、迷いながらも助けを求め始めます。

信仰や宗教に無縁だったヴィクターでしたが、娘を救うために、かつて悪魔祓いを経験したクリス・マクニールという女性に助けを求めることを決意します。彼女こそ、50年前に“悪魔憑き”の恐怖と対峙した女性でした。2人の少女を救うため、過去と現在が交錯する“信じる者”たちの戦いが始まろうとしていました。

⚠️ ここからネタバレありです

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アンジェラとキャサリンが森から戻った後、2人はそれぞれの家庭で暴力的かつ異常な行動を繰り返します。医師やカウンセラーも手に負えず、家族たちはついに悪魔祓いの儀式に頼る決断をします。

ヴィクターは、悪魔祓いに関する書籍を執筆したクリス・マクニールを訪ね、彼女の知識と経験を借りることに。クリスは50年前の娘リーガンの出来事以来、悪魔と信仰について深く関わってきた人物でした。しかし今回のケースでは、より強力で複雑な存在が少女たちに取り憑いていることが明らかになります。

最終的に、複数の宗教者たちが協力して儀式を行いますが、キャサリンは命を落とし、アンジェラだけが救われるという結末に。家族にとっては大きな代償となる一方で、信仰の意味と人間の選択の重さが問われる作品となっています。

🧠 考察と感想

『エクソシスト 信じる者』を観て、まず感じたのは「信じる」という行為の複雑さだった。オリジナルの『エクソシスト』(1973年)はカトリックの信仰がベースだったが、今作では複数の宗教が共存する多文化社会を背景に、“信じる”という行動の意味が問われている。

劇中では、カトリックだけでなくプロテスタント、福音派、民間信仰、そしてアフリカの儀式までが登場し、それぞれのやり方で悪魔に立ち向かう。これは、単一の信仰で戦うのではなく、信じる気持ちそのものが力になるという、ある意味で“現代的なエクソシズム”だった。

俺が特に印象に残ったのは、ヴィクターという父親の描写だ。最初は信仰に距離を置いていた彼が、娘の異変と向き合う中で「理屈では説明できない世界」に踏み込んでいく。その姿は、俺自身が何かに行き詰まった時に“信じる”ことで突破口を見つけようとする心理に重なった。信じる対象が神かどうかは別にして、自分の中で「信じたい」と願う気持ちは、時に現実を動かす原動力になると思う。

また、クリス・マクニールの再登場には驚かされた。彼女の存在は過去作と今作をつなぐ“証人”であり、単なるファンサービス以上の重みがあった。彼女が儀式に立ち会い、悲劇的な運命に巻き込まれる展開は、シリーズに一貫した“代償”というテーマを浮かび上がらせる。悪魔祓いは単なる儀式じゃない。そこには必ず痛みや犠牲が伴うのだというリアルがある。

ラストでキャサリンを失い、アンジェラだけが助かるという結末には賛否あるだろう。でも俺は、この選択にある種の“人間くささ”を感じた。神は全てを救わない。そこにこそ、「信仰は万能ではないけれど、それでも信じるしかない」という本作のメッセージがあるように思う。

ただし、惜しいと感じた部分もある。恐怖演出については、前作のような“じわじわくる恐怖”ではなく、ややショック的な演出に寄り過ぎていた印象がある。ホラーとしての新鮮さを求める観客には響くかもしれないが、精神的な恐怖や余韻を求めていた俺には少し物足りなかった。

総じて、『信じる者』は単なる続編ではなく、“信仰の現代的再解釈”として新しい地平を見せてくれた。正直、オリジナルの神格化された恐怖には届いていない。でも、今の時代にこのテーマを掘り下げたことには大きな意味がある。俺は、娘のために自分の常識を壊し、信仰を受け入れたヴィクターに、ある種の“男前”を見た。信じることは、弱さじゃない。時に一番強い行動なんだと思えた。

💘 モテ男目線の考察

この映画、実は“モテる男”の本質が描かれてると思う。ヴィクターは派手さもなく、最初は信仰からも距離を置いた“普通の父親”だ。でも、娘を救うために自分の価値観を捨て、過去のトラウマにも立ち向かい、命がけで真実に向き合う。これって、外見や金じゃなく「信念」と「責任感」で魅せる男の姿なんだよな。

本当にモテる男って、“俺が守る”という態度を自然に出せる奴だ。相手が弱ってるとき、ブレずに寄り添って、でも感情に流されず冷静に判断できる。ヴィクターの選択は、まさにそういう“芯のある男”だった。

しかも、「信じること」に対して最初は懐疑的だったのに、必要とあらば躊躇なく踏み込む姿勢。これがモテる男に欠かせない“柔軟性”と“決断力”だと思う。信じる者は救われる。だけじゃなく、「信じ切る覚悟がある男」は、どんな場面でも魅力的なんだと感じさせてくれる一本だった。

🎯 教訓・学び

信じ抜く覚悟を持つ男は、言葉よりも深く、人の心を動かす。

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