【映画】『悪女/AKUJO』(2017年) 復讐に生きる女が、鮮血と狂気で駆け抜ける究極のアクション | ネタバレあらすじと感想

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【映画】『悪女/AKUJO』(2017年)レビュー&考察

公開:2017年/製作国:韓国/ジャンル:アクション・サスペンス・クライム

◆映画『悪女/AKUJO』の作品情報

  • 原題:The Villainess(韓国語原題:악녀)
  • 監督・脚本:チョン・ビョンギル
  • 脚本:チョン・ビョンシク
  • 出演:キム・オクビン、シン・ハギュン、ソンジュン 他
  • 配給:KADOKAWA、Next Entertainment World
  • 公開:2017年
  • 上映時間:124分
  • 製作国:韓国
  • ジャンル:アクション、サスペンス、クライム
  • 視聴ツール:U-NEXT、吹替、自室モニター、AirPods 4

◆キャスト

  • スクヒ:キム・オクビン 代表作『渇き』(2009年)
  • ジュンサン:シン・ハギュン 代表作『高地戦』(2011年)
  • ヒョンス:ソンジュン 代表作『私に嘘をついてみて』(2011年/ドラマ)
  • クォン室長:キム・ソヒョン 代表作『私の結婚遠征記』(2004年)
  • チェ・チュンミン:チョ・ウンジ 代表作『女は男の未来だ』(2004年)


◆あらすじ

幼い頃から殺し屋として育てられた少女スクヒは、父親の復讐を果たすために闇の世界で生きてきました。圧倒的な身体能力と冷徹な判断力を持つ彼女は、裏社会でも恐れられる存在へと成長します。物語は、彼女がとある任務で壮絶な戦いを繰り広げるシーンから幕を開けます。スクヒは韓国国家情報院に身柄を拘束され、死刑か新しい人生かという選択を迫られます。彼女が選んだのは「国家に仕える暗殺者」としての生き方でした。新しい名前を与えられ、表向きは舞台俳優の卵として静かな生活を送りながら、裏では巧妙な暗殺任務をこなしていきます。しかし、やがて現れる一人の男との出会いが、彼女の運命を大きく揺さぶります。愛を知り、母としての感情を芽生えさせていく一方で、スクヒは過去に背負った血塗られた運命から逃れることができず、再び苛烈な戦いの渦に巻き込まれていきます。

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スクヒはかつての師ジュンサンとの因縁から逃れることができず、彼の存在が物語の核心となります。実は彼こそがスクヒの人生を歪めた張本人であり、彼女の父を殺した黒幕でした。スクヒは彼のもとで育てられ、愛と裏切りの狭間で翻弄されてきたのです。国家情報院のエージェントであるヒョンスとの関係を築き、結婚や出産を経て普通の幸せを掴もうとしますが、その裏には巧妙に仕組まれた罠が潜んでいました。やがて夫の正体と裏切りを知ったスクヒは、すべてを失いながらも復讐の炎を再燃させます。ラストでは壮絶なカーチェイスと肉弾戦の末、彼女はジュンサンを倒すものの、自らも深手を負いながら血に塗れたまま歩き去っていきます。その姿は、復讐の連鎖から逃れられない悲劇の象徴として観客に強烈な余韻を残します。

◆考察と感想

『悪女/AKUJO』を観終わったとき、まず思ったのは「韓国映画らしい凄まじい執念と演出の力」だ。序盤から一人称視点で繰り広げられるアクションは、まるで自分が戦場の真ん中に放り込まれたような没入感を与えてくれる。銃声や刀の切っ先が自分に迫ってくる錯覚さえあって、映画館で観たら身体ごと後ろに仰け反ってしまうような迫力だった。監督のチョン・ビョンギルは『殺人の告白』で注目されたが、本作で確実に“アクションの革新者”としての地位を確立したと感じる。

主人公スクヒを演じたキム・オクビンの存在感は圧倒的だ。彼女の体のキレ、そしてただ暴れるだけではなく、愛憎に翻弄される女としての弱さをも表現する幅広さが凄い。アクション映画のヒロインは往々にして“強い女”の一面だけが際立つことが多いが、本作のスクヒは違う。母となり、愛を知り、その一方で裏切られ、利用され、復讐に囚われる。彼女の複雑な内面が、ただのアクション映画を超えた深みを作品に与えている。

物語の構造自体は、復讐譚というシンプルなものだ。裏切り者を探し出し、愛する人を奪われ、最後に敵を討つ。この骨格は古典的で、ある種ベタともいえる。しかし韓国映画はこの「ベタ」を徹底的に叩き込み、観客に叩きつけることで唯一無二の衝撃を生み出す。『悪女』もその系譜にある。脚本や構成に粗があるのも事実で、展開が急すぎる部分もあるし、ラストの余韻を敢えて説明しないまま終わる演出に戸惑う人もいるだろう。それでも勢いと迫力で押し切る。そうした粗さすら魅力に転化するのが韓国ノワールの恐ろしいところだ。

特に印象に残ったのは「愛と裏切り」の描かれ方だ。スクヒの人生は、師ジュンサンとの歪んだ愛憎から始まる。父を殺した張本人に育てられるという運命は、あまりにも残酷だ。そして国家に利用されることで彼女の自由はさらに奪われ、ようやく掴んだ夫や子供との生活すら仕組まれた幻影に過ぎなかった。この構造には、個人を犠牲にしても国家権力が人を利用するという皮肉が込められているように感じる。観客はスクヒに肩入れし、彼女の幸福を願うほどに、その残酷な真実に胸をえぐられる。

アクションの撮影手法も語らずにはいられない。一人称視点での突入シーン、車上での肉弾戦、狭い部屋でのナイフファイト、どれも工夫が凝らされていて「こういう見せ方がまだあったか」と唸らされた。カメラの動きと編集がシンクロしていて、観客を強制的に戦場に引きずり込む。ハリウッド的な派手さではなく、手触りのある肉体的な迫力。これはCGでは生まれない臨場感だ。

一方で、物語の重さはずっしりとのしかかる。スクヒは結局、自由も安らぎも得られない。敵を倒しても血まみれのまま歩き続ける姿は、復讐の果てに待つのは虚しさしかないことを象徴している。観客はその姿を美しいと同時に悲しいと感じる。ヒーローでもヒロインでもなく、“生きるために戦わざるを得なかった女”の物語だ。だからこそ、アクションのカタルシスの裏で強烈な虚無感が押し寄せる。

俺の正直な感想として、『悪女』はアクション映画としては最高峰に位置すると思う。ただし観終わったあとに爽快感は残らない。むしろ胸の奥にズシンと重たい石を抱えたような気分になる。それでも再び観たいと思わせるのは、スクヒというキャラクターがあまりにも強烈だからだ。彼女はヒーローでも悪人でもなく、ただ生きるために戦い続けた人間。その姿に惹かれ、観客は彼女を忘れることができなくなる。

◆もて男視点

『悪女』を観て学べるのは、“強さと弱さの両立”だ。スクヒは圧倒的に強いが、その裏には愛や母性を求める弱さがある。このギャップが人を惹きつける。モテる男も同じで、ただ強いだけでは冷たい印象を与える。弱さや人間味を見せることで、相手は心を開く。アクション映画を楽しみながら、実は「モテの本質」が描かれていると気づける作品だ。

◆教訓

真の魅力は強さと弱さをあわせ持ち、相手に人間味を感じさせることでモテにつながる。

◆評価


項目 点数 コメント
ストーリー 20 / 20 無駄なところが無いので終わりまで一気に観てしまった。
演技 19 / 20 キム・オクビンの演技は凄い。観続けたいと思った。
映像・演出 19 / 20 バイクアクションなどは、どうやって撮影したのかと思うくらい、現実離れしたシーンが沢山あった。
感情の揺さぶり 19 / 20 スクヒの心の動きを克明に描いていて、引き込まれてしまった。
オリジナリティ・テーマ性 19 / 20 テーマ性は感じられた。進むも地獄、戻るも地獄と言う何ともしようがないスクヒの描き方が素晴らしい。
合計 96 / 100 本作は、アクションは絶品だった。それ以外にも、引き込む面白さをかなり感じられた。

視聴ガジェット

本作は Apple AirPods 4(アクティブノイズキャンセリング搭載) を使用。

視聴端末は MacBook Air。接続〜再生の操作がスムーズで、集中して鑑賞できた。

  • ワイヤレスで手軽に視聴
  • ノイズを抑えて作品へ没入
  • Macとの相性が良く操作が楽


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