【映画】『罪の声』(2020年) 昭和最大の未解決事件に刻まれた“声”の真実。 過去に囚われた男たちが、封印された罪の闇を暴く | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『罪の声』の作品情報

【原作】塩田武士『罪の声』

【監督】土井裕泰

【脚本】野木亜紀子

【出演】小栗旬、星野源、松重豊、宇野祥平、市川実日子 他

【配給】東宝

【公開】2020年

【上映時間】142分

【製作国】日本

【ジャンル】社会派サスペンス、ミステリー、ドラマ

【視聴ツール】Blu-ray、自室モニター、AirPods Pro 3

◆キャスト

  • 阿久津英士:小栗旬 代表作『岳 -ガク-』(2011)
  • 曽根俊也:星野源 代表作『引っ越し大名!』(2019)
  • 水島洋介:松重豊 代表作『孤独のグルメ』(2012〜)
  • 生島聡一郎:宇野祥平 代表作『本気のしるし〈劇場版〉』(2020)
  • 鳥居雅夫:古舘寛治 代表作『愛の渦』(2014)


◆あらすじ

映画『罪の声』は、昭和を揺るがした未解決の連続企業脅迫事件をモチーフに、「過去の罪」と向き合わざるを得なくなった人々の葛藤を描く社会派サスペンスです。京都でテーラーを営む曽根俊也は、亡き父の遺品から1本のカセットテープと黒革のノートを見つけます。そこに録音されていたのは、かつて世間を震え上がらせた“ギンガ萬堂事件”の脅迫電話と同じ「子どもの声」でした。そして、その声が幼い頃の自分だと気づいてしまいます。

父は事件に関わっていたのか、自分は何に使われたのか。俊也は、父の旧友・堀田とともに、家族の過去を辿る旅に出ます。一方、大阪の大日新聞で働く記者・阿久津英士は、事件から30年を振り返る特集記事を任されます。警察担当時代の資料、元捜査員の証言、海外で起きた誘拐事件との類似性などを追いながら、阿久津は、ギンガ萬堂事件の裏側に「まだ語られていない物語」があると直感します。

やがて、「事件の加害側の当事者かもしれない男」と「事件を追い続ける記者」の道が交差し、二人は、国家・企業・警察・市民の思惑が複雑に絡み合った巨大な闇の輪郭に近づいていきます。真実を知ることは、本当に救いになるのか。それとも、これまで守ってきた日常を壊すことになるのか。物語は、現在と過去を行き来しながら、人間の良心と罪の重さを丁寧に描き出していきます。

ここからネタバレありです。

▼ ネタバレありの詳しいあらすじ(クリックで開閉)

俊也は、父の遺したノートとテープを手掛かりに、長年行方不明だった伯父・達雄の足跡を追っていきます。証言を集めるうちに、達雄が新左翼運動に関わっていたこと、そして「ギンガ萬堂事件」の計画に深く関与していた可能性が浮かび上がります。さらに、滋賀県警出身で暴力団対策を担当していた生島という男の名が繰り返し出てきて、事件には警察内部の人間も一部関わっていたのではないか、という疑念が強まっていきます。

一方の阿久津も、当時の縮刷版や取材メモを洗い直し、無線を通じて犯人グループの声を傍受した人物、証券取引で不審な動きを見せたグループなど、点在する証言をつなぎ合わせていきます。やがて彼は、俊也が訪ねた料理屋、生島の関係者などに行き着き、「曽根」という名前にたどり着くことで、二人の調査は一本の線になります。

真相に近づく中で明らかになるのは、伯父・達雄たちはたしかに事件に関わっていたものの、理想と現実の間でねじれ、いつしかコントロールできない暴走に巻き込まれていったという事実です。子どもの声の録音も、俊也の幼い頃の無邪気な語りを、家族への説明もないまま「脅迫の道具」として利用したものでした。犯行グループの中には、途中で引き返そうとした者、罪悪感に押し潰されて人生を狂わせた者もおり、事件は単純な善悪では割り切れない重さを帯びていたことがわかります。

最終的に、俊也と阿久津は「真犯人の名」を公に暴くかどうかの選択を迫られます。世間が求めるのは“スッキリする答え”ですが、その告発が、すでに壊れかけている遺族の人生をさらに傷つける可能性も高いと知るからです。二人は、事件の構造的な問題や、当時の報道・警察の在り方には光を当てつつも、「個人を断罪するセンセーショナルな真相暴き」は選びません。

かつて脅迫に使われた「罪の声」は、現在を生きる人々の胸の中で、罪悪感や後悔、赦しの感情へと形を変えて響き続けます。映画は、完全なカタルシスを与えるのではなく、「それでも今日をどう生きるか」という静かな問いを観客に残して終わります。

◆考察と感想

【俺目線の考察&感想】

『罪の声』は、未解決事件を題材にした社会派サスペンスでありながら、最終的には“家族の物語”として胸に迫ってくる作品だった。昭和最大の企業脅迫事件をモチーフにしているという重さはもちろんあるのだが、単なる真相解明のストーリーではなく、「罪の重さを背負って生きてきた人間たちの痛み」と「当事者の家族の取り返しのつかない時間」を丁寧に描いている点が、他の実録ドラマとは一線を画すと感じた。

まず印象に残ったのは、主人公・曽根俊也の物語だ。自分が幼い頃に録音された「脅迫の声」が、事件の音声と一致している。普通の人間なら耐えられない事実を、彼はまず受け止めるところから始めなければならない。父が何をしていたのか、伯父はどんな道を歩んだのか、自分は知らずにどんな“材料”として利用されてしまったのか──。彼の旅は、真相を知りたいという好奇心ではなく、「知らなければ生きられない」という切迫感から始まっている。この“感情の動機”が、物語全体を貫く芯になっているように思えた。

対する阿久津英士は、社会部上がりの新聞記者として、「正しく伝える」を使命としている男だ。だが彼もまた、真相を追ううちに、報道という仕事が持つ“力”の残酷さに向き合わされる。事件当時、センセーショナルに報じられた記事が、忘れ去られたはずの誰かの人生を傷つけ続けていたかもしれない。記者である自分もまた、加害者側に立っていたのではないか──。その葛藤が、小栗旬の演技によって繊細に表現されていた。

この二人の物語は別々の線で進むのだが、ある時点から重なり合い、互いの存在が真相に近づく鍵になっていく。この構成が非常にうまく機能していた。事件そのものの構造は複雑で、警察、労働運動、新左翼、企業、暴力団…と多くの要素が絡むが、物語の焦点はあくまで“人間を描く”ことに置かれている。そのため、難しい題材であるにもかかわらず、観客はふたりの主人公の視点を通じて自然と真相に迫っていくことができる。

阿久津と曽根の異なるアプローチ

▲ 小栗旬演じる阿久津と、星野源演じる曽根。二人は“別の方法”で真相へ迫っていく。

特に胸を締めつけられたのは、曽根家の過去に光が当たっていく後半だ。子どもの声を録音するという行為は、どう考えても許されるものではない。だが同時に、曽根俊也の伯父・達雄をはじめとする“犯人側の人間”もまた、完全な悪人として描かれていない。彼らはただの犯罪者ではなく、時代の渦の中で生きる術を失い、何かを変えたいという未熟な理想と焦りの中で、いつしか逸脱してしまった人間たちだ。映画はそこに安直な善悪のジャッジをせず、ぎりぎりのところで人間の矛盾を描いている。この誠実さが、観る側の心に深く刺さる。

阿久津と曽根達雄 イギリスでの出会い

▲ 阿久津と曽根達雄。30年以上前の影を追う旅路の中で、イギリスで交錯する二つの人生。

また、事件の真相を「告発すべきかどうか」という最後の選択も見事だった。記者である阿久津にとって、事実を明らかにすることは本来なら使命だ。だが、それを公にしたところで、誰かが救われるわけではない。むしろ、長い年月を背負って生きてきた家族の人生を壊す可能性すらある。真実の価値とは何なのか、正義とは何なのか──この映画は、単純な答えを求めていない。現実には「報道しないことが正義になる」場合もある。その苦渋の判断を、阿久津と俊也が共有するラストは、単なる事件映画の枠を超えた深い余韻を残してくれた。

そして最後に強く思ったのは、“声”というモチーフの重さだ。声は消せない。録音された声は、時効が過ぎても、本人が忘れていても、“罪の声”として残り続ける。だが同時に、人が過ちを乗り越えようとするとき、その声は別の意味へ変わっていくのかもしれない。罪から逃げずに向き合いながら、誰かを守ろうとする選択。その小さな一歩が、取り返しのつかない過去に対する唯一の答えなのだと思えた。

『罪の声』は、謎解きの爽快さよりも、「生き続けることの痛みと、それでも前に進む姿」を描いた作品だ。事件を知っている世代にも、知らない世代にも深い示唆を残してくれる社会派サスペンスであり、人間ドラマとしての完成度は非常に高い。最後の静かな余韻が、観終わったあとも長く心に残り続ける。

【モテ男の考察&感想】

モテる男は、“過去と向き合う覚悟がある男”だと思う。『罪の声』の侮れないポイントは、俊也も阿久津も、自分だけが得をする選択ではなく、「誰を守るべきか」を軸に判断していることだ。弱い部分を隠さず、痛みを抱えた相手にも真っ直ぐ向き合う姿勢は、恋愛でも同じ。逃げずに、誤魔化さず、自分の言葉で語れる男は強い。女性が本能的に信頼するのは、こういう“覚悟のある優しさ”を持った男だ。

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◆教訓・学び

過去から逃げず、痛みごと相手に向き合える男こそ、本当にモテる。

◆似ているテイストの作品

  • 『愚行録』(2017年/日本)
    過去の事件を取材するうちに“人間の本性”と“家族の痛み”が浮かび上がる社会派サスペンス。
    事件の真相よりも、そこに関わった人間たちの心の闇を掘り下げる構造が『罪の声』と極めて近い。
  • 『クリーピー 偽りの隣人』(2016年/日本)
    平凡な日常の裏で進行する“見えない犯罪”と、じわじわ真相に迫る心理サスペンスが共通。
    家族を巻き込む恐怖と、人間の本質に踏み込む重さは、『罪の声』の社会派ドラマ性と深く響き合う。

◆評価

項目 点数 コメント
ストーリー 18 / 20 未解決事件の真相を“記者”と“当事者家族”の二軸で追う構成が巧みで、
真実が少しずつ浮かび上がる過程に強い没入感がある。
事件を消費するのではなく、そこに生きた人々の痛みに焦点を当てた物語づくりが秀逸。
演技 18 / 20 小栗旬の硬質な演技と、星野源の繊細な心情表現の対比が物語を深めている。
宇野祥平や松重豊ら脇役陣も非常に厚みがあり、全体のリアリティを大きく支えている。
映像・演出 18 / 20 派手な演出を避け、淡々と積み上げるリアリズムが作品の重さを際立たせている。
80年代の空気感や新聞社・警察の現場の臨場感がしっかり作られており、
“実在したかもしれない真相”として感じられる説得力がある。
感情の揺さぶり 18 / 20 父の罪と自らの声に向き合う曽根俊也の苦悩、
報道の正義と現実の狭間で揺れる阿久津の葛藤は、観客に重く深い余韻を残す。
「真実を暴くことが必ずしも救いではない」というテーマが心に刺さる。
オリジナリティ・テーマ性 19 / 20 未解決事件を扱いながら、真相より“人間の痛み”にフォーカスしたアプローチが非常に独創的。
社会が忘れた事件の影が今も残るという視点を描き切り、社会派映画としての深度が際立つ。
合計 91 / 100
静かなトーンでありながら強烈な余韻を残す、社会派ミステリーの傑作。
映像・演技・脚本が高水準で揃い、“事件の裏にある人間の業”を丁寧に掘り下げた点が特筆すべき魅力。
エンタメ性と深いテーマ性が両立した、極めて完成度の高い作品。

◆総括

『罪の声』は、未解決事件の闇を暴く“サスペンス映画”でありながら、最終的には 「人が背負う罪と、その痛みに向き合う勇気」 を描いた人間ドラマとして強烈な存在感を放つ作品だった。

物語は派手なアクションも急展開のどんでん返しもない。だが、曽根俊也が自らの家族の過去と向き合い、阿久津英士が記者としての正義を問い直す姿を見ていると、“真実とは何か”“救いとは何か”といった普遍的な問いが胸に残る。

真相に近づくほど、誰かが傷つき、誰かの人生が壊れてきた。だからこそ彼らは、ただ事件を解明するだけではなく、その後の人生までも視野に入れた「優しい選択」を選び取る。この静かな決断こそが、作品をただのミステリーから深く、温かい後味を持つ社会派映画へと昇華させている。

事件を知る世代にも、知らない世代にも刺さる普遍性があり、“人の声に刻まれた罪”の重みと、その先にある微かな希望を丁寧に描いた本作は、長く語り継がれるべき日本映画の1本だと感じた。

『罪の声』の阿久津のように、あっちこっち動き回る男にとって、
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