🎬 映画『84㎡』の作品情報
- 英題:Wall to Wall
- 監督・脚本:キム・テジュン
- 出演:カン・ハヌル、ヨム・ヘラン、ソ・ヒョヌ 他
- 配給:ミジフィルム
- 公開:2025年
- 上映時間:118分
- 製作国:韓国
- ジャンル:サスペンス、スリラー、社会派ドラマ
- 視聴ツール:Netflix、吹替、自室モニター
◆キャスト
- 建物の所有者:カン・ハヌル 代表作『椿の花咲く頃』(2019年)
- 建物の管理代表:ヨム・ヘラン 代表作『ザ・グローリー』(2022年)
- ジャーナリスト(下階住人):ソ・ヒョヌ 代表作『密偵』(2016年)
- 警察官:キム・ソンギュン(※推定出演) 代表作『応答せよ1988』(2015年)
- 近隣住人(騒音通報者):キム・ドユン(※推定出演) 代表作『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)
◆あらすじ(前半:ネタバレなし)
韓国のとあるアパートで、静かな生活を送っていたジャーナリストの男が、ある日突然、上階から続く重低音のような物音に悩まされるようになります。天井を突き破るようなその「ドスン」という音は、次第に彼の生活と精神をむしばみ始め、やがて仕事にも支障をきたすようになっていきます。管理会社に相談しても取り合ってもらえず、隣人との関係もどこかよそよそしい。男は一人でその音の正体を突き止めようと動き出します。
本作は、韓国の典型的な“32坪=84㎡”のアパートを舞台に、集合住宅が抱える“騒音”という現代的でリアルな問題を描いた心理スリラーです。同じ構造、同じ壁、同じ広さの空間で、音だけが異様に反響し、人と人との信頼を崩していく様は、都市生活者にとって決して他人事ではありません。舞台が極端に限定されているからこそ浮かび上がる、息苦しいほどの人間ドラマが展開されていきます。
ここからネタバレありです
物語が進むにつれ、上階に住む男がかつて事件に関与していたこと、そして過去に音に関する近隣トラブルが起きていたことが明らかになります。主人公のジャーナリストは、自分が“被害者”であると思い込んでいたものの、やがてその認識が少しずつ狂い始めます。音を発していると思われた住人は、すでに引っ越していたことが判明し、今聞こえている音が現実のものなのか、幻聴なのかすら曖昧になっていくのです。
さらに、管理会社の対応や住民たちの態度には隠された事情があり、アパート全体が何かを隠しているような違和感が濃くなっていきます。誰が加害者で誰が被害者なのか、あるいはすべてが妄想なのか。84㎡という閉ざされた空間のなかで、ジャーナリストの追及は狂気へと変わり、最終的に事件は予想を裏切るかたちで決着します。日常に潜む“音”が、どれほど人間を支配しうるかを突きつける衝撃のラストが待っています。
◆教訓・学び
見えない不快感に気づける男こそが、ほんとうにモテる。
◆もて男視点の考察
モテる男って、空気の振動だけじゃなく、人の心の振動にも敏感であるべきだと思う。この映画『84㎡』は、目に見えない“騒音”が人間関係を壊すっていう、超リアルな教訓をくれる。誰かが感じてる不快感に気づける男は、恋愛でも仕事でも一目置かれる。大事なのは、自分に聞こえなくても、誰かが困ってるかもしれないっていう“想像力”だよな。
◆映画評価(20点満点×5項目)
項目 | 点数 | コメント |
---|---|---|
ストーリー | 17 / 20 | 音問題から、大きな問題、トラブルに膨らんでいく自然さにはちょっとすごいなとは思った。 |
演技 | 18 / 20 | 内容が内容だけに、主人公なりに頑張っていた。 |
映像・演出 | 17 / 20 | 映像は凝っていたと思う。 |
感情の揺さぶり | 17 / 20 | 韓国と日本の違い、自分と自分以外の線引きが興味深かった。 |
オリジナリティ・テーマ性 | 18 / 20 | こう言う切り口の作品は初めてで、感動した。 |
合計 | 87 / 100 | 静かな日常の裏に潜む“音”が人を壊す——そんな怖さをリアルに体験した。 |
コメント