◆映画『G.I.ジョー バック2リベンジ』の作品情報
- 監督:ジョン・M・チュウ
- 脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
- 原作:ハズブロ
- 出演:ドウェイン・ジョンソン、ブルース・ウィリス、チャニング・テイタム 他
- 配給:パラマウント映画
- 公開:2013年
- 上映時間:110分
- 製作国:アメリカ
- ジャンル:アクション/ミリタリー/SF
- 視聴環境:Netflix(吹替)/自室モニター/WI-1000XM2
◆キャスト
- ロードブロック:ドウェイン・ジョンソン(代表作『ワイルド・スピード EURO MISSION』2013)
- デューク:チャニング・テイタム(代表作『マジック・マイク』2012)
- レディ・ジェイ:エイドリアンヌ・パリッキ(代表作『RED リターンズ』2013)
- ジョー・コルトン司令官:ブルース・ウィリス(代表作『ダイ・ハード』1988)
- ストームシャドー:イ・ビョンホン(代表作『甘い人生』2005)
◆あらすじ(ネタバレなし→あり)
ネタバレなし(前半)
ナノマイト事件を経て、国際機密部隊G.I.ジョーは対テロ任務の最前線で活動を続けていました。リーダーのデュークを中心に精鋭たちは信頼を勝ち取り、世界の均衡を守る存在として機能していたのです。しかし、パキスタンで行われた極秘作戦中、彼らは突如として正体不明の攻撃を受け、部隊は壊滅状態に追い込まれます。さらに追い打ちをかけるように、アメリカ政府はG.I.ジョーを「反逆者」として断罪し、世界中にその名を汚す声明を発表します。
生き残ったロードブロック、レディ・ジェイ、フリントは、仲間を失った悲しみと理不尽な裏切りを背負いながらも、真相を突き止めるため行動を開始します。彼らが疑念を抱いたのは、事件後の大統領の不可解な言動でした。国家の中枢そのものに異変が起きていると感じた三人は、孤立無援のままアメリカへ戻り、かつて初代G.I.ジョー司令官だったジョー・コルトンのもとを訪ねます。
一方、別行動を取っていたスネークアイズは、忍者の世界に根深く残る因縁と向き合うことになります。宿敵ストームシャドーとの再会、そして彼を取り巻く真実は、G.I.ジョー壊滅事件と密接に関わっていました。銃撃戦と忍者アクションが並行して描かれる中、事態は国家規模、さらには世界全体を揺るがす陰謀へと発展していきます。彼らに残された時間はわずかであり、真の敵の正体を見抜けるかどうかが、世界の命運を左右する状況となっていくのです。
ここからネタバレありです。
ネタバレあり(後半)を開く
大統領の正体は、変装の達人ザルタンでした。彼は大統領に成りすますことでG.I.ジョーを壊滅させ、国家の中枢を掌握していたのです。ロードブロックたちはジョー・コルトンの協力を得て、募金イベントに潜入し、DNA鑑定によって大統領が偽物であることを突き止めます。同時に、スネークアイズはヒマラヤでストームシャドーを捕縛しますが、彼が師匠殺しの濡れ衣を着せられていた被害者であることが判明します。真犯人がザルタンであると知ったストームシャドーは、復讐と名誉回復のためG.I.ジョーと共闘する決断を下します。
ザルタンは核保有国の首脳をサムター砦に集め、核ミサイルを発射させた直後に自爆させることで、世界の核抑止力を無力化します。その上で彼が切り札として提示したのが、衛星兵器「プロジェクト・ゼウス」でした。タングステン弾を宇宙から投下するこの兵器は、核以上の破壊力を持ちながら放射能を残さない究極の大量破壊兵器であり、ロンドンを一瞬で壊滅させます。
世界が恐怖に支配される中、G.I.ジョーは二手に分かれて行動します。レディ・ジェイとコルトンは本物の大統領救出に成功し、ロードブロックはファイヤーフライとの死闘の末、ゼウスの起動装置を奪取します。ストームシャドーはザルタンを討ち、長年の因縁に決着をつけますが、コブラコマンダーだけは逃亡し、脅威は完全には消えません。汚名を返上したG.I.ジョーは再び世界を守る存在として立ち上がり、新たな戦いを予感させながら物語は幕を閉じます。
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◆【俺の考察&感想】
正直に言うと、『G.I.ジョー バック2リベンジ』は続編として観ると評価が割れる映画だ。前作で主人公だったデュークが冒頭で退場し、物語の積み重ねを半ばリセットしてしまう。この判断は乱暴にも見えるし、シリーズファンほど戸惑うだろう。ただし本作を「リブート気味の娯楽アクション」として捉えるなら、この割り切りは作品の方向性を一瞬で明確にしている。感情の継続よりも、スピードと構造を優先する――その姿勢が最初の数分で示される。
本作の核にあるのは、「国家そのものが敵になる恐怖」だ。G.I.ジョーは国家に仕える存在でありながら、その国家から反逆者として切り捨てられる。これはスパイ映画や陰謀スリラーでは王道の構図だが、本作はそれを極端なスケールで描く。大統領が偽物という設定は荒唐無稽だが、だからこそ権威への不信がストレートに伝わる。信じていたシステムが一瞬で敵に変わる感覚は、観ていて背中が冷える。
ロードブロックという新たな主軸も興味深い。彼はデュークのようなカリスマ型ではなく、肉体と責任で前に立つタイプのリーダーだ。怒りはあるが感情に飲まれず、仲間を失っても判断を止めない。この「荒々しいが冷静」というバランスが、本作のトーンを支えている。ドウェイン・ジョンソンの存在感は、物語をB級に落とさず、かといって重苦しくもさせない絶妙な位置にある。

忍者パートも本作の重要な柱だ。スネークアイズとストームシャドーの関係は、単なる善悪ではなく、誤解と因縁によって歪められた関係として描かれる。特にストームシャドーは裏切り者であると同時に被害者でもあり、復讐と名誉回復のために共闘する立場に立つ。彼は正義の味方になるわけではない。この曖昧さがキャラクターに奥行きを与え、ミリタリー一辺倒になりがちな物語に異質な緊張感をもたらしている。

プロジェクト・ゼウスという兵器設定も象徴的だ。核を無力化した上で、よりクリーンで強力な兵器を突きつける構図は、「抑止力の崩壊」を描いている。核があるからこそ成り立っていた均衡が失われた瞬間、世界は一気に脅迫に弱くなる。この発想は現代のテクノロジー依存社会への皮肉としても機能しており、単なる派手なギミックに留まっていない。
もちろん欠点も多い。前作との連続性はかなり雑で、伏線の放置や人物整理の甘さは否定できない。感情移入よりも、場面ごとのアクション消費に近い鑑賞体験になる部分もある。しかしそれは、本作が選んだ割り切りでもある。丁寧な物語ではなく、行動で状況を切り開く者たちの姿を描く映画なのだ。
総じて『バック2リベンジ』は、荒削りだが迷いのないアクション映画だ。シリーズ愛よりも「今この一本を楽しませる」ことを優先した結果、賛否は分かれる。それでも、忍者戦、サミット襲撃、衛星兵器という強烈な見せ場は確実に記憶に残る。整ってはいないが、勢いと覚悟はある。俺はこの不器用さを嫌いになれない。
【モテ男の考察&感想】
肩書きや評価が消えた瞬間、男の本質は露わになる。
G.I.ジョーは否定されても使命を捨てず、
行動で信頼を取り戻す。
感情で騒がず、一貫してやるべきことをやる男こそ、
最終的に人の心を掴む。
ただのレビューで終わらせない。“男前にビシッと決める”映画知識を身につける場──シネマログ。
会話で効くネタ、俳優・ジャンルの基礎教養、デートで外さない選び方までを要点だけ端的に。
◆教訓・学び
信頼を失った瞬間こそ、言い訳せず行動で示せる男だけが、
最後に評価と人の心を取り戻す。
◆似ているテイストの作品
『インデペンデンス・デイ』(1996年/アメリカ)
国家と軍事力が崩壊寸前に追い込まれる中、少数の人間が世界の命運を背負って立ち向かうディザスター・アクション。
指導部の混乱、世界規模の危機、反撃のカタルシスという構造が『G.I.ジョー バック2リベンジ』と強く重なる。
『バトルシップ』(2012年/アメリカ)
現代兵器と大規模戦闘を前面に押し出した、王道のミリタリーSFアクション。
チーム戦・兵器ギミック・理屈より勢いで押し切る娯楽性が、本作のテイストと非常に近い。
◆評価
| 項目 | 点数 | コメント |
|---|---|---|
| ストーリー | 18 / 20 |
国家が敵になるという王道陰謀を、説明よりスピードで押し切る構成が潔い。 少数精鋭で反撃に転じる流れは分かりやすく、娯楽作としての推進力は高い。 ただし前作との連続性は薄く、物語の整理はやや粗い。 |
| 演技 | 18 / 20 |
ドウェイン・ジョンソンの肉体的説得力が、チームの軸として機能している。 ブルース・ウィリスの存在が、物語に“格”と安心感を与える。 イ・ビョンホンの静と動を使い分けたアクションは、シリーズ屈指の完成度だ。 |
| 映像・演出 | 18 / 20 |
崖での忍者戦、基地潜入、サミット襲撃と見せ場の配置が非常に効率的。 細かい理屈より「どう見せるか」を優先した演出が、テンポの良さを生んでいる。 反面、ドラマ部分はアクションに押され気味だ。 |
| 感情の揺さぶり | 18 / 20 |
冒頭で仲間と立場を失うことで、怒りと復讐心が明確な推進力になる。 泣かせよりも“燃やす”方向に振り切った感情設計が一貫している。 深い余韻より、観ている最中の高揚感を重視した作りだ。 |
| オリジナリティ・テーマ性 | 18 / 20 |
核抑止を無力化し、衛星兵器で世界を脅すという発想が現代的。 「抑止力が消えた世界は、脅迫に弱い」というテーマが明確に描かれている。 斬新さよりもアイデアの強度で押し切るタイプの作品だ。 |
| 合計 | 90 / 100 |
勢いとスケールで細部の粗さを上書きする、王道ミリタリー・アクション。 続編としてよりも、一本の娯楽作として観た時に最も力を発揮する。 理屈より体感で楽しむべき作品だ。 |
◆総括
『G.I.ジョー バック2リベンジ』は、前作の延長として丁寧に物語を積み上げる作品ではない。
むしろ本作は、シリーズを一度壊し、再起動させるための“勢いの映画”だ。
主人公の早期退場、主要メンバーの刷新、忍者要素とミリタリー要素の再配分――
そのすべてが賛否を呼ぶが、方向性は明確で迷いがない。
国家陰謀と世界規模の危機を、理屈よりスピードとスケールで押し切る潔さがある。
人物描写の深さやシリーズ的な積み重ねは犠牲になっているが、
その分「今この瞬間を楽しませる」娯楽性は非常に高い。
荒削りだが、覚悟と推進力は本物だ。
続編としてではなく、一作のアクション映画として向き合えば、
本作は確かな熱量と見せ場を備えた一本として、十分に記憶に残る。
それが『バック2リベンジ』の正しい立ち位置だ。
◆俺の視聴環境(今回使ったアイテム)
こういう銃撃戦・爆発・環境音が多いアクションは、音がヘタると迫力が一気に落ちる。
俺は今回、ノイキャン+高音質で「戦場の空気」を作れるイヤホンで観た。
ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WI-1000XM2
ハイレゾ対応 / Amazon Alexa搭載 / bluetooth / 最大10時間連続再生 / DSEE搭載
ネックバンド型 / ノイキャンプロセッサーQN1搭載 / ハードケース付属(2019年モデル)
有線でありながら、肩掛け式で安定感があるのがポイント。
アクション映画みたいにテンションが上がる作品でもズレにくく、集中が途切れにくい。
「映画の迫力が薄い」と感じたら、まずは音を変えるのが一番早い。
特に本作みたいな軍事アクション+爆音演出は、視聴体験が別物になる。


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