【映画】『28週後…』(2007年) 感染は終わっていなかった──安全区域で再び始まる絶望の連鎖 | ネタバレあらすじと感想

ホラー

 

| 作品情報・キャスト・ネタバレあらすじ・考察・モテ考察 |

🎬 作品情報

【原題】 28 Weeks Later
【監督・脚本】 ファン・カルロス・フレスナディージョ
【脚本】 ローワン・ジョフィ、ヘスス・オルモ、E・L・ラビニュ
【出演】 ロバート・カーライル、ジェレミー・レナー、ローズ・バーン 他
【配給】 20世紀フォックス
【公開】 2007年
【上映時間】 104分
【製作国】 アメリカ
【ジャンル】 ホラー、サスペンス、スリラー、パニック、ゾンビ映画(感染症パニック)
【視聴ツール】 Netflix/吹替/自室モニター

🧑‍🤝‍🧑 キャスト

  • ドン:ロバート・カーライル
    代表作『トレインスポッティング』(1996年)
  • スカーレット少佐:ローズ・バーン
    代表作『ブライズメイズ』(2011年)
  • ドイル軍曹:ジェレミー・レナー
    代表作『ハート・ロッカー』(2008年)
  • アンディ:マッキントッシュ・マグルトン
    代表作『エイリアンVSプレデター』(2004年)
  • タミー:イモージェン・プーツ
    代表作『グリーンルーム』(2015年)


📖 あらすじ(ネタバレなし)

感染によって壊滅状態となったイギリス──“レイジ・ウイルス”の猛威から28週間が経ち、復興への道が開かれつつあった。
ロンドンにはNATOの支援により安全区域が設けられ、人々は少しずつ日常を取り戻そうとしていた。
家族を失ったドンは、離れていた子どもたちと再会し、安定した生活を始めるが…
しかし、沈静化したはずの感染の火種は、まだ燻っていた──。


⚠️ ここからネタバレあり(クリックで開閉)
ドンは感染初期、妻アリスを置き去りにして逃げ延びていた。
奇跡的に感染を免れていたアリスは軍に保護されるが、彼女は“無症候キャリア”だった。

ドンは彼女と再会し、衝動的にキスを交わしてしまったことで、感染が再燃する。
再びロンドンにウイルスが広がり、軍は“コード・レッド”を発令。街はパニックに陥る。

ドイル軍曹とスカーレット少佐は命令に逆らって子どもたちを救出に動き、アンディとタミーだけが生き残る。

だが、物語のラストでは、ウイルスがついにパリへと渡っていることが判明する──。

💬 考察と感想

『28週後…』は、前作の続編でありながら、復興の期待と人間の過ちが引き起こす悲劇を描いた“人間劇”だった。

主人公ドンは“平凡な男”として描かれているが、彼の選択が多くの死を招く。その判断の連鎖こそがこの映画の恐怖だった。
ゾンビよりも怖いのは、“自分もそうなるかもしれない”と感じるリアルな過ちだ。

また、軍の対応も印象的だった。命令に忠実なシステムと、人間的な兵士の対比が明確で、ドイルやスカーレットのような人物が際立っていた。
子どもたちの無垢さと、“未来”を象徴する存在として描かれたことも重くのしかかる。

映像は冷たく無機質で、静けさと暴力のコントラストが効いている。終始観客を傍観者にさせる演出が、恐怖をよりリアルにしていた。
最後に残るのは、「人間って何を学ぶんだろう」という無力感だった。

❤️ モテるという観点での考察

モテる男を選ぶなら、ドイル軍曹だ。命令に背いても子どもを守り、命をかけて彼らを逃す。
寡黙だが、行動で信頼を勝ち取る男。女性が惹かれるのは、そういう「守る強さ」を持った人間だ。
モテとは、極限の中でこそ試される「人としての覚悟」なのだ。

🧠 教訓・学び

極限の中でこそ、本当にモテる男は「自分より他人を守れる覚悟」を持っている。

◆評価

項目 点数 コメント
ストーリー 17 / 20 “28日後”の続編として、感染拡大後の「再生と崩壊」を描く構成が秀逸。家族愛と国家のシステムが交錯し、悲劇を呼ぶ脚本は重厚だった。
演技 18 / 20 ロバート・カーライルの罪悪感と狂気の表現は圧巻。ローズ・バーン、ジェレミー・レナーら脇を固める俳優陣もリアリティを支えていた。
映像・演出 17 / 20 灰色のロンドン、冷たい光、荒れ果てた街並み。色彩とカメラワークのコントラストが「再生のはずの世界」に漂う絶望を際立たせている。
感情の揺さぶり 17 / 20 ドンの行動に対する怒りと同情、家族を守れない人間の弱さに胸が締めつけられる。終盤にかけての喪失感は強烈だった。
オリジナリティ・テーマ性 17 / 20 感染ものの枠を超え、「人間が自ら滅びを招く」という倫理的テーマを提示。社会復興の裏に潜む“過ちの再生産”が見事に描かれている。
合計 86 / 100 ゾンビ映画でありながら人間ドラマとして完成度が高い。恐怖よりも「後悔」と「無力さ」が心に残る、社会派パニックの傑作。

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