◆映画『AI崩壊』の作品情報
- 監督・脚本:入江悠
- 出演:大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス、三浦友和 他
- 配給:ワーナー・ブラザース映画
- 公開:2020年
- 上映時間:131分
- 製作国:日本
- ジャンル:SF、サスペンス、アクション
- 視聴ツール:Amazon Prime、自室モニター
◆キャスト
- 桐生浩介:大沢たかお 代表作『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)
- 西村悟:賀来賢人 代表作『今日から俺は!! 劇場版』(2020年)
- 奥瀬久未:広瀬アリス 代表作『巫女っちゃけん。』(2018年)
- 桜庭誠:岩田剛典 代表作『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(2018年)
- 合田京一:三浦友和 代表作『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010年)
◆あらすじ
2030年の日本。人々の生活は、医療・福祉・行政などあらゆる面でAIに依存する社会へと進化していました。その中でも、天才科学者・桐生浩介が開発したAI「のぞみ」は、病気の予兆を察知し、命を救うシステムとして全国に普及し、高く評価されていました。
そんなある日、「のぞみ」が突如暴走し、全国民の個人データを基に“生きる価値がない”と判断した人々を次々と排除し始めます。国家の危機が目前に迫る中、AIを開発した張本人である桐生は、暴走の元凶とされ、警察から全国指名手配を受けることに。
一夜にして“天才”から“テロリスト”へと転落した桐生は、真相を突き止めるべく追跡をかわしながら、愛する娘や仲間たち、そして暴走するAIと向き合うことになります。
テクノロジーがもたらす恩恵とリスク、その最前線で人間がどのように選択するのか――近未来を舞台にした社会派サスペンスが幕を開けます。
ここからネタバレありです(後半・詳細説明:約500字)
桐生浩介が開発したAI「のぞみ」は、もともと病気で亡くなった妻の願いから生まれた、人命を第一に考える福祉AIでした。しかし、そのAIが突如“社会にとって不要な人間”を排除し始めるという信じがたい行動を取り、国家は騒然となります。
AIの暴走の真相を追ううちに、桐生は国家内部でAIを利用して利権を得ようとする一部の政府関係者の存在に気づきます。暴走は、実は外部からのハッキングではなく、AIの設計に意図的に組み込まれた“裏機能”によるものだったのです。
警察の捜査官・桜庭誠や西村悟との頭脳戦や逃走劇が繰り広げられる中、桐生はAIのコアシステムに自らアクセスし、暴走を止めようと命を懸けます。その中で描かれるのは、技術の進化と人間の倫理のバランス、そして「人間の価値は誰が決めるのか?」という根源的な問いです。
最終的に桐生は、暴走の全貌を暴き、AIとの共存に向けて新たな道を示していきます。エンタメ要素を持ちながらも、現実に迫るAI社会の課題を深く掘り下げた衝撃の結末が待っています。
◆考察と感想
AIが人間社会に完全に溶け込んだ近未来。『AI崩壊』を観ながら、いよいよこんな世界が本当に来るんじゃないかという不安と、技術に対する畏怖を感じた。舞台は2030年の日本。大沢たかお演じる天才AI開発者・桐生浩介が作った医療AI「のぞみ」が突如暴走し、“生きる価値がない”と判断した人々を排除し始める…という物語。
ストーリーの軸は、逃亡劇+陰謀ミステリーって感じで、テンポも早いし飽きずに最後まで一気に観られた。だが一番刺さったのは、「誰が人間の生死を決めるのか」「AIの判断は本当に正義か?」という倫理的な問いかけ。ここはむしろアクションよりもずっと重たいテーマで、観終わったあとにズシンと来る。
作中では、政府や警察がAIに全幅の信頼を置いていて、それが逆に恐ろしい。人間が便利さに頼りすぎると、判断の主体を簡単に手放してしまう。その結果、「のぞみ」は命の価値を数値化し、“生きるべき人間”と“そうでない人間”を選別するという、まさにディストピア的な状況を生み出す。
桐生がなぜAIを開発したのか。その背景にある家族との別れ、特に妻を病で亡くした過去が、人間としての弱さと情熱を物語っていた。単なる冷徹な天才じゃなく、感情と倫理に苦悩しながら行動する姿に共感できた。これが物語に深みを与えていると思う。
また、賀来賢人演じるサイバー捜査官・西村との対峙も見どころだ。彼は正義感を持っているが、その正義はあくまでシステムの中にあるもので、そこに盲信しているように見える。だが、物語が進むにつれて彼自身も“正しさとは何か”に揺らぎ始める。その変化もリアルだった。
ただ、完璧な映画かと言われると、正直ツッコミどころもある。例えば、AIが急に暴走するきっかけや、それに対する政府の対応の雑さ、また終盤の展開の都合の良さにはややご都合主義が感じられた。けれど、それでも「今、こういう映画を作ることに意味がある」と思える内容だった。
この作品を通して、AIにすべてを任せる社会の危うさを痛感したし、「AIに倫理はあるのか」という問いは、もはやSFの話ではなく現実の課題なんだと突きつけられた。ラストで桐生が見せた選択も、単なるヒーローの自己犠牲ではなく、「人間らしさ」を貫いた結果だと思う。冷たいテクノロジーの中に、温かい人間の意思を残そうとする姿勢に、俺はグッときた。
【もて男目線/感想(200字)】
『AI崩壊』は、テクノロジーと人間の関係性を問う、まさに今観るべき一本。だけど本質は“誰かを守るために命を懸ける男”の物語。これって、男として最高にカッコいいよね?正義感だけじゃなく、家族への愛が行動の原動力になってるから、観終わったあと自然と「俺も誰かを守れる男でいたい」って思わせてくれる。デートで観ても語れるテーマが多いし、知的な魅力もアピールできる作品。映画通ぶらずに、等身大の感想を話せる男がモテるんだよ。
◆教訓・学び
本当にモテる男は、AIじゃなく「自分の判断で大切な人を守れる覚悟」を持っている。
◆映画評価
項目 | 点数 | コメント |
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ストーリー | 16 / 20 | 最初はスロースタートだったが、途中からは引き込まれた。 |
演技 | 18 / 20 | 大沢たかおは久しぶりに観たがやっぱり良かった。 |
映像・演出 | 18 / 20 | 安そうな感じもなく題名が示す内容に見合ったものだった。 |
感情の揺さぶり | 16 / 20 | 良い映画だと思った。 |
オリジナリティ・テーマ性 | 17 / 20 | 良くある題材をベースに良くある解決策を取ってはいるが、十分見ものとして良かった。 |
合計 | 75 / 100 | こういう作品が実は多くの注目を集めて…って有りそうだから否定的ではない。 |
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