◆映画『アジョシ』の作品情報
- 【英題】The Man from Nowhere
- 【監督・脚本】イ・ジョンボム
- 【出演】ウォンビン、キム・セロン 他
- 【主題歌】Mad Soul Child『Dear』
- 【配給】CJエンターテインメント、東映
- 【公開】2010年
- 【上映時間】119分
- 【製作国】韓国
- 【ジャンル】アクション、サスペンス、クライム、ヒューマンドラマ
- 【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター
◆キャスト
- チャ・テシク(アジョシ):ウォンビン 代表作『ブラザーフッド』(2004年)
- ソミ:キム・セロン 代表作『トレイン』(2020年)
- マンソク:キム・ヒョソ 代表作『悪いやつら』(2012年)
- ジョンソク:キム・ソンオ 代表作『新しき世界』(2013年)
- キム刑事:キム・テフン 代表作『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』(2019年)
◆ネタバレあらすじ
街の片隅で質屋を営む男、チャ・テシク。彼は過去を一切語らず、近隣住民ともほとんど関わりを持たない孤独な存在でした。ただ一人、隣に住む少女ソミだけが彼に心を開き、何かと店を訪れては話しかけてくる日々。テシクも内心ではソミに心を寄せており、静かな日常の中に小さなつながりを感じていました。
しかし、ある日突然その日常が崩れ去ります。ソミの母親が裏社会と関わる麻薬事件に巻き込まれ、やがてソミ自身も犯罪組織に連れ去られてしまいます。警察の捜査は難航し、手がかりもない中、テシクはただ一人で彼女の行方を追い始めます。
その行動は、彼が単なる質屋ではないことを示していました。鋭い直感と躊躇ない身のこなし、そして裏社会にも通じる情報網。テシクの正体に次第に疑問が浮かぶ中、観客は彼の過去に何があったのか、そしてなぜここまで少女を救おうとするのかを知りたくなっていきます。物語は、孤独な男と少女の絆を軸に、容赦ない犯罪社会との激突を描いていきます。
【ここからネタバレありです】
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実はチャ・テシクは、かつて国家情報院に所属していた特殊工作員でした。過去のある出来事によって現役を退き、世間との関わりを断って生きてきたのです。彼のプロフェッショナルな戦闘能力や追跡スキルは、その経歴に裏付けられていました。
ソミの母親は麻薬密売に関与した組織に命を奪われ、ソミは人身売買や臓器密売にも関わる凶悪な犯罪グループの手に落ちてしまいます。テシクは単身で組織のアジトを突き止め、壮絶な戦いを繰り広げながらソミの救出に突き進んでいきます。
警察が後手に回る中、テシクは法の外側で圧倒的な暴力と執念をもって犯罪に挑みます。追い詰められる中で次第に浮かび上がる、彼の過去と後悔、そして失った者たちへの贖罪の念。それがソミへの執着にも似た想いへと昇華していきます。最終的に、命を懸けてソミを守り抜いたテシクは、ようやく自らの心に光を取り戻していくのです。
◆考察と感想
本作、韓国映画『アジョシ』は、ただのアクション映画ではなかった。むしろ、一言で言えば「哀しみを背負った男の、救いの物語」だ。最初は孤独な元工作員が少女を救うという、よくある“最強オヤジもの”かと思って観始めた。でも、それだけじゃ済まなかった。アクションの裏にある心の闇、贖罪、そして微かな光に胸を打たれた。
主人公のチャ・テシクは、過去に深い傷を抱えて生きている。その過去が何かは序盤では語られないが、彼の静かな佇まいや人を避けるような生活に、それがにじみ出ていた。そんな彼に唯一心を許してくれるのが、隣に住む少女ソミだ。彼女の存在が、どこかテシクの心を少しだけ柔らかくしているのがわかる。最初は“ちょっとした交流”くらいの距離感だったが、ある日突然その少女が姿を消し、そこから物語は一気に加速する。
少女を救うために立ち上がるテシクの姿は、ただの正義感ではない。そこには「自分が何も守れなかった過去」への後悔と、「今度こそ誰かのために命を懸けたい」という強い意志があった。組織に単身で挑み、容赦なく敵を倒していく姿は圧巻だったが、ただの暴力ではなく、その一撃一撃に込められた“祈り”のようなものを感じた。だからこそ、血にまみれたアクションがむしろ美しく、そして切なかった。
敵として登場する麻薬組織の描写も容赦ない。子どもを使い、臓器売買まで手を染める彼らの非道さに、観ていて怒りすら覚えた。そんな中でテシクが見せる本気の怒りと悲しみ、それがすべての行動の原動力になっていた。派手なガンアクションや肉弾戦だけでなく、無言で語る表情や、ソミの写真を見つめるまなざしに、彼の心の叫びが凝縮されていた。
終盤、ソミを救い出した後のテシクの涙と、その後に見せるささやかな笑顔。あのラストシーンは、静かでありながら胸に深く突き刺さった。失われた時間、奪われた命、それらを背負ってなお、人は誰かを守ることでまた一歩踏み出せるのかもしれない。そんな希望を感じさせる結末だった。
ウォンビンの演技も圧巻だった。寡黙で冷徹な顔つきから、一気に感情を爆発させる場面への振れ幅がすごい。そして子役のキム・セロンも素晴らしかった。彼女がいたからこそ、観る側は「守られるべき命とは何か」を突きつけられたのだと思う。
この映画は、暴力と愛情、絶望と救済、喪失と再生といったテーマを高いレベルで融合させている。韓国映画の底力を見せつけられた一本だった。男なら一度は「こんなふうに誰かを本気で守れる強さ」が欲しいと思うはずだ。俺はこの映画を観て、自分の中にある“守る覚悟”みたいなものを試された気がした。
『アジョシ』考察(もて男)
『アジョシ』のテシクは、無口でミステリアス、でもいざというときは命懸けで守る。これ、まさに究極のギャップ萌えだ。もて男目線で言えば、「普段は余裕あるけど、好きな人のためなら本気出す」ってのが最強。女の子が惹かれるのは、外見より“覚悟と優しさ”。この映画、モテる男の本質を体現してる。
教訓・学び
本気で誰かを守れる男は、言葉以上に信頼される。
◆映画評価
評価項目 | 点数 | ひと言コメント |
---|---|---|
ストーリー | 14 / 20 | ウォンビン一押し作品ですが、戦闘シーンはシビレタ。 |
演技 | 16 / 20 | ウォンビンが無口な役だったので演技を評価するのは正直厳しい… |
映像・演出 | 12 / 20 | 思ったほど、ウォンビンが強く良くなかったのが意外。もっとステイサムのようにかっこつけてもよかったのでは? |
感情の揺さぶり | 14 / 20 | 共感は薄め、それでも若干は感情移入できたかな? |
テーマ性 | 16 / 20 | “時代を感じ、貧しいこの世界が良くなるようにと祈るしかない。世界が平和でありますように! |
合計 | 72 / 100 | アクション初級&上質で、内容もすんなり入ってくるのは良かった |
ウォンビンの肉体に近づくために
映画『アジョシ』を観た後、「ウォンビン、かっこよすぎ…」と感じた方も多いはず。
あの無駄のない引き締まった肉体、鋭いアクション、静かに燃える強さ──あの存在感の裏には、確かな体づくりがあると感じさせられます。
「自分も少しでも近づきたい」と思ったら、トレーニングと合わせてプロテイン習慣を取り入れるのがおすすめ。
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