【映画】『事故物件 怖い間取り』(2020年) 住んではいけない──その部屋には、映してはならない何かがいる | ネタバレあらすじと感想

ホラー

◆映画『事故物件 怖い間取り』の作品情報

  • 監督:中田秀夫
  • 脚本:ブラジリー・アン・山田
  • 原作:松原タニシ『事故物件怪談 怖い間取り』
  • 出演:亀梨和也、奈緒、瀬戸泰史、江口のりこ、MEGUMI 他
  • 配給:松竹
  • 公開:2020年
  • 上映時間:111分
  • 製作国:日本
  • ジャンル:ホラー、サスペンス
  • 視聴ツール:Amazon Prime、自室モニター

◆キャスト

  • 山野ヤマメ:亀梨和也 代表作『PとJK』(2017年)
  • 小坂梓:奈緒 代表作『あなたの番です』(2019年・TV)
  • 中井大佐:瀬戸康史 代表作『昼顔』(2017年)
  • 下中裕美:江口のりこ 代表作『ソロ活女子のススメ』(2021年・TV)
  • 篠崎:木下ほうか 代表作『ガキ☆ロック』(2014年)

◆ネタバレあらすじ

売れない芸人の山野ヤマメ(亀梨和也)は、相方とコンビを解消し、芸人としての将来に不安を感じながらも日々の活動を続けていました。そんなある日、テレビ番組のプロデューサーから「事故物件に住んで、その体験をネタにしてみないか」という破天荒な企画を持ちかけられます。ヤマメは迷いながらも話題づくりのため、その提案を受け入れます。

最初に紹介された部屋は、かつて殺人事件があった事故物件。不可解な出来事が続く中で、ヤマメは徐々に「何か」に見られているような感覚を覚えます。しかしその体験が逆に注目を集め、テレビ出演の機会が増えていきます。ヤマメはさらに複数の事故物件に住み替え、芸人としての知名度を上げていくのですが、次第にその代償として心身に変調をきたし、現実と異界の境界が曖昧になっていきます。

本作は、実際に事故物件に住み続けた芸人・松原タニシの実話をもとにしたホラー作品で、リアルな恐怖体験と人間ドラマが絡み合う構成となっています。

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ヤマメが最初に住んだ事故物件では、夜な夜なラップ音や人の気配が現れます。共演者である小坂梓(奈緒)も次第にその異常さに気づきますが、ヤマメはテレビの注目が集まるにつれ、さらなる刺激を求めて次の事故物件へと移っていきます。

次に住んだ部屋では、以前住んでいた女性が原因不明の死を遂げていたことが明らかになり、ヤマメ自身にもポルターガイスト現象や幻覚が襲いかかります。やがて彼は、自身が体験している現象がテレビの演出や視聴率と結びついていることに疑念を抱きます。

さらに進むごとに霊の姿は明確になり、ヤマメを“見ている”存在の正体が浮かび上がってきます。それは単なる幽霊ではなく、事故物件という土地や人間の怨念が複雑に絡み合った「集合的な呪い」のような存在でした。

最終的にヤマメは、己の芸人としての成功と引き換えに、自分自身の心と人生が呪われていくことに気づきます。彼が最後に選ぶのは、「芸人として生き残ること」なのか、「呪いから逃れること」なのか――。

◆考察と感想

正直、最初は「芸人が事故物件に住むホラー映画? ネタ映画じゃないの?」って思ってた。でも観てみたら、いい意味で裏切られた。

ホラーの定番である“見えそうで見えない”演出がうまくて、無理にドカンと驚かせてこない。静かなシーンほど不穏な空気が漂ってて、「来るぞ…来るぞ…あ、来た!!」っていう緊張感がずっと続く。

一方で、ヤマメがどんどん事故物件を渡り歩く過程は、まるで「売れるために魂を削る芸人のリアル」そのもの。注目されることの恐怖、自分を見失っていく過程がホラーと交差しているのが面白い。

奈緒演じる小坂梓の存在も地味に良くて、「幽霊より現実の方が怖い」という対比的なメッセージも感じられた。終盤は多少の“お約束”感もあったが、それも含めて王道的で観やすい。

実話ベースというのがまた効いていて、CGに頼らない“空気”の恐怖をしっかり伝えてくる。

『事故物件 怖い間取り』考察(もて男)

この映画、女の子と観るにはちょうどいい。怖がる彼女に「大丈夫だって」って腕貸せるし、その流れで距離が縮まる。しかも、ただのホラーじゃなくて“芸人の業”とか“人生の選択”みたいな深いテーマもあるから、観終わったあとに「どう思った?」って会話も広げやすい。見せ方次第で“理解ある男”にもなれる、つまりモテる映画。デートムービーの穴場かもな。

教訓・学び:怖くても踏み出す覚悟が、人を惹きつける強さになる。

◆映画評価

項目 点数 ひと言コメント
ストーリー 12 / 20 気楽に観れるが、内容はやや薄め。
演技 17 / 20 亀梨&奈緒の安定感が光る。
映像・演出 10 / 20 邦画らしい雰囲気づくり。
感情の揺さぶり 12 / 20 共感は薄め、でもじんわり怖い。
テーマ性 14 / 20 “売れること”の闇を描いて秀逸。
合計 75 / 100 ほどよいホラーとして楽しめる一本。

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