【映画】『ある会社員』(2012年) 任務に生きる男が、愛を知ったとき運命が動き出す──哀しき殺し屋の選択とは | ネタバレあらすじと感想

アクション

🎬 映画『ある会社員』レビュー

◆作品情報

  • 原題:A Company Man
  • 監督・脚本:イム・サンユン
  • 出演:ソ・ジソプ、イ・ミヨン、クァク・ドウォン 他
  • 配給:ショーボックス、ポニーキャニオン
  • 公開:2012年
  • 上映時間:96分
  • 製作国:韓国
  • ジャンル:アクション、ドラマ
  • 視聴ツール:U-NEXT、吹替、自室モニター

◆キャスト

  • アン・ヒョンド:ソ・ジソプ
    代表作『ごめん、愛してる』(2004年・ドラマ)
  • ユ・ミヨン:イ・ミヨン
    代表作『愛の群像』(1999年・ドラマ)
  • クォン部長:クァク・ドウォン
    代表作『哭声/コクソン』(2016年)
  • チャン・チョルグ:キム・ドンジュン
    代表作『町の弁護士チョ・ドゥルホ』(2016年・ドラマ)
  • チーム長:イ・ギヨン
    代表作『白夜行』(2009年)

◆あらすじ(ネタバレなし)

アン・ヒョンド(ソ・ジソプ)は、表向きは金属貿易会社の営業マン。しかし実態は、暗殺を請け負う企業の精鋭社員。冷静沈着な彼は、任務を完璧にこなす“会社員”として日々を過ごしていた。
ある日、かつての上司の息子チョルグの監視任務中、彼の母であり元同僚のユ・ミヨンと再会。やがてヒョンドの中に、”普通の人生”への憧れが芽生え始める――。

🔻 ここからネタバレありです(クリックで展開)

【あらすじ|後半(ネタバレあり)】

チョルグが父の死に疑念を抱き、命の危機に晒される中、ヒョンドは命令に背いて彼を守る決意を固める。
組織の追跡、そして愛するミヨンまでもが標的に。
ヒョンドはすべてを捨てて、彼女とチョルグを守ろうとする。
最後の戦いは壮絶で、冷酷だった彼が人としての温もりを取り戻す瞬間でもある。
生き方を変えた彼の選択が、静かに胸に響く結末を迎える。

◆考察と感想

本作、『ある会社員』は、表向きはサラリーマン、実はプロの殺し屋という主人公の設定がまず刺さった。こういう二面性を描く映画は多いが、この作品は“会社員”という身近な枠組みに置き換えているところがリアルで、逆に怖い。

ヒョンドは感情を殺して仕事をこなしていたが、ユ・ミヨンとの再会が彼を少しずつ変えていく。特に「洗濯機を回す」「ご飯を食べる」ような日常に目を向けるシーンは切なかった。

組織に背いてまで守ろうとする決意は、彼にとって初めての“自分の意志”。それは裏切りではなく、自分を取り戻す一歩だったと思う。

アクションは地に足がついていて派手すぎずリアル。その中で描かれる心の揺れが、観終わったあとじわじわ効いてくる。

ラストは希望に満ちた明るさではないが、彼の選択は確かに“救い”だった。誰かのために変わろうとする男の姿に、静かに感動した。

◆もて男目線の考察

この映画、男として刺さる部分は多いけど、何が一番グッとくるかって「冷たい仮面の下に熱を持つ男」ってとこだよね。ソ・ジソブの無言の色気、あれはモテる。で、変化のきっかけが“女性との再会”っていう展開もまた王道だけど良い。最強の男が、たった一人のために世界を敵に回す。それって結局、女から見た理想のヒーロー像じゃない? 殺し屋だろうがなんだろうが、愛のために変われる男はやっぱ魅力的だよね。

◆教訓・学び

💡どんなに冷酷な仕事をしていても、心を動かす“誰か”の存在が、男を本物の魅力に変えるんだ。

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