【ドラマ】『あなたを奪ったその日から』(2025年) この罪は、悪でしょうか | ネタバレあらすじと感想

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ドラマ

🎬 作品情報

  • 企画:水野綾子
  • 脚本:池田奈津子
  • 演出:松木創、渕上正人、本間利幸、大崎翔
  • 出演:北川景子、二村紗和、平祐奈、阿部亮平(Snow Man)ほか
  • エンディング:back number「ブルーアンバー」
  • 放送チャンネル:フジテレビ系列
  • 放送期間:2025年4月~
  • 放送時間:月曜22:00~22:54
  • ジャンル:連続ドラマ(サスペンス)
  • 視聴ツール:Netflix、自室モニター

🎭 キャスト

  • 中越紘海:北川景子(代表作『家売るオンナ』(2016年))
  • 結城旭:大森南朋(代表作『私の家政夫ナギサさん』(2020年))
  • 結城梨々子:平祐奈(代表作『ReLIFE リライフ』(2017年))
  • 玖村毅:阿部亮平(Snow Man)(代表作『NICE FLIGHT!』(2022年))
  • 東砂羽:仁村紗和(代表作『SHUT UP』(2024年))

📘 第1話 あらすじ(2025年4月21日放送)

保育園で調理師として働く中越紘海(北川景子)は、夫の景吾(高橋光臣)と3歳の娘・灯(石原朱馬)と平穏な日常を送っていた。灯の誕生日、彼女のリクエストで購入したのは人気惣菜店「YUKIデリ」のピザ。アレルギー体質の灯のために食材表示を入念に確認し、エビの記載がないことを確認したうえでの選択だった。しかしその夜、ピザを一口食べた灯が突然苦しみ出し、病院に搬送されるもアナフィラキシーショックにより帰らぬ人となってしまう。

表示にエビはなかった。調査の結果、混入経路は不明とされ、警察も断定に至らず。そんな中、社長・結城旭(大森南朋)の謝罪会見が開かれるが、無神経な発言が世間の反感を買い、SNSは炎上。「YUKIデリ」は閉店し、旭は表舞台から姿を消す。しかし、紘海の喪失と怒りは、そんなことで癒えるものではなかった。事故後、夫婦関係も冷え込み、紘海は景吾と離婚。1年後、心の傷を抱えたまま料理教室に通う彼女は、思いがけず旭と再会する。

娘を奪った男。紘海の心に再び復讐心が芽生え、彼の家族を壊すことを決意する。特に目をつけたのは、旭の娘たち。長女・梨々子(平祐奈)、次女・萌子(倉田瑛茉)を男手一つで育てる旭の家庭に、紘海は静かに近づいていく。ある日、包丁を握りしめて旭の家を訪れるが、家庭教師の玖村毅(阿部亮平)に不審者として目撃され、犯行は未遂に終わる。

しかし偶然にも、帰り際に車へ向かった紘海のもとへ、萌子がふらりと乗り込んできてしまう。突然の出来事に動揺しながらも、萌子の無邪気さに灯の面影を重ねた紘海は、葛藤しながらも彼女を連れ帰ってしまう。萌子を抱きしめながら流す涙。そして「ママ?」と尋ねた萌子に対し、紘海は静かに答える――「ママじゃないよ。お母さん」――。

📘 第2話 あらすじ(2025年4月28日放送)

萌子を自宅へ連れて帰った紘海は、当初は彼女を通じて旭に復讐しようと考えていた。しかし、無垢な少女の姿に亡き娘・灯の影を重ねてしまい、心は激しく揺れる。一線を越えることはできず、むしろ母性がにじみ出てしまう。萌子は「ママ」と紘海に呼びかけ、紘海もまた、「お母さん」と返すようになる。まるで娘を取り戻したかのような、静かで歪な疑似親子の時間が始まってしまった。

一方で、旭の家庭では萌子の失踪により大混乱に陥っていた。旭は警察に通報し、刑事たちが聞き込みを進める中、家庭教師の玖村毅が「見覚えのある不審な女性」を近所で見たと証言する。娘・梨々子は、疲弊する父を目の前にして、1年前の事件を蒸し返し、「因果応報」と冷たく言い放つ。彼女自身も心に闇を抱えており、愛情に飢えている様子が垣間見える。

そのころ、紘海の隣室には新たにガールズバー店員・野口初芽(小川李奈)が引っ越してくる。初芽はあっけらかんとした性格で、挨拶の際に偶然萌子の姿を目撃してしまう。紘海は慌ててごまかすが、「誘拐」という事実を隠し通せるかどうか、危うい綱渡りが始まっていた。

夜、心の落ち着かない紘海は、車で海辺へと向かう。波音に包まれながら、灯と萌子、そして自分自身の感情が渦を巻く中、紘海の中に複雑な思いが交錯していた。復讐という名の行動は、もはや彼女にとって本当の目的ではなくなりつつあった。ただ一度だけでも、もう一度“娘と暮らす”という幻想の中に、身を委ねていたのかもしれない。

その一方で、萌子の失踪に対する警察の捜査も着実に進行していた。近所の証言、玖村の証言、そして望月(筒井道隆)の直感。全ての視線が、徐々に紘海へと集まり始める。

📝 考察と感想

俺は、このドラマ『あなたを奪ったその日から』を観て、心が重たくなるのを感じた。ただの復讐劇とは違って、そこにあるのは母としての苦しみ、人としての限界、そして「生きることの痛み」だったと思う。

紘海は、ただ怒っていたわけじゃない。彼女が抱えていたのは、「なぜ私だけが」と言いたくなるような絶望だった。アレルギー表示を信じたのに娘が死んだ。誰も責任を取らず、社会の制度も、企業の謝罪も、何もかもが彼女の喪失感を埋めてはくれなかった。俺は、彼女の苦しみがただの感情ではなく、制度や社会が作り出した“空洞”だと感じた。

旭の会見は、ひどかった。心がこもっていない。形式だけ。だから紘海が怒りを抱くのは当然だ。だけど、その怒りの矛先が“子ども”に向いてしまったとき、俺は思った。これはもう単純な復讐じゃない、紘海の心の叫びなんだと。

萌子を抱きしめた瞬間、紘海の中の何かが変わった。それまでの復讐心が溶けて、灯への想いと重なり合い、別の感情になっていく。そこに正しさなんてない。ただ、人間としての弱さと愛しさがあるだけだった。

俺自身、もし大切な人を突然失ったら、同じように誰かを憎まずにいられるだろうかと考えてしまう。このドラマは、登場人物に自分を重ねざるを得ないリアリティがある。

そして何より、北川景子の演技。静かで、でも内側にものすごい激情を抱えている。あの涙、あの震える声。それが嘘じゃなく、紘海という人間の“本音”に見えた。

復讐、母性、孤独、罪、赦し。その全部が混ざり合って、簡単には割り切れない世界が広がっていた。俺は、このドラマを最後まで見届けたいと思ってる。紘海がどこへたどり着くのか、それを知りたいと思ってる。

💡 教訓

『憎しみの先にあるのは、結局、自分自身の痛みだった』

🔜 次回に向けて

物語はまだ序盤。紘海が抱える喪失と、萌子との奇妙な関係。そして、結城家に広がる不穏な空気。それぞれの思惑が交差し始めたことで、事態はますます深刻さを増していく。

警察の捜査は着実に進み、隣人の初芽による目撃も加わって、紘海の立場は危うくなりつつある。誰かに告げるべきか、逃げるべきか、それとも――。

怒りと悲しみ、そして母性が入り混じる中、紘海はどんな選択をするのか。視聴者として、彼女のその一歩一歩から目が離せない。

▼次回「第3話」のあらすじと感想も掲載予定です。更新をお楽しみに。

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